非正規雇用割合の推移 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

1990年 20.2%

2000年 26.0%

2010年 26.0%

2020年 36.9%

2023年 37.0%

 

 バブル崩壊後、失われた10年と言われたが、10年どころで済んでいない。日本は2002年以降、世界経済の回復の恩恵を受けて底打ちに転じたが、雇用に関しては既に30年以上経つが、非正規雇用割合が高くなる一方である。

 

 直近の数値だと非正規割合は37%にも達している。しかも非正規労働者の内、中高年齢層が増加している。また正規雇用といっても、ブラック企業の正社員は非正規と実質的に変わらないので、一応まともに生活できる人は就業者の半数に過ぎないかもしれない。

 

 非正規問題の解消は中々難しい。時給を上げろとか、最低賃金すら払えない企業は潰れてもいいとか主張する人がいるが、それほど簡単なことではない。

 

 非正規雇用比率の高い企業は時給を1割上げると利益は全部無くなってしまい倒産するであろう。価格転嫁が進めば、結局はインフレになるだけで、低所得層ほどダメージを受ける。

 

 結局は生産性を上げるしかないのだ。とは言えこれも簡単ではない。長期的に高い生産性を上げるためには、教育訓練を長期に渡って行う必要があるが、企業にその気があるのなら、既に正社員採用に切り替えているはずである。

 

 労働者側も時代と共に転職を当然と考えるようになってきているので、もし教育訓練に時間を掛けても、スキルが向上すれば転職される恐れがある。

 

 このように考えると、昔の日本に戻ることはないだろう。結局企業は長期間勤めてくれそうなコア人材に教育投資を集中し、他については外注するか非正規者に非熟練労働させるかになりやすい。

 

 また別の面から見ると、労働力の劣化の問題もある。時給を高くすると、明らかにその時給に見合う労働をしない人が出てしまう。

 

 非正規雇用者でも時給2000円のレベルの人と1000円のレベルの人が混じっている。何とかハイレベルの人だけでも高い時給にする仕組みが必要だ。

 

 ところが企業は時給2000円の人材ですら、1200円程度で使おうとするから彼らがいつかない。時給2000円といっても、ボーナスはない訳だから、正社員に比べると寧ろ安い。最初は最低賃金で採用しても、仕事の出来具合でどんどん昇給し、2000円に近づけていくべきだ。