ハピハピバースディ

岡本真夜

 

直接プレゼント渡すのは 何だか私恥ずかしいから

郵便屋さんに頼んだけれど ちゃんと届いたかな?

あなたにいちばん似合うもの 何回もかけて選んだつもり

私のセンスよくないけど 許してくれる?

おめでとう Happy Happy Birthday  I wish あなたが

もっともっと 幸せになれますように

Happy Happy Birthday  今日の日に乾杯 Song for you

あなたと出会えたことに感謝したい

誰よりも大切な 大好きなあなたへ

 

この曲は、だいぶ昔の曲ですけど、NHKのみんなのうたで流れていたものですね。

 

テレビでこの曲が流れている背景に、ほのぼのとしたアニメが映し出されていました。

 

そのアニメを絵本にしたものが、書店に置いてあったのです。

 

当時、私は東京近郊のアパートで独り暮らし。

 

何気なく寄った近所の書店で、たまたまこの本を手に取りました。

 

別に何の期待もしていなかったけど、読んでいるうちに涙が出てきて止まらなくなりました。

 

あ、これはまずいと思って、すぐに書店を後にしました。

 

この本は涙を誘うような本ではありません。

 

その時、今までほとんど涙を流したことがない私の涙腺がなぜ緩んだのか。

 

そう、私はあまりにも孤独でした。

 

ハッピーバースディなんて言って祝ってくれる人もいない。

 

もちろん、誕生日に何かをプレゼントしてくれる人もない。

 

自分の職場にも身の回りにも誕生日さえ気づいてくれる人もいない。

 

センスが悪いものだって何だっていい。

 

誕生日を祝うために贈ってくれるものだったら、その気持ちが嬉しい。

 

仕事を離れれば、あまりにも孤独で寂しすぎる。

 

休日は、一言も言葉を発しない日さえある。

 

いったい自分は何のために生きているのだろう。

 

いったい自分は誰の役に立っているのだろう。

 

いったい自分は誰とつながっているのだろう。

 

毎日冷えたコンビニ弁当をぼそぼそと食べるだけの生活。

 

目の前に心のこもった暖かい手料理があったら、どんなに幸せなことか・・・・

 

愛情や優しさにずっと飢えていたことで、ふと手にした何気ない絵本に涙が止まらなくなったのです。

 

つらいとき、さびしいときは女装に逃げているけど、それはまぎれもない自分自身。

 

女装した自分であって、孤独を癒してくれる女性ではない・・・・・・・

 

さすがに、これでは人生行き詰まってしまうと思いました。

 

恋愛なんて、自分に魅力があるなら女性の側から寄ってきてくれると思っていたんですよね。

 

男女の役割ってだいぶ変わってきていますけど、実は恋愛については変わっていなかった・・・・

 

そう、女性はあくまで、男性からのアプローチを待つ側だったんです。

 

恋愛で傷つくことが怖かった私は、それに目を向けないでいました。

 

それからは気持ちを入れ替えたんです。

 

傷だらけになってもいいから、自ら前に進もうと。

 

友人の紹介する女性、親の紹介する女性、会社のほかの課の女性、会社のほかの支店の女性・・・・・・・

 

気になった女性には片っ端からアプローチしてみました。

 

確かに傷だらけにもなったけど、私が積極的にアプローチすれば、わざわざ会ってくれる女性はいました。

 

ああ、なんでもっと早くこんなことに気づかなかったのだろう。

 

私は何をやるにも、人より10年は遅れているんですよね。

 

そんなこんなで、何とか今に至っているわけです。

 

でも、女性って特別な日を絶対に忘れないんですね。

 

妻の誕生日を忘れた時は、その先1年間ネチネチ言われました。

 

それからは、妻の誕生日は自分の手帳に大きく目立つようにしるしをつけるようになりました。

 

ああ、かくも大変なハッピーバースディ。

 

あの頃よりも今はさらに傷だらけなんですね、これが(笑)

 

 

 

 

↓ハッピーな方々が勢ぞろいです。

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