終わってみれば、大学ナンバーワン投手・森下擁する明治が、順調に勝っていった、ということになりますが、リーグ戦を思い出してみて下さい。
立教2回戦から負けなし、とは言え、相手のミスに助けられたこともあり、圧倒的な勝ち方ではありませんでした。
特に東大1回戦。坂口投手に9回零封され、延長で辛くも勝利。
そして慶應2回戦。実はこの日、姉が体調不良で神宮を“欠席”していました。
家でネット観戦し、Abema TVの広澤克実さんの解説を聞いていたそうですが、かなり明治に手厳しくおっしゃっていたとか。
竹田が満塁ホームランを放ち勝った試合でしたが、
「運以外すべて慶應が上回っている。紫紺の霧が神宮を覆っているようだ」
というようなことをおっしゃっていたそうです。
そして、マジック1で迎えた法政1回戦では、3対0とリードし優勝決定かというところから逆転され、これは負けパターン、優勝逃しパターンか? と思われましたが、9回裏に追いつき引き分け。
そして2回戦では序盤に0対7とされながらも逆転勝ちし優勝決定。
翌3回戦も接戦を制し完全優勝を達成しました。
リーグ戦中、4年生野手が日替わりヒーローとなり、多くの試練を打ち破り、「負けない明治」を作っていったのです。
それでも全国大会で勝ち抜くのは本当に難しい。
それは、善波監督もよくわかっておられたと思います。
ですが、どんな展開でも負けない、7点差だってひっくり返せるということは選手たちの自信にもなっていたのでしょう。
初戦の福井工大戦で、公式戦今年初先発となる伊勢が先発。最初はやや不安げだった伊勢も、味方が逆転してからは落ち着きと自信を取り戻しました。
準々決勝の東洋大戦では森下が(なんとか)完封し、準決勝での東農大北海道オホーツク戦は、伊勢が3回から圧巻のピッチングで、森下にリリーフさせる必要もなく、「決勝で森下」という舞台を作りました。
そして決勝戦、3回にラッキーな3得点をもらいリード。それまで3点差をひっくり返して勝ってきた佛教大だっただけに、安心は出来ませんでしたが、森下なら大丈夫と思わせてくれて、見事な日本一達成!
もちろん善波監督以下首脳陣の指導の賜物ではありますが、立教、早稲田、東大、慶應、法政の5大学が、明治を強くしたのです。
東京六大学リーグ全体で誇っていい、素晴らしい日本一でした。
※決勝の試合中、雨も降っていなかったのに虹が出ていたのは、紫紺の霧のせいだったのかもしれません。