怒りをくれよ | 東京夜時

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宇都宮秀男によるコラム。月木更新。

日本大学芸術学部。

通称、日芸の映画学科のもえちゃんが事務所にきた。
バナ子の妹りかこちゃんの幼馴染ということで以前、紹介された。

学校のドキュメンタリーの実習で、
「ある男」というテーマで1人の人物にフォーカスして撮影をしたいらしく
僕がドキュメンタリー映画をつくっている姿を
ドキュメンタリーしたいらしい。

撮る側と撮られる側を同時に経験することはなかなかない。
楽しみだ。

       ✳︎

ナチュパラと縁の深いARTONの子と
とても仲のいいGLIM SPANKEYというバンドを
今日、バナ子に教えてもらった。
音楽もめっちゃいいけど、性格もめっちゃいいらしい。

最近公開されるONE PIECEの映画の主題歌に抜擢されたのだが、
原作者・尾田栄一郎さんが直々に彼女たちを指名したらしい。

すごいね。

そして、またいい曲なんだ。



多少、映画の世界観を踏襲してつくられた歌詞だとしても、
ゆとり世代のバンドが育った先に求めたものは、
現状維持肯定の賛美歌ではなく、
貪欲な成長意欲にまみれた怒りの歌だった。

彼女はホームページでこのように語っている。

「“GLIM(=灯火、かすかな光り)”という幻想的なイメージの言葉と、
 “SPANK”(=平手打ち)という攻撃的な要素を持った言葉を掛け合わせました。
 すると曲も自然とそういう雰囲気になりました。
 この名前が私たちの方向性を決定付けてくれた、とも言えますね。」

おぉ!なんて、ナチュラルパラドクス的な話。
自分が惹かれた理由がよくわかる。

さらにメジャーデビュー曲となる「焦燥」をつくった背景を
次のように語っている。

「17歳の時に『美大に入って音楽活動をするのが目標です』と宣言したら、
 周囲から嘲笑を受けたんです。
 その時、悲しさや怒りを通り越して、
 『夢を持つことは間違っていないんだ』ということを、
 何か形にして伝えなければという思いにかられて、一気に書き上げました。
 私の人生を変えた一曲です」

それでは、最後に、お聞きください。