10月1日 金曜日
子どものというはどうしてこんなに
素直に、気持ちを表わせるのだろう
数日ぶりに一緒に夕ご飯を食べていると
「今日の夕ご飯、めっちゃおいしい!
やっぱ、ママと食べると美味しいな~ 」
大人であれば、何か下心でもあるんちゃうか
と思いたくなるほど歯の浮くことばだが、
微塵もそんなこと感じさせない素直な言葉に
思わず、
「そりゃ~そうよ 優人くんのために
何日分もの愛情が入ってるんだから」
と、こちらも歯が浮くような言葉が口からす~っとでてしまう
さらに、
「最近さ、ママと、会うことは会うんだけど、
親子の愛情を深めて無いじゃん
今日、少し時間ある 仕事するならしてもいいけど、
もし、優人君との時間つくってくれたら、
久しぶりに親子の時間、あったらいいな~ 」
いやはや、いつのまに、そんな言葉を学習したのか、
確かに、優人の言うとおり!
最近、会うのは会うが、ほとんど瞬間
じっくり会話したり、遊んだりしたことはない・・・
たまに、早く帰ったので、
本当は、たまりにたまった家事を片付けようと思っていたが
「優人君との時間作ってくれたら 」な~んていわれたら
「忙しいって言うのは、時間管理のできない人の言い訳 」
とセミナーで 話している本人である以上、有言実行
もちろん、優人との時間をつくり、
久しぶりに「爆丸」ゲームで真剣勝負
大人といえども、子ども相手に、真剣に、戦っている姿に
「あのな~フツウ、大人って、子ども相手には手加減するやろ~ ?」
と、呆れてみている夫・・・・
しかし、みっちゃんの信条は、
相手が大人だろうと子どもだろうと真剣に取り組む
それは小児科にいるときに、子どもたちから学んだことである。
それまでは、大人だし、看護師だし、
手加減して子どもに勝たせることが よいことだと思っていた。
しかし、ある日、9歳の白血病の男の子とトランプしていると
「だから、大人って、嫌いなんだよな・・・・」
彼は、看護師泣かせで有名な、一見、小生意気な少年だった。
CV挿入部のドレッシングチェンジも手技が下手すぎる と
何人看護師が泣かされたことか・・・
しかし、彼は非常に的を射たことを指摘するのである。
CDCガイドラインも顔負けのその清潔不潔の観念と
テープをとる時の違和感を少なくするための看護師の努力に対し
容赦なく意見する患児であった。
その日も彼とトランプしていたとき、彼はその言葉をはいた。
「子供だと思ってバカにしてるの、すぐわかるんだよね・・・・
だったら、子どもだって、つまんない・・・
○○看護師さんは、負けたら悔しいけど、
いつでも、真剣に戦ってくれる。
だから僕も真剣に戦うんだ・・・・」
彼のその目の奥には、それからまもなく来る化学療法との
壮絶な闘いへの決心を彷彿させるような真剣なまなざしがあった。
彼はそれから数ヵ月後、壮絶な闘いのあと、短い命を終えることとなる。
そのとき、彼に教えられた。
相手が子どもであろうと、勝負は勝負
真剣に相手してくれるからこそ、子どもも負ける悔しさを学習する。
「ハッハッハ!ママに勝とうなんて、百年早いのさ 」
勝ち誇る私を前に、まったく悔しがらないわが子
負けようが、勝とうが、どうでもいいほど
負けても悔しさを覚えないほど
それほど寂しい思いをさせていたのか・・・
また、母親業廃業寸前を猛省するみっちゃんであった・・・
もっと悔しがってくれるようになるのはいつのことだろう・・・
そのためにも、いつでも真剣に
子どもとも、大人とも向き合う自分であり続けたい・・・
短い命の彼に教わった教訓。
今、まさに、亡くなった彼と同じくらいの息子に重ねている。
みっちゃん