ドラマ「二月の勝者」はみんな幸せな結末となりました。

 

しかし、お受験業界であんな素敵な塾も先生もいないのが現実です。

 

我が家は幼稚園受験の時に塾の先生に依存し過ぎて、

言いなりになって、無惨な経験をしました。

 

その頃、一人息子の明るい未来を信じて、

 

①御三家幼稚園に入れて慶應幼稚舎を目指す

②学芸大竹早幼稚園に入れて東大を目指す

③暁星幼稚園に入れて東大早慶を目指す

 

この3つの「夢」を見て、1歳から大手の幼児教室に入会しました。

幼児教室の待合室はママたちの情報交換の場となり、

 

プレスクール、体操教室、水泳教室、空手、ピアノ、ベビー公文

 

色々な習い事をはじめました。

 

主人をネイビー仕様にし、説明会やら塾やら、面談やら連れ回し、

「やらされてる感」満載だったと思います。

 

実は、私は御三家幼稚園の出身です。

卒園生というアドバンテージがありながら、、、

 

3年保育の幼稚園受験は失敗に終わりました。

 

塾では、「出身だから」と持ち上げられ、

「身上書」の書き方、挨拶のタイミング、根回しの仕方は丁寧に教えて下さいましたが、

実際の授業では、息子のことをしっかり見て

矯正しながら指導してくれていたかは分かりません。

フィードバックでは丁寧に説明をしてくれましたが、

参観ではないので、結局はどうだったのか...

 

幼稚園受験の本番当日、

塾であれだけ訓練したのに、2歳半を過ぎたばかりの息子は

幼稚園の門を入るのも拒絶し、何とか抱き上げて入ってみても、

号泣して考査に参加も出来ず、周りからは白い目で見られ、

別室で3人で待機をする事になりました。

 

マザーズバッグに忍ばせたおやつをその部屋でこっそり食べさせ、

麦茶を飲ませて、落ち着いたかな?というタイミングで

先生がいらっしゃり、そのままその別室で面接となりました。

 

しかし、息子は、一言も発しなかったのです。

 

先生が色々と問いかけてくれても無言。

 

両親への質疑応答は無事に終了し、

「それでは今日はこのくらいにしておきましょうか?」

と退室を促されました。

 

お見送りの際も、先生は一緒に来て下さり

息子に話かけ続けてくれました。

 

卒園生だし、何とか入れてあげたいと思ってくれたのだと思います。

 

それでも、無言の息子。。。

 

そこで主人が怒鳴ってしまいました。

 

「聞かれててる事にちゃんと答えろ!」

 

すると息子は立ち止まりました。

 

すーっと足に流れる。

 

緊張と恐怖で我慢していたのでしょう。

 

「ママ、おトイレ行きたい」も言えなかったのでしょう。

 

持っていたティッシュで床を拭き、

お着替えを勧められましたが、そのまま帰ることにしました。

 

恥ずかしくて、その場から1秒でも早く立ち去りたかったのです。

 

タクシーで自宅へ戻り、シャワーと着替えを済ませ、

食事を食べさせ、気持ちを沈めてから塾の先生に電話をしました。

 

幼稚園に電話をして、再試験のお願い、詫び状、出来ることは何でもしなさいと。

 

しかし、主人が言いました。

 

『その先生さ、コネで入る方法は教えてくれてるけど、

幼児教育とかってちゃんとやっててくれたの?

家で復習とか見ていても、はっきり言って出来てないって僕は思ってたよ。

 

「赤い三角の積み木を2つ持って来て」って言ったらさ、

走って行くじゃん?そんなのアウトだって思ってたけどさ、

貴女はニコニコすごーい!って褒めてたよね?

 

面接練習の時も、座ってられないし、

親が手で押さえてないと座ってられなかったじゃない?

 

コネがあるから大丈夫、私は他の家とは違うって

どこかで思ってなかった?』

 

私は塾に通っているから大丈夫、

挨拶もして、願書もちゃんと書けたから大丈夫

本番は風邪をひかなければ大丈夫ってどこかで思っていました。

 

今考えたら、私は塾の先生に踊らされていた、ただの「客」でATMでしかなかったのです。

 

3年保育のお受験で失敗という経験をした我が家(私)は、

塾を変えれば、必ず受かると信じて、

また、2年保育の幼稚園受験という無謀なチャレンジをするのでした。

 

つづく