『#保身 積水ハウス、クーデターの深層』
著者:藤岡雅 角川書店
野口遵(のぐちしたがう)によって設立された、旧・大財閥・日窒コンツェルン(現在のチッソ)。
戦後の財閥解体によって、積水化学工業や旭化成や信越化学工業などが分かれて創業する。
1960年、積水化学工業ハウス事業部が、積水ハウス産業株式会社として独立。
1963年に現在の積水ハウス株式会社に商号変更。
この積水ハウスのお家騒動や日本企業の腐敗構造を暴く、経済ルポルタージュ。
Netflix“地面師たち”のヒットで多くの人が知る事となる、積水ハウス地面師詐欺事件。
ドラマで山本耕史さんが所属している会社が、積水ハウスをモデルにした会社。
ドラマでは光庵寺でしたが、実際の詐欺の舞台は、五反田に有った廃業した旅館「海喜館(うみきかん)」。
読み進めると、どこをどう見ても積水ハウス側の落ち度ばかりが目立ちます。
当時の積水ハウスは、和田勇さんが社長~会長と20年に渡る長期政権の下、和田さんが引き上げた阿部俊則さんが社長だった時代。
稟議承認の前に当時の阿部社長に現地を見せ、その後、社長による飛び越し承認がなされ、社内では「社長案件」として、海喜館の売買契約を詐欺師たちと結ぶ事となる。
海外事業の発展や財界活動などを熱量を注ぎ会社を留守にする事が多かった当時の会長・和田さんは、国内を阿部さんに任せていて、地面師詐欺を契約後に知る事となる。
常識的に考えれば詐欺に引っかかった阿部さんが取締役会で社長を解任されるのが筋だと思うのですが、和田さんが解任(実際は辞意)される、お家騒動に発展する。
取引総額70億円、55億5900万円を詐欺師に支払った、積水ハウスの地面師詐欺事件。
地面師詐欺の全容解明を宣言した和田さんが失脚し、地面師詐欺の中心に居た阿部さんが居座り事件を隠蔽する。
世に知れた大企業のトップって、こんな責任から逃げる無責任の人たちで務まるの?と思ってしまう、なんだかなぁ~の一冊です。
因みに地面師詐欺の舞台となった“海喜館”は、日窒コンツェルンの同じ出自の旭化成グループが正式な所有者から土地を取得して、高層マンションが建設されたようです。
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