東京近郊 スパ・温浴施設レポート

  東京近郊 スパ・温浴施設レポート

     仕事帰りの温泉をこよなく愛する筆者が、都内から通えるスパ・温浴施設を独断と偏見によりレポート。

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今回は、あきる野市という土地柄にしては、意外にもモダンな(失礼)温浴施設、阿伎留の四季を紹介したい。

湯処 阿伎留の四季
東京都あきる野市秋川3-3-4
【アクセス】
JR「秋川」駅下車徒歩5分

あきる野市は、都心からはやや離れた西多摩地域、青梅市の手前に位置する市である。


施設名の読み方が難しいが、「あきるのとき」と読む。

「阿伎留」は施設のある、あきる野市に由来するのだが、なぜこの漢字が採用されたのか気になる所である。

というのも、あきる野市は、元々秋川市と五日市町が合併して生まれた市であり、その際に市名の漢字を「秋留」とするか、「阿伎留」とするかで揉めたらしい。

議論の結果、中立案であるひらがなが採用され、現在の市名に落ち着いたというなのだが、こちらの施設は、ひらがなでは無く「阿伎留」という漢字を採用している。

「阿伎留の四季」が位置する旧秋川市が、当時「阿伎留」では無く、「秋留」を主張していたというのであるから、あえて「阿伎留」を付けたのは皮肉か?とうがった見方をしていると、温泉には「秋留の湯」と名付けがされており、うまいこと両者の融合が図られていた。

こちらは、きっと対立した両地域の和解の象徴として建てられた施設に違いない。うん、きっとそうに違いない。

真相は、いつかの機会に、気が向いたら確認するとして(笑 肝心の施設である。

冒頭にも書いたが、こちらの温浴施設は、オシャレ空間の演出が上手いモダンな施設である。

オシャレ空間、という表現自体があまりにもオシャレでは無く恐縮であるが、とにかく全体的に、品の良さと高級感を感じさせる施設なのである。

まずは、館内の内装の雰囲気である。

それは高級分譲マンションを思わせる装いである。

扉やロッカーは焦げ茶の木目柄で、床や壁は白を基調とした色見で統一されている。

ハイセンスな都心の人気マンションで、時々見られる色見使いそのものである。

着替え場から、浴場内に進むと、その雰囲気にもセンスが感じられる。


【大浴場の檜風呂】


そのポイントとなっているのは効果的な間接照明にある。

お風呂の所々で、穏やかな間接照明が光を灯している。

露天風呂も同様で、壁に設置された控えめな明かりと、草木の合間から漏れるライトの光が、優しく高級感のある雰囲気を演出している。


【間接照明が穏やかな露天風呂】


間接照明の真骨頂はサウナに現れている。

良いか悪いかは別として、ここまでムーディなサウナは珍しい。

座り場の足元から、橙色の照明が妖しく光っており、暗めの室内とあいまって、まるでこじゃれたバーのような空間になっている。

サウナの外から中を除き見ると、洒落た空間に、全裸の男達がひしめいており、その光景は妖艶ですらある。


【ムーディーなサウナ】


全体のスペースは決して広くは無いのであるが、適度な大きさがむしろ品格を高めているようにも感じられる。

このように、モダンでコンパクトな作りながら、堅苦しさを感じさせないのは、備品や空間の使い方が上手いからである。

まず、お風呂の数は多くない分、一つ一つの浴槽は大きく解放感がある。

露天風呂は岩の使い方が上手いし、内風呂のヒノキも樹脂のぬめりがあり自然の癒し要素も入っている。

とは言え、元々のスペースに限りがあるため、混雑時にはどうしても人が気になってしまうだろう。

一方、空いていれば贅沢な空間で充分にお風呂を満喫できる。

ちなみに、お湯は都内では珍しい灰色に濁った硫黄泉である。

お店側は香りが強い、と謳っているが、実際にはほぼ無臭で癖の無いお湯だ。

全体の品の良さにマッチしたお湯だと言える。

このように館内から浴室、お湯にいたるまで、オシャレさと品にこだわった空間作りが徹底された施設であった。

どことなく、しゃべり方も品のある執事風な店員さんの接客もあり、貴族的な気分でお湯を楽しめる、かもしれない。

あきる野市の名付け論争に思いを馳せながら(?)、優雅な気分に浸れること請け合いである。

街の銭湯は、通常、住宅街にひっそりと佇んでいるものが多い。

今回取り上げる「清水湯」は、南青山・表参道駅という一等地に軒を構える施設である。

こちらの銭湯。とかく都内に勤務するビジネスマン・OLの皆様に是非お薦めしたいスポットである。

南青山 清水湯
港区南青山3-12-3
【アクセス】
・表参道駅より徒歩2分

既にこの地で100年の歴史があり、従来は昔ながらの銭湯であったが2009年にリニューアル。

今は内装や浴場が一新され、清潔感のあるスタイリッシュな空間に仕上がっている。

まさに都会のオアシスを具現化したような施設。

もはや銭湯というより、リラクゼーションスペースと言った方がふさわしい。

と言っても、マッサージや休憩所がある訳でなく、あるのはシンプルな銭湯のみ。にもかかわらず、従来の「銭湯」という括りでは表せない、イマドキな雰囲気が表現されている。

その本業のお風呂と、館内の雰囲気が全体的に垢ぬけていて、いわゆる従来の銭湯とは一線を画したスポットになっているのだ。

何より、館内や浴場の色使いやレイアウトが良い。


【銭湯らしからぬシックな内装の脱衣所】


館内や脱衣所は白や木目をベースにした、こじゃれたカフェのようなスペース。

浴場は、ホワイトの壁とグレーのタイルを貴重にしたこれまた落ち着いた空間である。

洗練されながらどこかリラックス出来る雰囲気作りに成功している。

大規模な温泉施設のような自然との一体感や解放感は無いが、シンプルで高級感のある設計は、限られたスペースで作られる銭湯の空間にマッチしている。

意識したかどうかは分からないが、表参道・青山という土地柄にマッチしたデザインである。

更に、浴場にはどこからともなく流れるピアノのメロディー。

あるようで意外と少ない、温泉浴場内のBGMである。

考えてみると、お風呂も音楽もリラックス効果があるのだから、こちらのようにその組み合わせをもっと活用しても良いのではないかと思う。

お湯は泡風呂やジェットバス、炭酸風呂にシルキーバルと多彩。全て軟水を使用しており、とても柔らかく、滑らかな肌触り、非常に快適である。

その透明度の高いお湯を通して、浴槽の底の青いタイルがゆらめく。


【勢いよく噴き出すジェットバスと清潔感のある浴場】

噴き出すジェットバスと流れる音楽に身を委ね湯船で足を伸ばしていると、プライベート浴場に優雅に浸かる国王にでもなった気分である。

例え日頃、会社で奴隷のように働かされていたとしても、今ばかりは自身が一国の主にでもなったかのような妄想を抱かせてくれる。

サウナや水風呂のスペースの狭さや、サウナ込みでの価格設定が高めといった難点はあるものの、表参道と言う土地柄、ある程度は仕方無いところか。

何よりこの雰囲気作りは素晴らしい。街の雰囲気と見事に調和したおしゃれ銭湯である。

このような明確なコンセプトを持った銭湯であれば、わざわざ足を運ぶ価値もある。

かようにエッジの効いた銭湯が登場してくれば、街の銭湯もまだまだ大丈夫である。

東京から約30分、千葉県の船橋法典駅。

船橋法典駅からさらに歩くこと5分、線路を眼下にした閑静な道の先に「法典の湯」はある。

楽天地天然温泉 法典の湯
千葉県市川市柏井町1-1520
【アクセス】
JR武蔵野線 船橋法典駅より徒歩5分

仕事を早めに切り上げ、田舎の土手を思わせる駅からの道を歩いていると、ふと童心に帰る思いである。

この「法典の湯」、その魅力はテーマパーク的な温泉の構成にある。

駅からの道なりと同様に、童心が刺激される作りになっている。

とても立体的で奥行きのある構造になっており、なんとも言えないワクワク感が沸き起こってくるのだ。

高低差をうまく使い、それぞれのお風呂がうまく独立した配置になっており、どこから攻めて行こうかと、初めて訪れる者に自然と期待感を抱かせる。


【立体的な構成の露天風呂】

高低差やブラインドがあることによって、多少込み合っていてもそれぞれのお風呂をゆっくり楽しめる作りになっている


お風呂の内容についても、テーマパークさながら、それぞれが個性を持ったものになっている。

中でも刺激的で、
ジェットコースターさながらのパンチ力を持っているのが、源泉かけ流しの湯である。



【高濃度の源泉かけ流し風呂】

この源泉かけ流し、まず香りが強い。独特な金属を思わせる香りが強烈に嗅覚を刺激する。

同時に非常に塩分が強い。「海水と似た成分」と謳われているが、舌に含むと、まるで海水そのもののである。顔のひげそり後には強力な塩分が傷口にしみる。

お湯の色は、海水というよりもむしろ、台風時の川のように茶色く濁っているのだが、それがまた荒削りな力強さを感じさせる。

この源泉かけ流し風呂は、やや隔離された所にあり、その周辺は灰色に枯れた藁で覆われている。

この枯れ果てた、
お化け屋敷的な雰囲気が何とも良い。

持ち前の高濃度のお湯と併せ持って、辺境の温泉地に来たかのようなトリップ感を味わわせてくれる。

一方、加水風呂の方は大変広々しており十分な大きさで、適度な温度と縦長の形状でゆったりとつかることが出来る。

岩風呂は二段構造で、上段には熱めのお湯があるのだが、こちらも先程の枯れ木でこじんまりと覆われており、秘境に足を踏み入れたような気分になる。

さて、濃厚な成分のお湯を堪能した後、内風呂に足を進めると、外の源泉かけ流し風呂とは対照的な、純白の濁り湯が優しい面持ちで待っている。


【優しい入り心地の白湯】

ジェットコースターやお化け屋敷で刺激を味わった後、
ホッと一息つけるメリーゴーランドのような癒しと安心感である。

こちらは塩分は無く、湯質もなめらかなお風呂である。

この内風呂からは露天とはまた違った景色を楽しむことが出来る。

窓から露天を眺め、木造りの屋根と緑の草木で作られる風景を見ながら、白濁のお湯に浸かっていると、
高級旅館にいるかのような優雅さを味わえる。

このように露天風呂と内風呂で、全く異なる泉質と雰囲気を楽しめる。

そして、やはり全体のレイアウトが上手く出来ている。

露天の中央には広々とした「寝湯」があり、お風呂とは段差があり一番低い位置に設けられている。


【解放感のある寝湯】

寝湯が中央に位置し、しかも屋根が無いタイプというのは変わっている。

一番低い所にあるという構造上、露天風呂からも寝湯を見渡せるようになっており、まるで
男達の全裸お披露目ショーの舞台になっており、一瞬不信感を持つ。

しかし、実はこれには秘密があり、寝転がってみると、そこに何とも広々とした夜空が広がる

周辺には大きな建物も無く、思いっきり開けた空間となっているので、ここで寝ころぶのは何とも気持ちが良い。

センターに配置された寝湯は、何も男達の裸体を露わにし羞恥心を掻き立てる物では無く、少しでも壮大に空を見渡せるようにと配慮された、作り手の粋な計らいであった。

様々なお湯をテーマパークさながらに楽しみ、岐路に発つ。

利便性を考えると車通いの方が適しているのだろうが、温泉の余韻を楽しみながら足を進めるのもまた一興。

高濃度のお湯でじっくりと温まった身体で帰る駅への一本道は、行きで感じた哀愁とは違った、高揚感と満足感で満たされたものであった。

【料金】
平日 650円
休日 750円
【営業時間】
平日   10:00~25:00
土日祝  9:00~25:00
東京都稲城市と神奈川県川崎市をまたがる場所にあるテーマパーク、よみうりランド。

ジェットコースターや観覧車はもちろん、都内唯一のバンジージャンプや、多彩なプール等があり、開設50年が経った今も、多くの人に愛されている遊園地である。

さて、このよみうりランドに併設された場所に、温浴施設がある。

「よみうりランド 丘の湯」である。

よみうりランド 丘の湯
東京都稲城市矢野口3302-8
【アクセス】
・京王よみうりランド駅下車→ゴンドラ「スカイシャトル」で5~10分
・読売ランド前駅下車→小田急バスで10分

こちら、山の頂上部を切り開いたという立地条件にありながら、趣を欠いている所がもったいない施設である。

温泉施設の魅力は、お湯そのものや設備の充実さ以上に、雰囲気の演出が重要である。

雰囲気というのは、つまり趣があるか無いかということである。

日本人にとっての温泉とは趣であり、趣があることが安らぎと落ち着きに繋がる。

なぜ、こちらの施設にはそれが感じられなかったのだろうか。

まず、設備や環境がキレイすぎる。

キレイすぎる…、というのは別に私が汚いもの好きの、妙な志向がある訳ではない。

清潔感がどうという話では無く、露天風呂の草木や岩、床や電灯に至るまで、どうも作り物感がする、という意味なのである。

まるで都内にあるマンションの広場のように、キレイに整理され、作られた空間が広がっている。

とても人工的な印象を受けるのだ。

そもそも、こちらはとても自然溢れる立地でありながら、お湯が「温泉」では無いというのが非常に悔やまれる。

【無色透明の露天風呂】

何が何でも温泉を出せ!というのも無理な話であるが、自然の中にある大きな露天風呂が、無臭の無色透明のお湯というのは何とも味気ない。

温泉の作りその物と共に、その人工感を加速させている。

露天の中心に位置する白濁のお湯のように、気持ち色を入れて雰囲気を演出してほしくなる。

また山の上という好位置にあるのに、その眺めを堪能出来ない作りなのも惜しい。

唯一、つぼ湯が景色に面した位置にあるのだが、少々高い塀がブラインドとなり、風呂に浸かりながら景色を眺める事は出来ない。

せっかくの立地を活かしきれていない配置である。

また客層に関しても、遊園地が近いということでお子様達が多く、大人が落ち着けるスペースとしては不向きだ。

そもそも、よみうりランド併設の温浴施設なのだから、遊園地帰りの家族向けの施設であり、疲れたサラリーマン等は客として願い下げなのかもしれない。笑

よって、純粋な温泉施設として過度な期待はしてはいけないのかもしれないが、この自然地の立地を活かした、趣のある演出が出来たならば、遠方から温泉目当てのお客さんをもっと集めることが出来るだろう。

そういう意味では、立地のポテンシャルを十分に活かしきれていない施設だと言える。

今のところはファミリーでよみうりランドで遊んだついてでに立ち寄る以外に、あえて足を運ぶ必要は無い所と思われる。

【料金】
平日 600円 土日祝 700円
【営業時間】
10:00~24:00
温浴施設の醍醐味の一つに、露天風呂がある。

空を見上げながらお風呂に浸かる瞬間は、日本人であることの喜びを感じる至福の時である。

大きな浴槽に身を沈め、解放感を感じながらお風呂を楽しむ。

私などは、露天風呂があるか無いかだけで、施設そのものの滞在時間が倍近くも変わってしまうほど、露天風呂の有無を重視している人間である。

というのも、中のお風呂と外のお風呂を行ったり来たりすることによって、長い時間入浴を楽しむことが出来るからである。

内風呂やサウナを利用した後、外で休憩し、露天風呂を満喫してから、また内風呂に戻ってくるといった、内風呂、外風呂との行き帰りは、温泉好きにとって基本となる行動パターンである。

その観点から言うと、今回紹介する「天然温泉 平和島」は、お風呂の構成にモノ申したい施設なのである。

天然温泉 平和島
東京都大田区平和島1-1-1
【アクセス】
・京急 平和島駅 無料送迎バス5分
・JR大森駅 ワンコインバス10分(100円)

私の最大の不満ポイントは、内風呂と露天風呂が別々の階に存在することである。

この配置は温泉好きにとって、かなり良くない。

何しろ、内風呂と露天風呂を移動するのに一旦服を着なくてはならないのである。

お風呂から上がり服を着た時点で、自分の中でもう入浴モードは終了している。

そこから別の風呂に入り直すというのはかなり気分がそがれる。

例えば、中華料理屋に行って、レバニラ定食を食べて、デザートの杏仁豆腐を食べ、さあ食事も終わって帰ろうという所に、サービスでギョーザが出てきた時のような、「いまさら感」に襲われる。

大浴場と露天風呂を別々の場所に造らざるを得なかったのは、設計上の理由もあるだろうが、とにもかくにもこの構成は頂けない。

なんとしても、服を着直すこと無く、露天風呂と内風呂を行き来できるようにして欲しかった。


一方、お風呂そのものについても、あまり特筆すべきことは無いと思っている。


内風呂は全体的に解放感があり、お湯の種類もあるものの、やや設備が老朽化していて清潔感に欠ける印象である。


浴槽はスイミングプールのようなタイルで覆われており、いわゆる健康ランドという表現が似合う雰囲気である。


【健康ランド風な大浴場の雰囲気】


浴槽の脇には木目の休憩スペースも広めに用意されているが、この中でゆっくりくつろごうとは正直思えなかった。

以上のように、まずはお風呂の構成について声を荒げて批判をしまったものの、もちろん評価出来る点もある。

まず、お湯の質が良い。

地下2000mから1日150t湧出するという天然温泉を使用しており、透明感があるがかなり濃度の高い食塩線泉で、入浴後の満足感がある。

このお湯は、もちろん露天風呂にも使用されており、先程の配置の問題はあるにせよ、露天風呂単体で見た場合、温泉として決して悪くないクオリティである。

【解放感のある露天風呂】

また、館内施設が全体的に充実している。

マッサージメニューが豊富で、リクライニングチェアの休憩スペースも広々としている。

浴場が一部古くなっていることと比較すると、むしろ館内設備の方が新しく、清潔で快適な空間である。

【広々として綺麗なリラックススペース】

筆者の好きなマンガも常備されており、長時間くつろげる施設であることは間違いないだろう。

よって、独立した露天風呂も、館内でくつろぐ⇒露天風呂のみに浸かる⇒また館内でくつろぐ、というように長居をする人には悪くない構成だろう。

露天風呂が離れた所にある分、競争率が少なく、運が良ければ独り占めも出来る。

いかんせん、私のように露天と内風呂を行き来して、ヘビーにお風呂を楽しむユーザーにとっては、お風呂の配置と設備に及第点の残る施設なのであった。

【営業時間】
24時間営業
【料金】
平日 1500円
土日祝 1800円