少し前の話になります。
仕事でよく外回りをすることがあります。
たまたま予定していた打合せがキャンセルになったりして、仕事と仕事の間にたまたま何時間かあいてしまうことがあるんです。
さて、何をして時間をつぶそうと考えて、ふと、とんでもないことを考えつきました。
サロンに行ってみようか・・・・・・。
空いた時間はちょうど4時間くらいあったのです。
これなら1~2時間は女装できるな・・・・・・。
そして、来てしまいました浅草橋。
本当にやってしまっていいものか・・・・と迷いつつも、素早く着替え始めます。
スーツからミニスカートへ。
もうここまで来たら、引き返せません。
「あれ、仕事帰りですか?」とメイクさんが聞きます。
「いや、この後会社に戻りますよ。」と私。
「仕事の途中ですか?なかなかスリルありますね。でも、そういうお客さん結構いますよ。」
「えー、ほかにもそんな人いるの???」
順調に女装が完成し、サロンに下ります。
サロンは人もまばらでまったりと過ごします、と言いたいところですが、気が気でありません。
もし今、携帯電話に呼び出しがかかったら、すぐに会社に戻れないのですから。
というより、この姿で会社と電話でやりとりするのはみっともない。
電話がかかってこないことを祈るしかありません。
サロンでは2時間近くいたでしょうか。
幸い電話もかかってきませんでした。
この後は、会社で打合せがあります。
だから、会社に戻らなければなりません。
メイクを落とす段になって、急に現実に戻ります。
メイクを少しでも残すわけにはいきません。
何度も慎重に落とします。
会社に帰る途中も、髪の毛が乱れていたり、メイクを落とした後のさっぱりした顔でばれるのではないかとひやひやします。
会社にたどり着き、ドアを開けます。
緊張の一瞬です。
同僚の反応は特に何もありません。
よかった・・・・・。
と、思ったら、上司が言いました。
「あれ、ずいぶん疲れた顔をしているね。」
慌ただしく女装をして、神経をすり減らして会社に帰ってきたため、顔に疲れが出ていたのでしょう。
私も咄嗟に、「いやあ、今日の仕事は大変でした。」
それで何とかセーフでした。
自分の座席に座ってしみじみと振り返りました。
今から1時間前は、実は「女」だったんだよな・・・・・・。
そう考えると、自分でも笑ってしまいましたね。
↓サラリーマン、仕事も女装も綱渡り。
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