女装サロンといえば昔は東京にはエリザベスくらいしかなかったのです。


当時、女装サロンの情報を得るには雑誌くいーんがありましたが、大阪のお店は何軒か載っていました。

けれど、東京は何故か載っていなかったんです。

ただ、唯一、ジャンルは違いますが、女装SMサロン「優雅」という店が載っていましたので、試しに行ってみることにしました。


場所は新宿とは書いてありましたが、詳しいことは書いてありません。

電話で予約すると、新大久保の駅前からもう一度電話するように言われました。


携帯電話の普及していない時代。

駅前の公衆電話から電話をして、場所を教えてもらいました。

新大久保のラブホテル街にあるマンションの一室でした。


おそるおそる行ってみて、呼び鈴を鳴らすと、中から少し派手な黒い服を着た女性が出てきました。


部屋の中に招き入れられて、椅子に座りました。

ここでどのようなプレイを希望するかアンケートを取るんです。


通常のSMとレズのコースがあって、レズを選択しました。

SMにはソフトとハードがあって、いったいどんなものだろう・・・なんて一瞬興味は湧きましたが。

メイクの種類にも薄目から派手系まで選択肢があって、もちろん派手系を選択。

ただし、料金は少し高くなります。


コースが決まったことでプレイ部屋に行くよう指示されました。

部屋といってもマンションの別室です。

いったん廊下に出て、また違う部屋の呼び鈴を鳴らします。

中から今日お相手してくれる女性が現れました。

この方も黒の派手な衣装をまとっています。


この方とメイク部屋へ移動。

まず、シャワーを浴びて、下着を着けます。

そしてバスローブを着て、メイク部屋へ。


メイク部屋の椅子は金色の豪華な椅子です。

鏡も金色の大きなもの。

店名のとおり、「優雅」って感じがします。


一通りメイクをしてもらって、衣装部屋に行って衣装を選びます。

衣装はセーラー服にしました。


今度はプレイ部屋に移動するのですけど、ベランダを通って隣の部屋に移動するんですね。

もちろんベランダには覆いがあって、外から見えないようになっているのですけど。


プレイ部屋でプレイが始まりました。

即興でつけた私の女装名で呼ばれます。

薄暗い部屋でお姉さまのリードでレズプレイは進んでいきます。


どんなことをしたのかは省略しますが、正直言ってあまり感じないんですよ。

もともとやりたいのは単独の女装なので、目的が違ったんです。

結局、悲しいかな果てないまま終わりました。

最後はその女性と、「こういうのって何か笑っちゃうよね」なんて素に戻って世間話をして終了しました。


隣の部屋ではドタンバタンと激しくSMプレイをする音が聞こえます。

きっと女装をして責められるのが好きな人なんでしょう。

でも私は違いました。


この店はその後なくなってしまったようです。

1度きりの経験でした。




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