小中高校生が書道の腕を競う「読売書き初めコンクール」の今年度の入賞作品が決まりました。 応募総数は計2275点で、小学生 1335点、中学生517点 高校生 423点でした。

書家の新井光さんによる審査の結果、特選4点、入選12点、佳作60点が選ばれました。 入賞者と作品を紹介します。 特選と入選の作品計16点は、1月14日から28日まで、東京・大手町の読売新聞東京本社3階「よみうりギャラリー」 (日曜休み) で展示される予定です。 (敬称略、都道府県は学校所在地)


コロナ禍の日常生活が不安定な中で出品された小学・中・高校生のみなさんの努力の結晶というべき作品と対面できて嬉しく思います。文化の根源である文字を大切にして書写・書道に励むみなさんの豊かな心に敬意を表します。

小学生の作品は、元気な声が聞こえてくるような生き生きした作品が多く、力強くて素晴らしい。

中学生の作品は、文字を美しく書く上での注意力が行き届き、字形や文字の自然な大小、構成や名前の入れ方などに学習の成果が読みとれます。 臨書には学ぶ姿勢に徹

する「臨書」 と、 それとは別の解釈で表現する「臨書作品」とがあります。 高校生の作品では、その相違や取り組み方についての理解が深まり、注目すべき作品が増えてきた感があります。 創作におい

ても表現力豊かな意欲的な作品が目立ってきました。期待が高まります。特選の伊藤さんの作品は、王鐸(中国・明~清代の書家)の作品をとりあげ、自らの感性と心で

現代の気を吹き込み、造形的に新鮮で存在感のある臨書作品に仕上がった。桂さんの作品は、字形、配字、名前がよく整い、線が清く澄んでいて爽やか。余白の白が美しい。久保さんの作品は、筆力と圧力のある重厚な骨太の線でスケールが大きい。紙面いっぱいに力が満ちていて見事。稲田さんの作品は、豊かでどっしりした重みのある線で伸び伸びしています。堂々として素晴らしい。(日展理事、読売書法会顧問)