大学選手権2024 応援編  | YELL Onlineβ

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テスト版です

毎回書いていますが、全国大会は応援を観るのを楽しみにしています。
全大学観られたわけではないのですが、観た範囲での印象を。

応援団(部)といったちゃんとした応援組織があるところは多くなく、控え部員による「部員応援」が数から言ったら「主流」になりつつあります。
使われる曲もやはり流行りがあるからか、同じような曲を使っていて似たり寄ったり。
今年は特にプロの応援を使っているのが多いように思いました。


今回特に感じたのは、「試合前に校歌を歌う」という文化がなくなって来ている、ということです。
7回はもちろん試合後も。試合後は、時間の都合もあるし、負けた大学は歌わないのが主流でしたが、勝って歌うのもごく限られた大学だけ。

試合前は、校歌応援歌以外の独自の(必ずしもオリジナルという意味ではない)歌を歌って壮行応援するチームが増えているようです。

なのでエール交換というものも、それぞれのルーティンの後、「フレフレ○○」を言い合うだけ、(特に試合後は)になりつつあります。

そんな感じなので、全国大会は異種格闘技の様相。応援マニア、エール交換ウォッチャーの私、どうやってエール交換するか、メモを取りつつ見ていました。

初めて観た吉備国際大は、いわゆる部員応援でしたが、台に上がっているリーダー役の人たち(控え部員だと思う)が、黒のタンクトップだったのか、男臭くてよかったです。
(エースの桑嶋投手、香川の高校出身だったので応援しました!)

大商大も部員応援でしたが、エールのやり方が、多分その部員の思うがままやっていた感じで、あまり良しと思わない人もいるかもしれませんが、まあ変型エールとして有りなのでは。早稲田のリーダーもちゃんと受け止めていました。

ここからは準々決勝。

中京大対青山学院は試合途中から観たので、試合前のエール交換は観ていないのですが。
中京大は部員の声応援でしたが、しっかり全国仕様の応援をしている印象でした。準決勝まで行ったらもっと大編成で応援に来たのかも?
(試合は非常に惜しかった!)


帝京対天理。
帝京はブラバンが来ていて、準々決勝試合後半には帝京大学八王子キャンパス公式マスコットキャラクター・てぃーぼーくんも来ていました。
応援曲として「VIVA WASEDA」に「狙いうち」、「チャンス紅陵」などを使っていました。
「VIVA WASEDA」の帝京バージョンを聞くと、以前千葉経済大学付属が甲子園に出た時、明治の校歌の節で「おお経済」と歌っていたのを思い出しました。
(第3試合で試合前、早稲田が『前説(?)』でVIVAのことをネタにしていました)

天理はチアリーダー3人と、応援団長と書かれた袴を着た団長が台に立ってリードしています。
これは想像ですが、応援団のリーダーというより、控え部員の中から選ばれた大会用応援団長なのかな、という気がしました。
天理は校歌(学歌、甲子園でもおなじみの曲)を歌い、試合中はいわゆる部員応援で、ブラバンはいませんが声がよく出ているのでブラバンがいないことを感じさせません。
(だけど前から思っていましたが、何故大学では『ワッショイ』はやらないのでしょう)

帝京対天理の試合前のエール後、「今日はよろしく天理」と帝京が全員で声をかけました。こういう掛け合いがどうやら首都リーグではお決まりのようです。
天理の団長さんは他の部員と相談しながら返します。「こちらもよろしく天理」
すると帝京は続いて「むらさきむらさき天理」と声をかけ、天理も「赤いよ赤いよ帝京」と返すなどしばらくやり取りが続きました。
試合後も「あとは任せた天理」「任せろ任せろ帝京」で終わっていました。天理だったから、掛け合いが成り立っていたと思うので、例えば早稲田や青学だったらどう対応したんだろうと思いました。

六大学でも「おーい明治、」等々で始まるブロック合戦(掛け合い)をおこなっていましたが、そういえば最近聞かないような……。試合前のエール交換後、自軍の選手応援のかけ声等をするようになったためでしょうか。


第3試合の九産大対早稲田。
九産大と東日本国際大はどちらも最初に書いた、試合前、応援メドレーみたいな感じで歌うのが儀式のようでした。
九産大はブラバン、チアリーダーに、客席中断には学ランを着た男性何人かいたのですが、応援は完全に部員主体でした。
試合前、九産大が準備をしていて、早稲田リーダーが合図を送っても九産大はなかなか気づかず、おそらく反応があったのを見て早稲田のリーダーが台に立ちました。それから九産大が応援メドレーを始めますが、早稲田も準備に入ってしまっていたので校歌を始めました。早稲田は一塁側後攻だったので、もっと待ってあげても良かったのでは、と思いました。
エール交換は校歌後すぐにおこなわず、九産大が落ち着いてからおこなっていました。


第4試合の東日本国際対上武。
東日本国際大は試合前、「小さな恋のうた」から始まる応援メドレーが試合前の儀式らしいのですが、これが結構長い。
上武の準備中に始めたのですが、上武の準備が終わってからも続いていて、その様子を「まだやるの?」という感じで見ていました。
東日本国際大が落ち着いてから上武は校歌(お馴染みエビ反り、大音量)を始めました。

上武の応援は部員の声応援の走りというか、部員応援を代表するものの一つと言えると思うのですが、どんどん進化している印象です。

最初に、一般のお客さんに向かって、「合いの手、拍手、よろしくお願いします」と声をかけていたし、部員が盛り上がるだけでなくお客さんにも一緒に応援してもらおうと言う姿勢がありました。
ボードで歌詞や「もう一回」「終わり」など細かく指示を出しています。「ISESAKI PRIDE」という曲や、「俺たちの上武」という歌詞のある「ノロシ」という曲など、地元愛、愛校心にあふれた応援が行ってみればメイン応援曲になっている。既存の曲もちゃんと応援用に替え歌にしているし。
試合開始後まもなく18時になったので、太鼓は叩けませんでしたが、太鼓係の部員がバチを叩いて応援していました。
また、試合中盤にはチア曲(?)があり、女装の部員も加わってダンスを披露。横でボードが掲げられているからてっきり「撮影禁止」かと思いきや、


と書いてありました。
六大学では「撮影禁止」がものすごく目立つので、新鮮でした♪

試合は接戦の末、タイブレークで残念な負け方をして、応援席の部員達もすごく悔しそうでした。勿論グラウンドの選手もですが。


正直、「あれはやらないほうがいいんじゃないか」「こうしたほうがいいんじゃないか」と思うところもあるにはあるのですが、私は上武の応援、支持します。
周りにも応援してもらおう、楽しんでもらおう、という姿勢は好感持てました。
部員主体の他の応援チームも(全国大会常連は特に)、上武を参考にして欲しいと思いました。


準決勝。第1試合は11時半試合開始。
11時過ぎに天理が校歌を始めます。でも青学側は応援団がまだ来ていない! 
えっ、キャンパスが一番近いのに?
ちなみに決勝戦も早稲田は開門後すぐから応援部は準備をしていたけれど、青学は一般のお客さんだけ。12時半ころようやく入ってきました。
家が近い生徒ほどギリギリに登校していたものですが、そんな感じなのでしょうか?
あるいはギリギリに入るのが流儀なのかもしれません。

青学の応援は、安心して見ていられますね。3季連続で何試合も聴いているから、今もカレッジソングや応援曲をつい口ずさんでしまっています。


準決勝第2試合の東日本国際は、早稲田の準備が整う前から、いつものように始めていたので、早稲田は準備しがてら見守る感じでした。
東日本国際が落ち着いたところで、早稲田が校歌を始めます。
そしてエールをした後主将は3塁側を向いたまま、じっと待ちます。
ようやく東日本国際大も「エール待ち」ということに気づき、一人の部員が「フレフレ早稲田」を行います。それで終わりそうになりましたが、早稲田がそのまま待っているのを見て、「フレフレ」と一塁側を向いて始めましたが、気がついてスタンドのほうに向き直って「国際」とコールし、ようやくエール交換完了となりました。 
そんな様子もラブリーではありました。
南東北リーグでは、校歌を歌わないだけでなく、エール交換する文化もないのかもしれません。確かに、全国的に見れば、どこかの大学のグラウンドで公式戦を行うリーグも多いので、エール交換もしないところもきっと多いのでしょう。

ただ、これは「全国大会」なのです。
高校野球だって甲子園に出たら甲子園仕様の応援にするではないですか。
特に東日本国際大はもう17回も出ている常連です。
以前(数年前)は校歌(学歌?)を歌っていました。曲も含め応援に好印象があり、また聴きたかったのですが。
 

試合はどちらが勝ってもおかしくない接戦でした。

「関係ないだろう」と言われるかもしれませんが、私は東日本国際大が校歌を歌っていたら、試合も勝っていたのではないか、という気がしています。

早稲田も全国仕様。
過去の他大学もそうでしたが、完全六大学形式ではなく全国大会形式に変えていました。

さらに、「ぶっつぶせ」「倒せ」を封印し、高校野球のように「○○(選手名)かっ飛ばせ」に変更。
ぶっつぶせは確かに自粛してもいいと思いますが、「○○倒せ」は普通にやって良かったと思いますが。

ただし決勝戦は「倒せ」解禁。「ぶっつぶせ、叩きつぶせ」の歌詞のある「早稲田健児」も歌っていました。
やはりちゃんとした応援組織がある同士、そして王者青学でということで、でしょうか。
応援組織がある大学同士の決勝はやはり安心して見ていられます。



六大学の応援は元祖、基本、だと思いますが、同じやり方を全国大会で他リークの大学にも求めたりはしません。それぞれのやり方があっていい。

ほぼ全部の試合で試合後のエール交換の後、部員同士が手を振り合う光景が見られ、まさに「No Side」という感じで「いいなあ」と思いました。

ただ、全国大会に出る限りは、試合前校歌を演奏して欲しいなあと思うのです(7回や試合後はなくていい)。せっかくパンフレットに校歌の歌詞が載っているのだしね。世の中には校歌を聴くのを楽しみにしている人も多いのですから。