A市の都心に近い幹線道路沿いの商業地域の店舗構成を調べてみた。
この界隈は明治時代から店舗が建ち並び、人の往来が多かったという。郊外の方に大きな工場があって、工場と都心を結ぶ動線が出来ていたことが理由であろう。
ところが車社会になって界隈の衰退が始まった。敷地が狭く、駐車場が取れなかったためだ。それに都心部に近い為、購買力が流出しやすい。
商店街の延長は約1キロ。判明した49店舗の内、床屋が6軒とやけに多い。他方、美容室は1軒しかない。つまり女性があまり来ない場所であることが分かる。ちなみに実際に歩いてみたが、1キロ歩いても出会った歩行者は1人だけだった。
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最寄り品店(赤色の文字)は25軒と半数を占める。意外と比率は低い。他方、購買頻度の低い業種や一部の人しか利用しない業種が目立つ。つまりこの商店街の商圏は比較的広い。
とはいえ広域集客するためには一定規模の駐車場は必要であり、明らかに不利である。地図を見ても空き家になっている建物が2割近くあり、廃業が進んでいる。交通量は非常に多いのだが、通過するだけである。
スーパー、ドラッグストアは1軒も存在しない。大手チエーン店の多くは主要生活街路沿いに出店し、近隣住民の多くはそこで買い物をしている。
この商店街にも一部大手チエーン店があるが、これらの店は全て比較的広い駐車場を備えている。歩いていける床屋、菓子屋などが何とか古い固定客を持って生き残っているようだ。
ただサービス系の店舗には新規参入が見られる。話を聞くと30代ぐらいの人が新規創業しているようだ。廃業して使わなくなった店を格安で借りていると思われる。駐車場をどうしているのであろうか。
老舗の店で跡継ぎがいないと今後も廃業が進むであろう。新規創業者がそれを埋めるまで増えるとは考え難いので、最終的に今の店舗数の半分以下になるかもしれない。
*数字は店舗数
床屋 6
整骨・整体 4
飲食店チエーン 3
コンビニ 2
家具屋 2
菓子屋 2
酒屋 2
金融機関 2
ラブホテル 2
薬局 1
贈答品 1
スポーツ店 1
時計店 1
スナック 1
葬儀屋 1
歯科 1
写真屋 1
レンタルスタジオ 1
新聞販売店 1
不動産屋 1
医院 1
服のお直し 1
印刷屋 1
イベント会場 1
アダルトショップ 1
フィットネス 1
携帯ショップ 1
喫茶店 1
焼き鳥店 2
珍味専門店 1
リサイクルショップ 1
美容室 1
シェアハウス 1