中卒者の進路 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 直近の高校進学率は98.8%になっている。この数字は夜間高校や通信制高校のように働きながら進学した者も含める。よほどの事情がない限り、ほぼ全員高校に進学しているということになる。

 

 世の中には病弱な者、虐めによる引きこもり、粗暴な者などが少ならず存在するが、それでも高校に関してはほぼ全入。凄いことだ。

 

 このことが反映しているせいか、スーパーのパート募集の張り紙を見ても高卒以上となっていたりする。大学生の6人に1人は分数が出来ないという調査結果を見たことがあるが、実際その程度の学力でも仕事をこさせることを考えると、一般的な仕事に学歴要件は必要ないと思うのだが、どうやら違うらしい。

 

 厚生労働省のデータによると高校新卒の求人数は42.5万人だが、中学新卒者の求人は僅か759人であった。

 

 このことから人手不足の業界や長年の修行を必要とする職人の世界ですら、中卒者を積極的に求めていないことが分かる。

 

 勿論、縁故による紹介など、職業紹介所を通さない募集もあるため、実際は759人ということはなく、数千人単位のはずでもっと就職しやすいはずだ。

 

 だが別のデータを見ると、中卒者は3年以内に54%が離職している。これは彼らの資質だけではないだろう。

 

 雇用される企業規模が小さい為、労働環境が悪いこと、未だ精神的に子供であるにもかかわらず、大人の扱いを受けてストレスが溜まること、給料が低いことが背景にあるはずだ。

 

 中学の同級生で1人だけ中学を出た就職した。大坂の工場に行ったのであるが、確か22か23歳の時にクラス会があり、彼も遠くから駆け付けた。

 

 そしてその変貌ぶりにびっくりした。全身ブランド尽くめ。別に半グレになって犯罪で稼いだわけではない。

 

 彼によると600人いる工場で工場長の補佐役にまで昇進し、何百人の従業員を使っているとのことだ。

 

 実際現場を見たわけでないが、嘘であることぐらい誰でも分かる。22,23の小僧でそんな立場になれるわけがない。600人も盛っているのだろう。6人ぐらいの鉄工場で親方に怒られながら、作業しているのだと思った。

 

 彼は見栄を張る為にブランド品で固めたのだろうが、流石に周りも凄い凄いを連発して合わせていた。内心は皆、可哀そうにと思っていたに違いない。

 

 そんなことよりも、大坂という知らない地で他人が遊び惚けている中で苦労してきた方が立派だと思うのだが。

 

 その後、どうなったかは知らない。彼としても見栄を張った手前、実際の姿を同級生に見せたくなかったはずだ。

 

 高度成長期の中卒者は金の卵と言われ、日本経済の成長と共に彼らも豊かになり、首都圏の郊外に家を構えるまでになった。それが今の団塊の世代である。

 

 僕らの頃は大学を出ても金の卵どころか、100円ショップの使い捨て商品のようなものである。時代は変わった。中卒だけでなく、大卒も消耗品だ。だから生ポが人気になるのですよ。