TOKYO NADESHIKO MERIです。



とある、夜。

友人から、この人MERIの好みっしょ?
と写メが送られてきました。


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添付された写メは、数枚。
中には半裸なども含まれ、
筋肉で程よく引き締まっております。




どんズバで、ガチに好み。(ごくり)




ソファーに、だらりと座っていた私は
自然と姿勢を正し、
角ハイをくっと喉に流し込むと、


「おう。で、誰?これ?」

と返信したのでございます。


思えば、筋肉フェチとして20年間、
生きてまいりました。


きっと旧友に言わせれば、
なんでスポーツとは一番縁遠いあんたが筋肉フェチなんて?

でしょう。

それもその筈。
わたくし、大の運動音痴でして。

徒競走では、幼稚園から高校卒業まで
毎回最下位をキープ。

クラスマッチやクラス対抗リレーでは
MERI対策委員会なるものが発足。


あいつの前後に誰をつけるか?
などと、クラスメイトが真剣に話し合う、
ガッチガチの筋ガネ入りでございます。


ビリに慣れ親しんで、むしろ上等!
くらいに神経が麻痺したわたくしにも、
忘れられない、
屈辱エピソードがございます。。



あれは、高校三年生の冬でした。


毎年恒例、持久走大会に向けて、
体育の授業で、
学校の周りを走っていた時の事です。


ざわわ、ざわわと、
冬の南国ではサトウキビが
ざわめいておりました。


学校周りを2キロ程、
走らされるのですが、
わたくしにとっては、もちろん苦痛でしかなく、ひいひいと息を切らしておりました。



コースを走り、
相も変わらずのビリっけつで、
体育館へ戻ると、すでに皆は整列。

体育教師のA子先生が、
ピリピリとした空気を、
全開で噴射しております。。。





「お話しがあります!!」





「この中にコースをショートカットするインチキをした人がいます!!!」


確かに、インチキをしたクラスメイトが居るのは、皆分かっておりました。



「どうして高校卒業まで間もないのにそういうインチキをするの?!」


「これから大学、社会人になってそういうのが通用すると思うの?!」


「見て見ぬ振りする人もなんなの?!」


先生、はらはらと涙をこぼしており、
生徒に緊張が走ります。


先生は感情的に、
わたくしたち生徒に問いかけ続けます。

 

「MERIですら、ちゃんと走ってるのにあなた達は、恥ずかしいとは思わないの!!!」







  

はぁ?




なんで、今!わたくしの名前でた?







これは…なんでしょう、
気を抜いていた所に突然、
ピンタをされをような衝撃が、
身体をピリリっと貫きます。




そして、
わたくしは見逃しませんでした!!

先生が、


あ!!!しまったなァ…!

今のはいらない本音の一言だったわ!

という表情を一瞬覗かせたのを。






先生…

わたくし、  



インチキしたけど、
ビリなんですわ…草。



悔しい、悔しい真実でございます。




「とにかく!今後はやめること!」



先生はバツが悪そうに、
話を切り上げましたが、


バツが悪いのは、この瞬間地球上で明らかにわたくしがナンバーワンでございます。




インチキがビリっケツで、
誰にもバレテないとはいえ、


謎に公開処刑をずどーんと、
食らったのでございます。



MERIですら
MERIですら
MERIですら




あかん、
卒業したら一刻も早くこの島を出よう…



そう心の奥で決心を新たにしたのであります。



あれから、20年。



わたくしの男の好みには、

⚫︎マッチョである。


が優先順位 として、
高々と掲げられております。


顔より、身体でございます。

顔より、身体でございます…(再)


マッチョ、薄顔、知的。

思い返せば、
全く自分自身と真逆のタイプを
欲してまいりました。


今時の、濃い顔で、ひょろい、
知的ではない(わたくしと同レベルのうましか)な男性は、


一言、


撃て!


で、ございます。
口説かれた場合、
 存在意義をいちみくろんも、感じません。(友人、知人としてはなんでも良し)


おらおら、せめて、
シックスパックになってから出直してきな!カニパンの方がいい腹してんぜ?!ぁん!?
でございます。
(あちら様の選ぶ権利は無視しております。。。草)



時にコンプレックスが、
捻れた形で、
執着心となるのでありましょうか…?

人間なにが、どこでこじれて、
フェチズムになるのか、
分かったものではございません、のね。






さて、
件の友人から、返信がございました。



この写メ?


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タレントの水野裕子だよ。






を!を!を!


をんなのひと!とな?!?!



スポーツアイドルは、
もはや、アイドルを越え、
イケメンに大変幻でございます。
(ごくり)


素晴らしい…
素晴らしい…


わたくしは、角ハイをぐっと飲み干すと、
ぱちりぱちりと、無意識のうちに
手を叩いておりました。

いわゆる、拍手でございます。。



筋肉への羨望が、
わたくしをコントロール
していたのでしょう。。


こうしてわたくしのなかの、
筋肉への憧れは
隆々と脈打ち、

トラウマが、フェチへと昇華を遂げ、

今日も今日とて、
相も変わらず、スポーツとは
無縁ながら、
鍛えられた肉体を、ごくりごくりと
生唾を飲み、
ただただ眺めるのでありました。




土下座しちゃいたい程、
美味しそうな身体、

それに向けては、いたって素直に
こうべを垂れる、
わたくしなのでございました。








LOVE AND FREE

MERI