【史上最高のモンスター級サウナ】
あまりのととのいにしばらく放心状態だった。
異次元。最上級。史上最高。宇宙一。モンスター。
どの言葉でも当てはまる、まさに井上尚弥級の
サウナ。それが御船山楽園ホテル らかんの湯だ。
井上尚弥に右フックからの左ボディーをまともに食らったくらいの衝撃とぶっとびを体感し、
そのまま僕はマットに沈んだ。
1R2秒KO負けだ。
ラウンドガールがどんな格好をしていたのかすら記憶に残らないくらいぶっとんでしまった。
これまで僕は何度もそのモンスター級サウナに
行こう行こうと思っていたが
「佐賀かぁ。ほかに何もなさそうだしなぁ」とか
言い訳をし、結局は井上尚弥が恐かっただけだったのだと気付かされた。
御船山楽園ホテル らかんの湯。
その魅力をみんなに伝えたい。
まず絶対に宿泊をおすすめする。
宿泊者は井上尚弥とも闘えるし、メイウェザーとも闘える特典がある。
つまり男女のサウナ両方楽しめるのだ。
男性の僕は15時にチェックインするとまずは
男性用のサウナ。翌朝は男女のサウナが
入れ替わるから女性のサウナに朝から入れる。
それぞれまったく階級も人種も異なるサウナだ。
強烈な一発をもっている井上尚弥級のサウナは
男性用。
92-94度ほどのドライサウナは、真ん中にタワーのようにサウナストーブが聳え立つ。
その姿はまるでチェホンマン(ボクシングじゃねーじゃんというツッコミはここでは控えようか)
入った瞬間、ほうじ茶の香りが漂い、
心地良い熱さと湿度を感じる。
ここのアロマ水はほうじ茶なのだ。
ほうじ茶ロウリュ。
最上段に座ると汗がやばい。尋常じゃない量だ。テレビもない、時計もない。あるのはチェホンマンだけ。静かだ。そして暗い。汗が噴き出る音が聞こえそうな雰囲気さえある。
毛穴が全開になり、顔はぐちゃぐちゃだ。
「おれ。。。泣いてる?」
もはや汗なのか涙なのか、はたまた鼻水なのかも区別できないほどウェッティーな顔面。
10分ほど入ったであろうか。
外気浴スペースにある水風呂へ。
大きな円状の水風呂は16度。深さがかなりある。
入った瞬間、「ママ。。。」
サウナの聖地しきじで誰もが発する言葉を口にしてしまっているではないか。
まさに羊水。全身を包み込むようなやわらかく
優しい水は、僕を産まれる前の姿に戻してくれる。
「モンスターに殴られて、僕はあの世に送られてしまったのか。。。」
水風呂の中で完全にキマッていた。
聞くところによると、温泉水をチラーで冷やしているとのこと。
とにかく柔らかい水で、ずっと入っていられる。
外気浴スペースにある円状の椅子に身を投げると
ぐるぐるぐるぐる。
ありがとう。井上尚弥くんありがとう。
君に殴られて僕は幸せだよ。
過去一のととのいだ。
放心状態のまま、デトックスウォーターという
港区女子がいかにも好きそうな飲み物を飲み
名物の塩プリンに塩をのせるのを忘れているのに「こんなうまいプリンは初めてだなぁ」と味覚障害を疑われながら、次は薪サウナへ。
薪サウナに入ると、見たこともないくらい大きな
サウナストーブ。
その姿はまさにアジアの壁井原正巳を彷彿とさせる。
しかも壁一枚隔てて、女子のサウナに繋がっている。
お互い姿は見えないものの、
同じサウナストーブに向かって男子も女子も
アロマ水をかけるというなんとも不思議なサウナ。
このサウナも素晴らしく良い。
優しい熱に包まれ、またしてもぶっとぶ。
翌朝、6時から女子サウナに向かう。
こちらのサウナは先程の薪サウナに加え、
スチームサウナと、らかんの湯名物白いサウナがある。このサウナに入ると一面白白白。
暗かった男性用とはうってかわって明るい。
攻撃的な雰囲気はなく、相手の攻撃をかわしてかわしてかわしまくるメイウェザースタイル。
クーゲルという香りのついた丸い氷をサウナストーンの上にのせるとサウナの中はまるでお花畑。
ただ、灼熱だ。
「見た目は可愛いし良い香りなのに、
あちーーーよ」
見た目は佐々木希、頭脳は井上尚弥。
名サウナ らかんの湯!
結局メイウェザーに一度も攻撃が当たらず
TKO負け。
15度切っているのではと感じる水風呂に入り、
朝からぶっとぶ。
小鳥の囀り、虫たちの姿、そして大自然。
目の前に広がる光景が、現実なのか夢なのか受け入れられず、マットに沈んだ自分自身に伝える。
「人生の楽園は佐賀にあったな」
夕食は佐賀牛のすきやきを堪能し、
夜はホテルの敷地全体がチームラボの演出によって幻想的な光に包まれる。
これが本当に感動する。
仮にサウナがなかったとしても、これだけを見に
泊まる価値があると感じさせてくれるほどの
クオリティだ。
⁡今回は長文になりすぎた。
それくらい素晴らしいサウナだったということ。

ちなみに、夜は敷地内に
茶屋バーがありそこが超素敵。
⁡ただ、見つけるのが大変w

おしまい