みなさんこんニチワ〜

 

AIUのマリア様とK Cup2019に出て来ました。

優勝&ベストスピーカーだったのでうまくいったと思っています。

 

自分は、よく同じ人とずっと組むんですけどこのチームもレギュラーにしようと思いました。

 

自分はケースを完成させ、個人のスピーチのアウトプットの質を上げるにはパートナーとの相性が大事だと思っています。いいリーダースピーチはその人がうまいからではなくチームがいいから、いいウィップスピーチもその人がうまいからではなくチームが良いから。徹底的な反個人主義を貫いています。

 

ラウンド1から振り返っていきます〜とても長いです〜〜〜〜〜〜

 

 

 

  • Round1: THBT police forces should reflect racial composition of the region that they serve.

OGでした。

 

論題を見た時、たぶんファーガソン事件のようなコンテクストだろうなと思いました。

論題が出たときは争点と証明責任をササッと考えて頭を整理するようにしています。

  • どんな問題を解決したいのか:コミュニティと警察内部で何が起きているのか
  • なんで警察か
  • どうしてracial compositionか
  • どういうコンテクストを想定しているか
  • 導入後オペレーションはどう変わるか
下が実際のプレパ用紙です。(※スピーチ原稿とは違います。)

 

汚くて読みづらいと思いますが、

左上に争点を省略して整理しています。

  • Police
  • reflect
  • racial composition
  • region

と書いていますね。

 

その下には特に解決したい問題を箇条書きにしています。

[Problem]

1) Lack of trust/accontability

→Abuse/brutality : Fargason incident

 

2) Inside Police, barriers その後汚くて読めないです。

 

 

そして右上にモデルを書いていますね。

 

Model

1) Same ratio

※その地域の民族構成と全く同じ構成にする、それを目指すという意味です

 

2) Law enforcement aganecy in general

※警察だけに限らず、司法執行機関(麻薬取締局、公安、特殊部隊など)すべてに対して同じようにこのモデルを適用するスタンスですという意味です。逃げずに正々堂々とハードにやりますよ!っていう宣言です。POIで聞かれる前にコントラを防ぐスパイクとしての役割もあります。

 

そっからのケースはマリアのスピーチを聞いてください。わかりやすく細かく説明しています。

 

 

 

 

 

自分のスピーチの原稿を公開します。今回が合計6枚の紙を使いました。

 

プレパ15分の間に思いついた分析は全てリーダーに渡すようにしているので、15分終わった段階では自分のノートはほぼ白紙です。自分のスコアを上げたいが為に、パートナーにマターを渡さず貯める人がいますが、それだと絶対に勝ちにいけません。思いついたものは残らずパートナーに渡す。大事な話が最初から出ないと、伸ばしきれず押し切られて負けてしまいます。自分のスコアを上げることよりチームで勝つことが優先です。

 

PMスピーチ中、そしてLOスピーチ中に自分の原稿を作りました。

 

自分のスピーチは3つのブロック、イシューに分けました。

  • What should be the solution to existing racism?
  • Operational efficiency
  • Can we reduce communal racism?

なぜそうするかというと、個別の反論を打ってもBPだと浮いてしまうので、試合の中に「埋め込む」「組み込む」ことを意識しています。BP的なテクニックかもしれません。「メインのクラッシュポイントにどれだけ貢献したか」で各チームの評価がなされるので、その意識の現れかもしれません。

 

 

 

 

 

まずは1つめWhat should be the solution to existing racism?

 

 

この争点は要は相手への反論です。クラッシュポイント風にプレゼンしているだけです。

相手の提示した代替案に対しての反論を、それっぽいタイトルをつけて争点風にプレゼンしているだけの話です。

 

「何を言うかではなくどう言うか」

 

 

2つめOperational efficiency

この争点は要は相手への反論にパートナーの説明した問題を絡めて具体化させるのが意図です。それをクラッシュポイント風にプレゼンしているだけです。

それっぽいタイトルをつけて争点風にプレゼンしているだけの話です。

 

 

 

3つめCan we reduce communal racism?

ここからが自分のポイントです。

 

ここで伝えたいのは

紙をたくさん使って、字を大きく書いてください。

自分が読みやすい原稿作るとスコアあがりやすくなります。

絵とか図も書くことをオススメします。

 

 

オマケ

同じ論題の否定側をICU Tで4年前にやりました。その時のトーマスのDLOスピーチです。

トーマスとは僕が現役の時組んでいたディベーターで、オックスフォード大学から東大に留学に来ていたアメリカ人です。

 

 

 

  • Round 2:  TH opposes creation and use of Lethal Autonomous Weapon.
CGでした。
 
ドローンより一段進化した自分で考えて自分で動く「ターミネーター」のイメージですね。というかターミネーターをイメージして考えました。自分の知っているわかりやすいイメージに落とし込むと思考停止しにくくなるのでオススメです。
 
今回は証明責任で考えるトップダウン思考ではなくて、議論から思いつくボトムアップ思考を先に行いました、
なぜならちょっと考えた結果至ってシンプルだけど当たり前過ぎて強い議論を思いついてしまったからです。(証明責任とか争点の整理はあとでやろうという感じになりました、自分の中で。)
 
シンプルで当たり前過ぎるけど普通に強い話。
  • 悪い奴らが使うとやばい
  • 何か問題起きたら誰が責任とるの?
もう、これで行こうと思いました。
この2つをしっかり説明できればイケると思いました。
 
で、みんなよく聞いてくるんですよ。「オープニングが絶対言うじゃん!被るよね?」
うんすごくわかります。すごく。取られるの怖いですよね。
 
でも自分のエクステンションのコツは「堂々とオープニングと同じ話をする。しかし圧倒的なクオリティの差で。」(嫌がらせケースとよんでいます。)
 
自分がBPでジャッジをするときにいつも思うんですけど、先に話した人が偉いのではなくて、うまく説明した人が偉いのはないかと。早い者勝ちではなくて、ちゃんと説明した人勝ちなのではないかと。
似たような議論でも「早く説明したかどうか」ではなくて、「2つの議論を横に並べてみて、よりしっかり説明できている方」を評価したいなと。
 
もちろんオープニングがしっかり説明している時はクロージングが「ちょい足し」してもダメです。なので「ちょい足し」じゃなくて「設定や具体性に細部(ディテール)まで拘った作品を作る」んです。(なんじゃそりゃ?)
 
具体例やケーススタディを意味わからんくらい足していく「妄想力」、オープニングとは1単語単位で別のレトリックを用いるパラフレーズ力を磨くのがコツかなと。
(世界大会2010決勝でオープニングの"Emotional"というレトリックをクロージングが "Viceral"と言い換えていたのは有名な話ですね。)
 
 
ということで
  • 悪い奴らが使うとやばい
  • 何か問題起きたら誰が責任とるの?

をオープニングに取られるかどうかとか気にせずちゃんと建てようという感じになりました。

 

「悪い奴らが使うとやばい」をパートナーと考えて行きました。

この話をブレイクダウンすると(このアイディアをブレイクダウンするというの大切な癖なんで覚えてください〜5W1Hでなんとかなります〜

 

・誰が使うのか

・なんの目的で使うのか

・いつ使うのか

・どうやって使うのか

 

あたりを分析すればいけるな〜と。

プレパが途中から「悪い奴ら」大喜利になっていきました〜

ISIS、 ボコハラーム、ヒズボラー、タミールタイガー、アルカイダ、などのテロリスト集団(Non-state actorsとフレームしたほうがより国際法のニュアンスになるかなと)

 

国家も悪いことやっていて、中国のチベット、ウイグル、香港弾圧、南沙諸島へのプレッシャー、ロシアのベラルーチ、クレミア、グルジア弾圧など。たまたまキャッチーな例にしましたけど、無限にあると思います。

 

もちろん具体例だすだけだとインパクトよわいのでロジックもつけながら。

 

相手は良いやつが良い目的で使うという気がしたのでそことクラッシュさせる為にWhip用に相手が使うであろう具体例もリストアップしておきました。

 

あおそらく人道的介入や混乱を収める為介入の話になると思うので、NATOのユーゴスラビア介入、米国のソマリアへの介入、イギリスのシエラレオネへの介入、フランスのコートジボワールへの介入、NATOと有志軍によりリビアへの介入あたりかなぁと準備していました。で、なんならフリップしてやるぜ〜!と思って、反論考えてたらポイントにしちゃおうと思ったので、パートナーに渡してエクステにしました。

「早まった介入はむしろヤバい」的な。

 

相手への反論考えてフリップできそうならポイントにしてみては如何でしょうか?

 

 

「何か問題起きたら誰が責任とるの?」に関しては。

・どんな問題が起きるのか

・現状の国際法の枠組みでどこまで対応できるのか

・責任を問えない場合どうなるのか

 

などを考えて行きました。。。。

 

続きは動画で。

 

 

 

 

 

 

 

  • R3: Assuming that there is an ungoverned and currently uninhibited island. If individuals choose to move there, their citizenships will be deleted and never allowed to return to any nations.There are no governments who will grant rights for or impose duties on those who choose to move.
    THW allow citizens to opt out of the nation and move to the island.
COでした。
論題なげ〜よ。
 
こういうときは似たような論題を考えています。
自殺、安楽死、ドラック売買できる地域作る、奴隷契約の禁止、そのたあたりと近いかなと思いました。
 
その後は争点と証明責任を以下のようにリストアップしました。
 
こういう論題の傾向として、皆難しいプリンシプルを話そうとするあまり、登場人物の分析とか当たり前の簡単な部分が抜けるので、そこは美味しく頂こうと思いました。
 
でプレパは途中から「どんな人が行くか」大喜利になりました。
ヤバいヤツに島行かせようぜ?ってなったので、あとは動画でお楽しみください。
 

 

 

Whipについて補足すると

 

争点の選択、コンシード、比較の3点は自分のスタイルの根幹です。

 

争点の選択失敗すると格好わるいかなと。

 

よくある雑なまとめ方、例えば

 

1 オープニングについて

2 クロージングについて

3 私達のエクステンションについて

 

とかだと格好わるいので嫌いです。好みの問題ですね。

これやって許されるのシドニーのポールカープくらいだと思っています。

 

以下Whipスピーチの原稿載せます。7枚使いました。

冷静に何書いてあるかわからないと思うので音源と聴き比べてみてください。

決して完璧ではないですし、直すべき箇所もたくさんありますが、それでも81点付いたので多少参考になると思います。

 

Indexです。

 

1) Whose rights should be prioritized over whose rights?

2) Can individuals consent to completely surrender liberty and agency?

 

上記のタイトルはスピーチを始める直前にとっさに修正したので、きたないメモになっています。

 

もともと使おうと思っていた争点のタイトルは

1) Who are going to the island?

2) Is this a valid consent?

でした。

でもそれだと切れ味がないのと、試合のダイナミクスを正確に捉えられていないので直前で修正しました。より試合のコアな動きを反映した争点のタイトルにしていくのがWhipの腕の見せ所かなと思っています。

 

 

最初の争点

まずは肯定側ベンチがメインで守っていたキャラクターへのエンゲージです。

現状の国民国家体制に嫌気がさして、文明社会から抜け出して行きたい人の話だったので

ある程度コンシードしつつ、インパクトが少ないよ!というフレーミングにしたかったので

"Hardcore Libertarians"とラベルしました。この時点で、割と過激なマイノリティについての話感を演出して、肯定側のケースが狭いことを印象つける意図です。(やりすぎるとミスレプしてるだけの

「かかし戦法」になってしまうので絶妙なさじ加減が必要ですが。)

そして、その他大勢の人たちの権利の保護と比較していけば、モラルハイグラウンドが取れると判断しました。

 

ちなみに相手の一番強い議論に関しては、ある程度コンシードがマストです。

 

2つ目は人生に疲れた人と、そいつらを搾取する悪いやつらというパートナーのエクステンションを伸ばす箇所です。

ただ、繰り返すのは意味がないのでこのシナリオが「なぜ試合の中で重要なのか?」の説明を付け加えます。

 

こういう搾取の可能性があるって知ってて何もしないのは、政府の責任の放棄ですよね?というニュアンスを付け加えることで、「政府の責任の範囲」というメインのクラッシュに埋め込んで行きます。

 

 

最後マイノリティの話です。

ここはパートナーが説明したエクステンションですが、オープニングも話していたのでその差異を演出するのが大切でした。どう違いを出したかというと、「残る人達の物語」という切り口で、人口の多さでインパクト出しました。

 

違いを出す際に決して同じベンチのオープニングチームをディスったりしてはなりません。連立政権なので。

 

 

そして

パートナーのエクステンションが試合の中でなぜ大切なのかは、明確に説明するようにしています。

 

 

政府は領域内の人民に対しての責任も大切ですよね?というニュアンスを付け加えました。この程度の追加説明であればNEWアーギュメントではないです。どんどん積極的にニュアンスを付け加えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

2つめの争点です。

いらないと判断した反論はばっさりカットします。

 

 

 

ここも相手の強い議論であった、自由の究極性に関して、コンシードをした上で線引をしにいきました。

パートナーのエクステンションで出した反論・分析は、実は線引になっていたんだよ!と解説をつけくわえるニュアンスで説明しなおします。そしてメインの争点である、「個人がどこまで権利がるか」にエクステンションを埋め込んで行きます。

 

繰り返しだと意味がないので、「解説を付け加えて試合に埋め込む」イメージです。

 

 

最後、もう一発コンシードを入れ込んでいきます。

相手のベネフィットはほとんどの場合、現状でも達成可能。しかしそれを「統治なしの領域」で実践は危険、とexclusivityを軸にしつこく比較していけばインパクト薄まります。

 

 

イメージ伝わったと思いますが、単発の反論を打ったり、エクステンションくりかえるのでは意味がないです。

試合を評価する枠組みを提示して、その中にパートナー説明した分析を埋め込んでその意義を解説していくのが自分流のWhipです。

 

 

 

 

 

決勝の動画は、まだ上げてないのですが、どうにかします。