ラーメン屋の話 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 以前、ラーメン店の経営者に聞いたはなし

 

 飲食店の人使いの荒さは今に始まったことではなく、法律なんてあって無きが如きだった。

 

 親方は弟子にこう言った。

 

 おい、今は大変だろうが、10年我慢したらお前も店主だ。幾らでも稼げるさ。

 

 

 つまりまともに払うと儲からないが、ピンハネで利益を出す。ピンハネされた者は次の世代の弟子をピンハネすることで過去の逸失分を回収するというわけだ。

 

 これが成り立つには前提条件がある。

1.弟子が独立できるだけのパイ(経済)の拡大があること

2.新たな人が店主を目指してが弟子入りすること

 

 条件2は将来店主になれることを期待があるから成立するものなので、条件1が最も重要な前提ということになる。

 

 ではパイの拡大はあるだろうか?

 

 答えは否である。これはラーメン屋だけでなく、日本経済全体に言えることだ。ということは経済の拡大を前提とした修行制社会は成立しないことになる。

 

 従って店主は低賃金に耐える修行者ではなく、法律上の権利のある従業員を雇用しなければならないのであるが、元々仕事を教えてやるという餌でタダ働きをさせていた店がまともな賃金を払って経営は成り立つであろうか。

 

 厳しい修行に耐えて弟子入りする人がいなければ、バイト君を雇うしかない。バイト君はラーメン屋に骨を埋める気などサラサラなく、他業界との時給を比較して仕事を選ぶだけだ。従ってそれなりの時給を雇わないと人は来ない。ブラックなどと噂された業界ほど、求職者に警戒されるので、上乗せは必要だろう(そうでなければ、情弱を騙すしかない)。

 

 ラーメン屋の主人は結局、騙されたようなものだよと語った。この人は他人を雇用せずに1人で全ての作業を行っている。それでも原材料・光熱水費値上げで経営は厳しいだろう。

 

 ラーメン屋の代理店募集サイトによると、平均月収(月商)は500万円とのことだが、実際はこれよりも小さいであろう。

 

 客単価を800円、営業日数を月25日とすると、日商20万円÷客単価800円=250人/日

 

 1日250人となる。個人店がこれだけ稼ぐには繁華街でないと難しいだろう。

 

 またラーメンプロデューサーによると月に1席20万円を売り上げると繁盛店だそうだ。20席店だと月商400万円だ。繁盛店は知名度が高く、客が遠くからもやってきて行列が出来る店のはずだ。

 

 一般的なラーメン屋だと11時半から13時半と17時から19時ぐらいが実質的な稼働時間ではないのか僅か4時間の間にどれだけの売上を取れるかが勝負になるわけだが、夕方以降でもラーメン屋はそれほど混んでいないではないか。ランチタイムだって満席は1時間程度に過ぎない。