「地獄が呼んでいる」が怖くて深い | 東京ハヌルStyle

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こんにちは。

 

 

東京ハヌルです。

 

 

今やNetflixでは上位ランクインは当たり前の

 

韓国コンテンツ。

 

その韓国コンテンツで

 

世界的大ヒットした「イカゲーム」を抜き

 

歴代最速1位達成を記録した

 

「地獄が呼んでいる」

 

先日、レビューを書きますと言いながら

 

その深すぎ&哲学的すぎストーリーに対し

 

どう切り込んでいってよいか戸惑い

 

後回しになっておりました。

 

(Netflixより)

 

前回の投稿

 

 

さてこの「地獄が呼んでいる」

 

一見、ミステリーホラーのように見えますが、

 

実は社会派でノワールの要素もあります。

 

罪、罰、道徳、正義、死、宗教、SNS、メディア

 

など多様な要素を含んだストーリーに

 

色々考えさせられるドラマです。

 


 

原作は映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」、

 

「新感染半島 ファイナル・ステージ」、

 

この作品の監督である

 

ヨン・サンホ監督作のウェブトゥーン。

 

ドラマにもなった、

   

韓国の社会派名作マンガ「錐」の

 

漫画家チェ・ギュソクが画を担当しました。

 

面白くないわけがないコンビです。

 

 

 

ここからはネタバレもありますのでご注意を。

 

注意注意注意注意注意注意注意

 

 

初っ端から突然ゴリラ風の怪物が

 

白昼堂々ソウルの街なかに登場して

 

男性をボコボコにしたあげく焼き殺します。

 

用事が済んだら他の人には危害を加えず

 

とっとと帰っていき

 

去った後には丸焦げ死体が残るという

 

衝撃的なスタート。

 

いきなりのスタートダッシュにあっけにとられ

 

”どういうこと???”と

 

頭がクエスチョンマークだらけになり、

 

先が知りたくてウズウズしてきます。

 

こういうゴリラ風怪物X3頭が突然登場

道の真ん中でターゲットをボコる

十分痛めつけたら手をかざして焼く。

仕事が終わると大人しく帰る

 

 

実はこの殺された男、

 

この日に殺されるという”告知”を受けていたのです。

 

そしてこの事を事前に予言し、

 

神の裁きだと主張する

 

新興宗教「新心理会」の

 

議長チョン・ジンス(ユ・アイン)は

 

一躍カリスマ的な存在に。

 

若いのにやたら落ち着いていて

悟った風だが禍々しい狂気を纏う

チョン・ジンス議長。

最近、この手のヤバいキャラを演じると

右に出るものがいないユ・アイン。


 

*理由があるからといって

犯罪者の刑が軽くなるのはおかしい。

*恐怖以外に人を正す方法はない

*神は人間の自律を信じない

*神は「正義感を持って生きろ」と言っている

 

これらがチョン・ジンス議長の主張。

 

”天使の告知”だの”地獄の試演”だのと言うから

 

インチキ教祖だと思われてしまう節もあるのですが、

 

彼の主張は全く間違っているとは

 

言えないのが肝。

 

 

 

一方、妻を殺され男手一人で娘を育てている

 

刑事のチン・ギョンフン(ヤン・イクチュン)。

 

今回の事件の担当となり、

 

チョン・ジンスに疑念を抱きながらも、

 

妻を殺した殺人犯の心神喪失が認められ

 

短い刑期で出所していることに対し、

 

刑事という立場上、

 

その裁きを尊重するべきだと思いつつ

 

チョン・ジンスの

 

”理由があるからといって

犯罪者の刑が軽くなるのはおかしい”

 

という主張に心が揺れる。

 

哀愁ただよう刑事役が

世界一合うヤン・イクチュン。

今回は一人娘のお父さん役、

娘のとっちらかった服を洗濯しようとしたり、

娘をすごく心配したりする

優しいイクチュンにツボりました。

 

 

新心理会の教えを急進的に受け入れている

 

”矢じり”の中心人物で過激な動画を配信、

 

視聴している若者たちを煽る

 

ドンウクを演じたキム・ドユンは

 

韓国「marie claire」のインタビューで

 

「簡単に表現すれば、狂った作品。

僕が演じた人物は、

その中でも最も狂ったキャラクター。

非現実的なのに、あまりにも現実的に思えて感嘆しました」

 

と狂気じみた矢じりのリーダー

 

イ・ドンウクに対する感想を語っておりました。

 

新感染半島にも出演していました。

韓国ドラマはこういうキャラ設定が

本当に絶妙です。

 

 

そして後半は数年後の世界。

 

登場人物がガラッと変わり

 

”あの人達はどこ行っちゃたの・・・”

 

と不安になります。

 

ジンスの予言とカリスマ性により

 

新心理会は信者が増え巨大化。

 

彼らが人々を支配する社会に変わってしまっています。

 

しかし、訳あって議長はジンスではない

 

他の人物になっております。

 

この新しい教祖はジンスのようなカリスマ性は全くなく、

 

どう見ても凡人の詐欺師。

 

そして教団自体もさらに怪しげな組織に変貌。

 

 

 

そして後半の主役、

 

テレビ局プロデューサーである

 

ペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)の新生児の子供に

 

「告知」がもたらされます。

 

これにより教団の

 

「裁かれるのは罪人のみ」という教義に矛盾が生じ

 

教団の勢いにも陰りが見え始めます。

 

そして衝撃のラストは

 

”家族の愛はどんな超常現象も超えてゆく”

 

というヨン・サンホ監督の十八番で一旦シメますが、

 

悲しいんだか、感動なんだか

 

わからない複雑な気持ちになります。

 

 

 

全6話と短いのですが、

 

前半3話、後半3話で

 

時、登場人物がガラッと変わります。

 

これに戸惑う視聴者もいるかと思いますが、

 

この事についてヨン・サンホ監督が

 

アメリカのエンターテインメント誌

 

『Variety』のインタビューで以下のように

 

理由を述べています。

 

Q.:ショーには多くのキャラクターが登場し、

また途中で時間が大幅にジャンプ。

前半と後半では登場人物が変わりますが

なぜこのような作りにしたのですか。

 

A. :  互いに信念が対立しているときに

社会がどのようになるのかを見せたかった。

また、そのためには、複数の信念を持った

複数のキャラクターが必要だった。

 

 

 

前半は罪人であるターゲットを地獄へ送る

 

ゴリラ風怪物の恐ろしさに震えましたが

 

後半は彼らより

 

説明できない超常現象による恐怖を利用し

 

人々を扇動する動画、

 

洗脳された大衆による

 

ネットでの誹謗中傷、フェイクニュース、

 

間違った正義をかざして人を裁く怪しげな宗教、

 

それに同調して反論する者、

 

彼らの意図する事にそぐわない者には

 

暴力をふるい、殺すこともいとわない。

 

人間の狂気、愚かさに対し

 

怪物3人組よりも恐怖を感じました。

 

正に現代社会で起こっている事への痛烈な風刺。

 

韓国エンタメの社会性の高さを実感する作品でした。

 

告知されたシングルマザー

が怪物に地獄に送られる試演を

特等席で見学するVIPたち。

イカゲームにもこういうVIP出てきましたね。

 

 

現実離れしたゾンビ、怪物モノは

 
話の構成に奥行きと説得力が無く、
 
また役者の演技力が低いと
 
目も当てられないほどチープな
 
B級モノになってしまいますが、
 
ここもヨン・サンホ監督の才能と
 
役者陣の神っている演技力のおかげで
 
超一級のエンタメに仕上がっております。
 
かなりグロいシーンも多いので
 
苦手な方にはオススメできませんが、
 
今まで見たことがない新鮮で斬新なストーリーは必見。
 
シーズン2が待ちきれません!
 
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※写真はNetflixからお借りしました。
 
 
 

最後までお読み頂きありがとうごいます。 

 

 

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東京ハヌル