持続的に成長を続けるAmazon.comの株価
先日TVを見ていいたら、Amazon.comが、楽天同様、
店子に、自社のネット通販を利用してもらうというビジネスモデルが紹介されていました。
Amazon.comの場合、
ワールドワイドで、ネットを使って、自社製品を世界的に流通できるというのが、
特徴ようです。
Amazon.comというと、ネット通販の本屋さんというイメージだったのですが、
現在では、ネット通販の総合流通業というのが、正しいようです。
株価をみてもわかるように、持続的な高成長を続けている企業であり、
外部から見ているだけでも、創業当初の赤字のままで成長を続ける財務政策等、
その経営手法は、かなりロジカルだと考えています。
したがって、長期運用での投資銘柄としても非常に有望な銘柄ではないかと考えています。
以下、企業戦略論の視点から、Amazon.comの、経営手法について考えてみました。
競争優位性
企業戦略論における、競争優位性の確立方法は、大枠で、次の2つの方法があります。
① ポジショニングによる競争優位性
② 組織ケイパビリティーによる競争優位性
※ この2つの詳細については、経営戦略論のテキストや、研究論文等で勉強してみてください。
Amazon.comの場合は、
創業当時、ワンクリック決済システムによる本のネット通販、
つまり、② 組織ケイパビリティーが、競争優位の源泉でしたが、
この組織的な能力は、すでに、いろいろな会社が同等かそれ以上のサービスを提供しており、
今日では、競争優位の源泉では、ありません。
その後は、ワールドワイドのネット通販業で、マーケットリーダーのポジションを獲得するに至り、
現在は、① ポジショニングが、競争優位の源泉となっています。
ネットの世界では、ショッピングで、どこのサイトを使うか?は、
消費者のブランド再生の高さに依存しますので、ブランド戦略は非常に重要になりますが、
Amazon.comは、ブランド再生においても、ワールドイドで、高い地位(ポジション)を
確立している企業です。
コアコンピテンスのレバレッジ戦略
コアコンピテンスとは、
組織ケイパビリティーの中でも、特に、競争優位性となり得る、コアの組織能力のことです。
私は、Amazon.comの、コアコンピテンスは、ワールドワイドのネット通販インフラであると考えています。
当初の事業ドメインは、本のネット通販でしたが、
後に、ワールドワイドのネット通販インフラという、コアコンピテンスをレバレッジして、
ネット上の総合流通業へと、事業ドメインを拡大しました。
つまり、範囲の経済を非常にうまく活用している企業だと思います。
ひょっとしたら、
Amazon.comのCEO、ジェフ・ベソス氏にとっては、
これらの企業の変遷は、将来像を実現してゆくための、ステップであり、
準備された戦略シナリオをひとつづつ、こなしているだけなのかもしれませんね。