タイムトラベルの不思議な話 続編 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 昨日書いた話題の続き

 

 ブラック電機に就職して人生オワタと嘆いている山田さんという人がいたとしよう。

 

 山田さんは過去に行き、昔に自分を説得してホワイト企業に入社させようと考えた。

 

 この山田さんを山田Aと呼ぶ。山田Aは昔の自分である山田Bに会い、もう一つの内定先であるホワイト商事に入社するように言った。山田Bはブラック電機は東証上場企業なので捨てがたいと思ったが、自分の未来である山田Aが語る恐るべき労働環境の話を聞くと怖くなり、中小企業のホワイト商事に入ることにした。ホワイト商事はその後大成長を遂げ、無名時代に入社した人は幹部・高収入になっていたのだ。

 

 山田Aは現在時点に戻るとどうなっているだろうか?

 

 

〇一つ目のシナリオは歴史の書き換えが行われるというものだ。山田Aの部屋には名刺入れが置かれており、ホワイト商事営業部長の肩書になっていた。

 

 では山田A本人のスキルは変化したか?

 

 彼は過去に行って戻ってきただけで、部長になる訓練どころかホワイト商事にも努めた経験すらない。明日出勤した場合、どのように同僚と接したらよいのだろうか?部下の名前すら知らないのだ。

 

 ホワイト商事に入れたものの、全く仕事が出来なくなり、山田Aは近い内に解雇になるであろう。不幸で終わった。

 

 過去を改変して、それが現在と繋がっているとこういう矛盾が生じる。山田Aの中身まで同時に入れ替わるとすればどのようなロジックで説明すればよいのか?

 

 

 

 

〇二つ目のシナリオは、現在に山田ABの二人が併存するというものである。

 

 山田Aが現在に戻ってきた。部屋に戻ると机の上に名刺が置いてあり、ホワイト商事営業部長の肩書が付いている。歴史は変わったのだ。

 

 だが山田Aには新しい歴史の記憶が全くない。こうして名刺があるということは、あの後、山田Bがホワイト企業に入社し、そこで実績を築いたということだろう。ということは山田Bは現在、存在することになる。

 

 部屋で待っていると山田Bが会社から帰宅した。彼は山田Aを見ると、あの時の人ですねと言った。山田Bは成長して山田Aの年齢と同じになったのだが、上級管理職になっているせいか、品があった。

 

 ここで疑問が出る。山田Aはこの後、どこに行けばよいのか?既にこの世界は山田Bのものになっているではないか。確かにブラック企業からホワイト企業の社員に歴史を書き替えることに成功したが、別人格が生まれてしまった。山田Aは今まで通りブラック電機で働こうとしても、過去に内定を辞退したことになっているので、ブラック電機勤務の履歴も消滅している。山田Aは無戸籍者になってしまった。

 

 山田Aには不幸の結果で終わった。

 

 

〇三つ目のシナリオは、山田Bがブラック電機の内定を辞退した時点で、山田Aが消滅するというものだ。

 

 このシナリオだと、山田Bがそのままホワイト商事に勤め、将来部長になり、ふとした時に、昔、変なオジサンが来て妙なこと言ってたな、あれって何者だったんだろうと呟いて終わる。

 

 山田Aは突然消滅するので、車に突然はねられて即死したようなものであろう。

 

〇四つ目のシナリオは、過去の改変は現在に何の影響も与えないというものだ。

 

 山田Aが現在に戻ると、全く同じで、ブラック電機にそのまま勤めている。では山田Bはどうなったかというと、山田Aの介入でパラレルワールドが形成され、別世界で山田Bはホワイト商事に入社し、将来は部長になるというものである。

 

  これも山田Aには何の益もない。

 

 

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 以上、場合分けして見たが、過去を変えてもメリットは全くなかった。しかし本人のスキル、人間関係に関係のない改変だと異なる結果になるかもしれない。例えば将来10倍になる株式の銘柄を教える等すれば、シナリオ1では山田Aは億万長者になっている。