今日の分解 | 東京夜時

東京夜時

宇都宮秀男によるコラム。月木更新。

今日、幕張メッセであるイベントが行われ、
午前・午後合わせて1万人の人たちにナチュパラ作品が上映された。

およそ15分のドキュメンタリーだが、僕らとしては渾身の作品だった。

映像の章ごとに拍手が沸き起こったのは嬉しかったが、
僕の意識が向いたのは、
同じイベントで上映された他社がつくった映像だった。

それは大手広告代理店が手がけた作品。
圧倒的なレベルだった。

僕らがつくったと勘違いした人から、
お褒めのメールがあったので、
それについては訂正した。

悔しかった。

その技術的な差異を埋めるために
必要なものは何かを考えると同時に
彼らにはできなくて
ナチュパラにできるものは何かを考えていた。

       ✳︎

毎週、ナチュパラで行われる定例ミーティングにおいて、
1つの映像を取り上げて分析する企画が始まった。

香取君の発案で始まったもので、タイトルは「今日の分解」コーナー。

初回ということもあり雑談っぽい雰囲気で終わったが、
まずはここが出発点でいいと思う。
       
トルコの演出家、エリア・カザンはこんなことを言っている。

「あなたが何かする前に、彼らに何ができるかを見ろ」

それぞれに動機の異なるクリエイターが集まって、
作品を通して困りごとを解決するのがナチュパラの使命だ。

大手広告代理店の映像は圧倒的だったけれど、
ナチュパラにしかできない作品の世界はきっとあると思う。

ナチュパラに集うクリエイターの数と、
そのものの見方、
所有する技術の掛け合わせの数だけ
可能性は広がるのではないかと思う。