スーパーの社内資格 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 スーパーは社内資格を設け、専門家を養成している。スーパーの売り場に関連した資格として販売士、スーパーマーケット検定、食品表示検定等があるが、いずれも知識の試験であり、技能の担保にならない。

 

 最も進んでいる企業はイオンであろう。鮮魚士、総菜士、寿司マスターといった資格がある。スーパーは他の小売業とは異なり、店内に加工場を持っている。

 

 やっていることは弁当工場と同じだ。大手企業でもセントラルキッチン化がそれほど進んでいないのは、店舗の方が鮮度管理、売れ行きを見たリアルタイムの製造に強みがあるからであろう。

 

 弁当、総菜を見て分かるようにその日の内に販売しないと廃棄ロスになってしまう。セントラルキッチンに前日に注文し、当日の朝に配送して貰っても、天気などの要因によって計画通り売れるとは限らない。

 

 そこで現場の店員が売れ行きを見ながら、小刻みに加工するわけだ。この方法は製造的な効率は悪いものの、鮮度維持には役立っている。もし効率を考えて午前中に当日の刺身を全て作れば、夕方には鮮度の落ちた刺身ばかりになるだろう。かといって午前中から売場が隙間だらけだと逆に売れなくなる。商品の豊富さを演出することで客の衝動買いを引き出すわけだ。

 

 このようにスーパーの職種は商人と職人のセンスが必要なことが多く、社外の資格・検定だけでは対応が難しい。

 

 そこでイオンのようにカテゴリー別に資格を設けるわけだ。例えば鮮魚士だと1~3級まであり、誰でも受けられるわけではない。受講すると教育施設に行って徹底した訓練を受け、合格すると認定される。級と給料(時給)は連動している。

 

 イオンは店舗が多いので2級を持っていると、再雇用には有利であろう。またイオンの信用で他社への転職でも有利になるかもしれない。