デジタルとアナログと言う対にして言葉の意味が解説されるアナログですが、その意味はだんだんと時代と共に変化していると思います。

アナログと言うのは、単に連続的と言うだけでなく今の時代、世界では物質の特性を反映すると言う事だと思います。

物質には特性があって、その物の特徴を何においても表します。
鉛筆、万年筆、ボールペン、筆など素材があり、インクや炭、絵の具などの物質を紙や布、木などに乗せて染み込ませて、時には化学反応を起こし情報を表します。
出来上がってもそれで終わりではなくて時が経てば時の経過に応じて物質も変化して情報が滑らかに変化します。

アナログと言う事は途切れなく、けれども物質と共に変化しながらもずっと続いてゆき、いつか消えてなくなる運命にあると言う事だと思います。

その生まれてから無くなるまでに成熟と言う過程を辿る事もありアナログは人間に愛されていると思います。


しかし、デジタルが目指すものはデジタルタトゥーという言葉が表す様に永遠に変わらない事です。

永遠を約束しようとするために、裏では大変な努力が必要です。

実はDVDやCDすら数年と言う時間が経つと読み取る事が出来なくなってしまう物質特性を持っています。
永遠に残したい情報をアナログに記録しなくてはならない矛盾と常に戦っているのです。

1と0と言う単純な信号に変換してハッキリとした情報としているが故に、それらの区別がつかなくなると言う事は致命的な事となってしまいます。

永遠を目指しているのにアナログに支配されるデジタルはチープな印象を受けてしまいます。

そもそもデジタルそのものがフェイクであるチープさを感じざるを得ません。


しかし、皮肉な事に、終わりを迎えるが故に愛されるアナログと、果てしなく永遠を目指すが故に嘘っぽく感じてしまうデジタルは、羊には人間の営みの本質を表しているようでとても比喩的に感じます。

それはまさにDNAのその姿が沢山の螺旋により幾重にも層を成すように折り重なる中で、たった4種類の塩基のみでデジタル信号のように表される遺伝情報が、まるでアナログとデジタルが見事に融合した姿を見せている様にも感じます。

 

生命の中に実はすでにデジタルがあったのでしょうか。

そして生命は遺伝を繰り返し永遠を目指します。