ある日のことでした。

その日は妻が旅行で帰ってこない日でした。


たまたま外で仕事があり、いつもより早く仕事が終わりそうでした。


こんな日は思い切って女装ができるので、オフィスに帰らずに、エリザベスに行ってみようと思い立ちました。


しかし、そうはうまくいきません。

一緒にいた同僚二人が、せっかくだから飲みに行こうと誘います。

断り切れず飲みに付き合うことにしました。


ある程度飲んで、解散したのが7時過ぎ。

ほろ酔い加減の頭で、さてどうしようかと考えました。


まだエリザベスの最終受付の8時までは少し時間がある。

とりあえず行くだけ行ってみようと電車に飛び乗りました。


エリザベスに着いたのが8時を少し回ったくらいだったでしょうか。


2Fで入場券を買おうとすると、「え?上に上がるの?じゃあ急いで!」と言われます。


急いで4Fに上がると、メイクさんは「もう8時を過ぎちゃったから終わりなんですよ」とつれなく言います。


「じゃあ、あきらめて帰るしかないですね・・・・・・」と言ってもぞもぞしていると、「サロンに降りてもほとんど時間がないけど、それでいいなら・・・」といって受け入れてくれました。


急いで着替えて、メイクも細かいところを飛ばして、スピードメイクです。


完成してサロンに降りたのが8時半過ぎだったでしょうか。

サロンにいた方は少々驚いています。


ちょっとくつろいだところで9時をまわりました。

もうメイクダウンしなければなりません。

わずか30分のエリザベスでした。


帰り際に「今度はもう少し早くおいで」と言われました。


あまりの慌ただしさに、もうこの頃には酔いが醒めていました。




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