本日の四字熟語「十人十色(じゅうにんといろ)」 | 東京スズメ倶楽部の「本日の四字熟語」

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四字熟語で語り、そして覚えます。

ヨジジュクガーです。


今日もまた、珠玉の四字熟語を紹介したいと思います。


【本日の四字熟語】
十人十色(じゅうにんといろ)


意味: 人の考え方や好みにはそれぞれ違いがあるということ。

十人十色


「ゲートが開いて5分が経過しました・・・」



「ゆとり」等、世間は世代でひとくくりにしたがりますが、よそ目には皆同じでも実際はそれぞれ違います。



夏目漱石の小説「吾輩は猫である」にも次のような一文があります。


よそ目には一列一体、平等無差別、どの猫も自家固有の特色などはないようであるが、猫の社会にはいってみるとなかなか複雑なもので十人十色という人間界のことばはそのままここにも応用ができるのである。



猫ですら違うのですから、人間が違うのは当然なのです。



「吾輩は猫である」は、中学校の英語教師・珍野苦沙弥の家猫の視点から、人間模様を風刺的・戯作的に描いた小説です。



ロンドン留学のストレスで身体を壊していた夏目漱石に、高浜虚子という雑誌編集者が気晴らしに執筆を勧めたのがきっかけです。



1905年1月に俳句雑誌「ホトトギス」に掲載されましたが、当初は1回のみの読み切り作品でした。



しかも、この回は、夏目漱石の許可を得て高浜虚子が手を加えており、他の回と文章の雰囲気が多少異なります。



しかし、これが好評となり、高浜虚子の勧めで翌年8月まで全11回連載され、「ホトトギス」は大きく売り上げを伸ばしたとされます。



そのタイトルは現代でも有名ですが、私は読んだことがありません。



いい加減、読むべきなのかもしれませんが、気が乗らないのです。



大体のあらすじは以下のようです。



第1話:薄暗いところで生まれた「吾輩」は、教師の家に住み込む。車屋の黒から、人間はわがままで不人情な不徳者であると聞き知る。

第2話:家に、寒月、迷亭、東風などが訪問し、好き放題のでたらめを言う。三毛子が死去し、吾輩は恋に破れる。

第3話:金田の妻が寒月のことを訊きに来て、寒月が博士にならなければ娘の富子と結婚させないという。

第4話:鈴木が金田の意向を聞いて、寒月の様子を探りに来る。

第5話:苦沙弥宅に泥棒が入る。吾輩はネズミ取りに失敗する。

第6話:寒月、迷亭、東風による恋愛談義、女性論。

第7話:吾輩は運動し、公衆浴場をのぞき見る。

第8話:落雲館中学校生徒が苦沙弥宅の庭に野球ボールを打ち込み、苦沙弥は激高する。

第9話:古井が金田の娘に恋文を送り、退校処分にならないかと心配して苦沙弥宅に来る。

第10話:寒月は珠磨をやめ、故郷で結婚した。来客が帰ったあと、吾輩は飲み残しのビールに酩酊し、水甕のなかに転落して水死する。


ユーモラスなタイトルに反し、何ともシュールな内容です。



しかし、人間社会をこれほど滑稽味あふれる風刺で描いた小説は他にないということです。



やはり、猫という人間でない第三者を主人公にして人間社会を語らせた発想の勝利と言えるでしょう。



そういう意味では、「侵略!イカ娘」のようなものかもしれません。



「侵略!イカ娘」は、海洋汚染を続けてきた人類を侵略するために地上へやってきたイカのマンガです。



イカの目を通して人間社会が滑稽味あふれる風刺で描かれてます。



すごいぞ、「侵略!イカ娘」!



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