なんだか、本当にお久しぶりです。

 

ブログはもう書かないつもりでいましたが、思い出の詰まったエリザベスのために何か書き残しておこうと思い立ちました。

 

ブロ友さんのメッセージで知った、エリザベスの閉店。

 

1979年創業ですから、今年で41年目。

 

よくここまで頑張って営業してくれたなあ、というのが実感です。

 

最近はいろんな業態の女装サロンが増えてきて、女装する方のすそ野は広がってきたものの、エリザベスに来る方は減っていたのかもしれません。

 

これも時代の流れとはいえ、寂しい気持ちでいっぱいです。

 

私がエリザベスの存在を知ったのは、高校生だった昭和60年頃で、実際行ったのはそれから3年後です。

 

あれから、32年もたってしまいました。

 

あの頃のエリザベスは神田岩本町にあって、5階建てのビル全部がエリザベス会館でした。

 

地下鉄岩本町の駅の出口のすぐ脇にビルがあったのですけど、入るにはとても勇気が要りました。

 

岩本町の駅の階段や通路を何度行ったり来たりしたことか。

 

なんとか建物に入ったものの、2階のショップに上がるだけでも大汗をかいていました。

 

2階に上がる階段に、雑誌くいーんの表紙がずらりと飾られていて、それに目を奪われましたね。

 

2階にはまだ男性の店員さんがいて、散々ショップの中をうろうろして、他の客がいなくなるのを見計らって、「初めてなんですが・・・」と声を掛けました。

 

メジャーで胸囲を測ってくれて、下着セットと女装のひろばの入場券を買いました。

 

4階が衣装とメイク室、5階がサロンで、そこは完全に大人の世界。

 

どうしてもセーラー服が着たくて、何年か越しの夢がそこで叶いました。

 

エリザベスという存在がなかったら、私は犯罪に走っていたのではないか・・・・・と考えることがあります。

 

それくらい、エリザベスに救われた気がしました。

 

しかし、あの頃、「女装」というのは、世間的には完全に御法度な趣味でした。

 

私はエリザベスで望みを叶えてもらったけど、行くたびに恐れていたのは、素性がばれてしまうのではないかということ。

 

バレたら世間では生きて行けないと思い、着替えやメイク待ちの間に素顔が見えてしまうのが怖くてびくびくしていました。

 

エリザベスにもう一つ救われたのは、ショップや通販の存在。

 

就職して一人暮らしになると、女装用品を集め出しましたが、当時、男性が女装用品を買える店はありませんでした。

 

インターネットなんかなかった時代、直接店に買いに行くことなどできず、もっぱらエリザベスのショップと通販で買っていました。

 

通販でも素性がバレるのが怖くて、偽名を使っていました。

 

市価よりはかなり高かったけど、男性が堂々と買える店があることは大きな存在でした。

 

くいーんという女装雑誌も、隔月刊で2500円という高い値段でしたが、集めていました。

 

あの表紙はプロのカメラマンが撮影したものですが、こんなに美しく撮ってもらえたらなあ、といつも思っていたものです。

 

エリザベスで撮ってくれる写真は、ポラロイド写真でしたからね。

 

今では、どこのサロンも撮影技術が進化し、あの頃のくいーんの表紙のような写真が撮れるようになりました。

 

そんな時代が来るとは思っていなかったですね。

 

エリザベスはしばらくして、亀戸に移転します。

 

亀戸店は総武線の線路際に店があって、1階がショップで、2階がサロンでした。

 

休日にサロンに行くと、座り切れないくらいたくさんの女装子さんが集っていました。

 

ここで、初めてアイドル風のドレスを着たり、ウェディングドレスを着たりしました。

 

下着を保管できない私は、女装するたびに下着を買っていたのですけど、サロンの入場券を買う際に面倒なので、いつも「初めてです」と言っていたんです。

 

そしたら、メイクのN島さんに「あんた、初めてじゃないでしょ!この前も来てたんじゃない?」って怒られちゃいました(笑)

 

当時は、ショップ専門の新宿店と日暮里店があって、新宿店にはその後、ありんこクラブという小さなサロンが併設されました。

 

亀戸店はいつも混んでいたので、私は新宿店によく行っていましたね。

 

メイクさんが一人のアットホームな雰囲気で、女装子さんが増えてくるとみんなで記念写真を撮るんです。

 

今とは別の名前なんですけど、命名式をしてもらったのは、この新宿店です。

 

この頃からインターネットが発達してきて、予約制の撮影をメインとするサロンが出現してきました。

 

エリザベスがホームページを開設したのは、ずっと後のことだったように思います。

 

私は予約制のサロンに遊びに行くようになり、そのうちに新宿店は閉鎖になり、亀戸店も浅草橋に移転しました。

 

雑誌媒体が売れなくなってきたのか、くいーんも廃刊になりました。

 

予約制のサロンにしばらく行っていたものの、仕事の関係から事前の予約がしづらくなり、またエリザベスに通うようになります。

 

さすがに毎回下着を買うわけにも行かず、浅草橋店にロッカーを借り、入場券が割引になるからと、長年かかってようやく会員になりました。

 

確か亀戸店までは、アルコールは置いていなかったと思うのですけど、浅草橋店はビールが自販機で買えましたね。

 

また、エリザベスは近隣への配慮などもあって、長らく女装外出が禁止でした。

 

それくらい、女装というものが世間的に奇異の目で見られる存在だったのですけど、浅草橋店は条件付きで外出が許されるようになりました。

 

この頃のエリザベスは、昔のような敷居が高く、とても入りづらい存在ではなくなってきていたと思います。

 

予約の要らない浅草橋店には、よく遊びに行き、振袖、袴、浴衣など初めてのものに挑戦しました。

 

そのうちに私の側に、さまざまな環境の変化が訪れて、女装が容易にできないようになってきました。

 

エリザベスからも足が遠のくようになり、3カ月に1回、ロッカーの代金を払いに行くくらいになっていました。

 

そのロッカーも、昨年8月に引き払い、以後、エリザベスに足を踏み入れることはなくなりました。

 

ただ、また環境が変わったら、やはりエリザベスには行こうと思っていた矢先・・・・・・・

 

2月3日発表で、2月15日閉店はあまりにも唐突でした。

 

私は決して常連ではなかったし、サロンの隅の方で静かにしているだけだったので、エリザベスでの知り合いの女装子さんはいません。

 

でも、今に至るまで何度エリザベスに行ったのだろう。

 

浅草橋に移ってからも、あとで家族にばれるのが怖くなり、エリザベスの前の道を行ったり来たり。

 

エリザベスの前は三差路になっていて、エリザベスに突き当たる道の奥に潜み、誰か入ったら自分も入ろうかなと。

 

また、今はコンビニになってしまったけど、あそこは駐車場で、その前にある自販機でコーヒーを飲みながら、入ろうかどうしようか躊躇したり。

 

サロンに入った回数、ショップだけ見て帰った回数、躊躇して入れなかった回数、これらを合わせるとどのくらいになることか・・・・

 

とにかく、こんな誰にも言えない不可思議な趣味を持ってしまった私を、エリザベスは救ってくれました。

 

初の完全女装から32年間、エリザベスに対する思い出は尽きません。

 

本当にどうもありがとう!

 

 

 

↓みんなエリザベスに憧れた

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