公務員の成り手がいない | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 近年、公務員の人手不足が起きているようだ。

 

 募集しても意外と集まらない。民間大手に比べて給料が安いこと、自治体の税収が減り、昇給が厳しくなってきていること、足りない人員で回すための負担増、住民からのカスハラなどが背景にあるとのこと。

 

 実際、複数の役所の倍率を見ると、2倍程度がゴロゴロしている。初任給は大卒で18万。民間だと21万円は行くだろう。25万円の会社も珍しくない。

 

 25万の会社と比較すると、月7万×12月=年間84万円だ。これにボーナスの差が加わるから100万円以上の差が付く。更に将来の格差もあると生涯で数千万円にもなる。

 

 今の時代、社会貢献よりも自分の成長のために働く人が多い。成長→スキルアップ→年収アップだから、この好循環が成り立たない業界は敬遠される。霞ヶ浦の中央官庁ですら、外資系コンサルなどに人材を奪われるぐらいだから仕方がない。

 

 勿論、安定した公務員だから、応募者がいなくなるということはない。だが人材の質は明らかに低下する。

 

 公務員の仕事は誰でもできると思われている節があるが、都市計画、公共事業、水道下水道、戸籍・住民票、福祉、税務などそれなりに専門的だ。

 

 以前、財政破綻した夕張市役所のことが書かれた本を読んだが、大量退職で専門知識・経験のある人がいなくなり、水道を安定供給できるかという不安、社会福祉関係の手続き業務などの停滞が出ていた。

 

 事務手続きについては、東京都庁を始め、各自治体から50名の職員を派遣して貰い凌いだそうだ。

 

 事務職員は専門職ではないが、それでも行政書士、司法書士、税理士と似たような仕事を行っていることが多い。しかも数年で異動し、別部門で専門知識をゼロから身に付けることを繰り返す。

 

 従って人手不足ということで誰でも採用してしまうと、行政が停滞するわけだ。学校の教員だって人手不足を解消するために、ハードルを下げるとまともに授業できないセンセイが出現してしまうでしょ。それと同じである。

 

 だからといって年収を上げるのも難しい。増税して職員の給料を上げるとなると、住民は猛反発するであろう。何せ普段から税金泥棒と言われるぐらいだから。

 

 その内、公務員ですと言うと、何だ公務員にしか成れない奴かという顔をされる時代が来ると思いますよ。気の毒な公務員のために増税を。消費税20%でお願いします。