初めて女装サロンに行ってから、30年ほどになります。
最初に行ったのは、もちろん神田のエリザベス。
あの頃、東京で女装サロンと言えばエリザベスで、完全女装を目指す人はみなエリザベスに集っていました。
その後、亀戸、浅草橋と移転して現在に至ります。
エリザベスはショップだけの店舗もあって、日暮里、新宿にそれぞれありました。
そのうち、新宿店の一部をサロンとして営業し始めました。
新宿店といっても、場所は新大久保と高田馬場の間くらいで、サロンの名前は「ありんこクラブ」。
とても小さいけど、メイクさんが一人いて、サロンにも女性スタッフが一人いました。
アットホームな雰囲気で、何度も通いましたね。
皆が集まってくると、集合写真を撮るんです。
メイクさんから、南果歩に似ているねと言われて、かほちゃんと呼ばれてました。
今のエリザベスは命名式があるのかどうかわかりませんけど、私の初めての命名式は新宿店でした。
でも、そのうち新宿店自体が閉店となり、サロンもなくなってしまいました。
インターネットが一般に普及してきたのは、21世紀の手前くらいでしょう。
その頃、私もパソコンを買い、検索すると、女装子さんのホームページがいくつか出てきました。
それをよく見入ってましたね。
そして、しばらくすると、新しく開業したサロンのホームページを見つけるようになりました。
最初に見つけたのは、横浜のアルテミスとHIMEだっと思います。
美しく変身した女装子さんの画像がたくさん載っていて、これを毎日食い入るように見ていました。
家で女装子さんの画像を見れるなんてすごい時代になったなと感動するとともに、当然、行ってみたくなるわけです。
さて、どちらに行くか・・・・・・
決め手はサロンの予約方法でした。
アルテミスはHP上で空き状況がわかると同時に、HPで予約もできましたが、HIMEの場合は電話予約でした。
私もなんだかんだ言って、予約する際はとても緊張するんです。
というわけで、最初に行ったのはアルテミスでした。
予約の際、女装名を入れるのですが、その時に適当に入れたのが、今に至る「春野めぐみ」という名前です。
確か季節が春で、当時あこがれていた女性にめぐみさんという方がいたので、とっさに考案した名前です。
場所は秘密なので、当日は横浜駅前の岡田屋の前で待っているよう指示され、スタッフの女性が迎えに来てくれました。
サロンの場所は、高台にあるオフィスビルの一室でしたね。
これらのサロンの画期的なところは、予約時間の客が自分一人ということでした。
誰にも会わないことから、秘密も守れるし気兼ねなく女装ができるわけです。
エリザベスに比べれば価格は高いのですが、十分に満足のいくサービスを提供してくれます。
オーナーの楓さんとメイクさんの2人で私1人を対応していただき、写真も何百枚も撮って、CDで渡してくれました。
エリザベスの場合は、ポラロイド写真を一枚撮ってくれるんですけど、当時のポラロイドは自分が素のまま写ってしまうんです。
女装したら高揚しているんですが、写真を見ると明らかに女装した男。
なんか少々がっかりした思いがありました。
アルテミスの場合、当時からもうデジタルカメラでしたから、ポラロイドとは比べ物にならない画質でしたね。
撮影では背景もあるし、女性らしいポーズやしぐさもつけてくれました。
訪問した初日、外出してみたいんですと言ったら、本当は初回はダメだけど特別にということで、スタッフさんと横浜駅前まで行きました。
確か当時はまだエリザベスも外出禁止で、女装外出に憧れていたのです。
これが初めての女装外出なんですけど、週末の横浜駅前の人ごみの中にいきなり行って、もう顔から火が出るくらい緊張しました。
緊張して猫背になっていたんですけど、スタッフさんから背筋を伸ばしてしゃんとしてないと、逆に目立ちますよと言われたものです。
でも、帰り道、高台の階段を上るのに、ヒールのある靴で登る大変さ、ヒールのコツコツという靴音は心地よく感じました。
それからはアルテミスに何度か通い、外出コースで横浜周辺に繰り出しましたね。
もちろん、後にHIMEも訪問しました。
アルテミスがナチュラル系なのに対し、こちらでは派手な衣装も着ましたし、ウェディングドレスも着ました。
スタッフさんは2人いて、漫才のような掛け合いで終始笑いが絶えなかったですね。
インターネットで後に興味を持ったのは、アールズです。
ここの画像は結構派手な変身が多く、大変身してみたいと思っていた私は行ってみることにしました。
予約後、連絡がくることになっていたのですが、何故か来ず、仕方がないので予約当日、最寄りの四ツ谷駅で待機していました。
そして私の携帯が鳴り、オーナーの麗子さんから、「まだ来ないんですか?」と。
「いや、行き方を教えてもらっていなんです」と言うと、「え!ごめんなさい!」と言って、店までの道順を教えてくれました。
でも、これが複雑すぎてわからず、途中で何度も電話をしながら聞き出し、店のある四谷坂町までたどり着いたのですが、店のあるマンションがわからない・・・・
最後は、スタッフさんが探しに出てきてくれました(笑)
アールズはその後新宿に移転し、そこには何度も訪問しました。
とにかく衣装が多く、メイクもヘアもいくらでも派手にしてくれます。
私はもっぱらキャバ嬢系でしたね(笑)
実際の自分はとても地味なんですけど、自分と正反対のちょっといかれた女性になってみるのが楽しくて。
行くと、「今日はどんな風にします?」と聞かれるんですけど、決まって「超派手目にしてください!」と(笑)
そして、その後に行ってみたのが、恵比寿のZOOM。
1分間のメイク動画などをアップしていてどんなところだろうと思っていたのですが、なかなか訪れる機会がありませんでした。
行ってみると、当時はオーナーのなほさん一人で、切り盛りしていました。
お店の衣装はまだ少なかったのですが、実際にメイクをしてもらうと、今まで体験したことのないテクニックにびっくり。
テープを経験したのもこの店が初めてで、アイプチやファイバーテープなどの威力には驚きました。
そして、その後何度もZOOMに通い、どんどん進化するメイク術に感心したものです。
こちらも毎回、ちょっと無理かな?という注文をしてみるのですが、なほさんは難しければ難しいほど燃えるんですね。
毎月のように訪問し、無茶な注文にも完璧に対応してくださり、ずいぶんと楽しませていただきました。
るみさんとの絡みで、四谷のリーフスタイルも何度か訪れました。
あの山のような衣装と、店長さんの明るさはリーフスタイルの特徴で、外出に向いたお店ですね。
その他にも行った店はいくつもあるんです。
けれど、とても書ききれない・・・・・
サロンはその後も新しい店が開業し、ますます選択の幅が広がってきています。
でも、サロンのメイクさんはみな独自にメイク術を会得しているので、サロンによって自分の女装姿はかなり違ってきます。
サロンの個性が出ているところであり、そこが面白いところでもあります。
だから、サロンはたくさんあれど、競合しているようでしていないんです。
こう振り返ってみると、私はずいぶんとサロンにお世話になっているんですね。
どこももう一度訪問したいところばかりです。
その後のサロンに進化をもう一度体験してみたいのです。
サロンがあって、私がある・・・・と言うと言いすぎですかね(笑)
↓ここでもサロンの下調べはできますよ。