東都大学リーグで亜細亜大が優勝した際に、「生田監督が東京六大学の優勝チームとの対戦を熱望」という記事をスポーツ紙で読みました。
早慶決戦の直前です。
記事によると、神宮大会中止が決まった時、選手から「なぜ中止になったのか」と訊かれ、生田監督は答えられなかった、と。４年生にとって最後のシーズン、優勝して六大学覇者との対戦を提言したい、と秋季リーグ戦に臨んでいたということです。
生田監督が、優勝しないと提言できないと考えたのもわかるので、これに早稲田が応えていたら、とてもカッコ良かったのに。そして早稲田がそう言えば、神宮球場も動いたのでは……？
あれだけ劇的に早慶決戦を制し優勝してしまったら、「その先」は考えられないのかもしれませんが。
準備していた亜細亜は、その代わりにというか東北地区王者の東北福祉大と、４年生の引退試合を兼ねたオープン戦を行うことにしていましたが、東京の観戦者数激増で東北福祉が上京出来なくなり、それもなくなってしまいました。
本当に残念です。
他の大学からは神宮大会に替わる大会もしくは対戦をという声が全く出なかったのでしょうか。
高校は、代表チームを地方から遠征させるのも厳しいし、熱狂的なファンが多いことを考えると、運営も難しかったと思います。でも基本１、２年生の大会。
でも大学野球は、大学生活最後の大会となるのです。
前にも書きましたが、「神宮大会」としての開催がダメなら、代替大会として、「大学王座決定戦」とか、「大学交流試合」とか、出来なかったものでしょうか。
秋はどこもリーグ戦を開催、その後地区大会を行ったところも多いのです。
地方から宿泊を伴う移動が無理というのなら関東５連盟王座の大学と、東都、東六の代表だけで、関東王座決定戦、あ
るいは明治神宮創建１００年を記念して、神宮をホームとしている東都と東六の代表との神宮王座決定戦とか。
このところの陽性判明者数拡大を考えたら、いずれにしても難しかったかもしれませんが、早い時点で、案くらい出ても良かったのでは？
甲子園の高校野球が中止になった時は、多くのファンがＳＮＳなどで声を挙げていました。それも反映されて夏の「交流試合」開催になったように思います。
（もちろん、『高校野球だけ特別か？』というような反対の声もあったけれど）
でも、神宮大会か中止になって、その代替大会をというような声は、関係者やファンからあまり聞かれなかった気がします。諦めが良すぎるなあと感じていました。
結果的に無理だったとしても、声くらい挙がっても良かったのに、とずっと思っていました。
そこでふと考えたのは、「大学野球ファン」ってどのくらいいるんだろう、ということです。
野球全般が好きで、大学野球も好き、という人
アマ野球ファンで、大学野球も好き、という人
学生野球ファンで、大学野球も好き、という人
は大勢いると思いますが、
「大学野球ファンです」
と名乗る人はすごく少ないのではないでしょうか。
また
「特定の大学リーグのファン」
「特定の大学のファン」
という人も多いと思いますし、普段神宮に通っている方々は、こういう人か多いと思います。
大学野球ファン、と名乗るには、全国のリーグを観にいく、全国は無理でも、毎週末関東近辺のリーグを観に行く人、ということになるんだろうなと思うと、私自身も「大学野球ファン」とは言えません。
東京六大学野球を観ていると他のリーグは観に行けないし。
全国のリーグを観て回りたいという気持ちはありますが、実質無理ですし。
でも、だから全国大会を観るのを楽しみにしていたのです。
普段観ることが出来ない大学の試合や応援を観られるのは本当に楽しみなのです。
ですので、敢えて言えば、私は「大学野球の全国大会ファン」と言えるかも知れません。
もっとファンも動いて熱望していたら、神宮王座決定戦くらい実現出来たのでは。
開催が決まっていれば、リーグ戦も「そのつもり」で戦えたでしょうし。
もっとも、これは、昨年春秋と六大学が制し、「実力もある東京六大学」と思えるようになったから言えるのであって、「実力の東都、人気の六大学」と言われ、六大学代表がなかなか勝ち残れなかった時期（平成の前半など）は、一東京六大学野球ファンとして、こんなこと言えなかったかもしれませんけど。
早慶戦の果たし状（野球殿堂博物館で写しました。ボケていますが）
生田監督がこういう果たし状を送れば良かったんだわ、と姉。