マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎)

ブナ科マテバシイ属の常緑高木で日本固有種です。

いわゆるドングリの木です。三浦半島では、街路樹や公園などで普通に見られます。丘陵部ではマテバシイの群生、マテバシイ林も多くあります。

名前の馬刀とは、マテガイのことなので、葉がマテガイに似た椎の木という意味だと考えられます。

ドングリの果実は食べられます。戦時中は貴重な食糧となり、子供たちに集めさせたりしたようです。
また、昔、ドングリの中身をくりぬいてどんぐり笛にして遊んだことを思い出します。

雌雄同株です。雄花は細長いブラシのようで、満開時には樹木全体が黄色に染まります。



雌花は花の形ではなく、枝に付いたぶつぶつ状で、不思議な形状です。
雄花の枝の下部に雌花がついていることもよくあります(写真)。

 

ここがどんぐりになるのですが、どんぐりが熟するまで2年ほどかかるそうです。

 


ところで、「雌雄同株」とは、名前のとおり雄花と雌花が同一個体上に咲く植物のことなのですが、分かりにくいので調べてみました。

そもそも、
雄しべと雌しべが両方そなわっている花を両性花といいます。
普通の花はこうなのですが、雄しべと雌しべの片方づつしかない花があります。これを単性花といいます。
そして、雄しべしかない花のことを雄花、雌しべしかない花のことを雌花といいます。
なので、果実は雌花からしか実りません。

そして、雄花しか咲かない株、雌花しか咲かない株に分かれているものを雌雄異株といいます。つまりオスメスがあるということです。
逆に一本の株に両方咲かせるのを雌雄同株というのです。両性具有ですね。なるほど。

撮影:2021年6月(三浦市)