梅雨空の下に咲く紫陽花、日本情緒あふれる風情ですね。
さて、前々回に続き、#いま気になっていることを書きたいと思います。
東京大学の授業料値上げの件、これは他人事ではありません…
一般市民は物価高騰に節約を強いられ、次は子供の学費が値上げになると憂いている親御さんも多勢いらっしゃることでしょう。そもそも、日本全体のお父さんお母さんの給料がここ何年も上がっていないわけですから。
ちなみに、国立大学の授業料(標準額)は、昭和50年(1975)¥3,000/月、私立大¥15,000/月でした。それ以前は ¥1,000/月だったそうです。昭和50年から3倍に上がっていき、年々、国立大の値上げ率が高くなり私立との差が縮まっています(ご参照:国立大学と私立大学の授業料等の推移/文科省)。なぜでしょう?
今回の東京大学の値上げは、独立行政法人なので、東京大学側の苦渋のご決断ということになりましょう。国からの運営交付金が減額されていることが主な値上げの理由ですが、大学側は国に直談判なさったのでしょうか。なぜに授業料値上げで補填しようとなさるのでしょう?一体どういうやりとりがおありだったのか…
先日の慶応義塾長・伊藤公平氏による中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)での「国公立大学の学費を年間150万円程度に引き上げるよう提案」(※議事録ご参照)というご発言がありました。実に酷いお話であると感じます。経済的に余裕がない一般家庭の子供たちから、進学の道を奪うことになりかねない、非常に狭い視野の偏ったご提案に思います。それこそ、福沢諭吉のお言葉「天下泰平・家内安全」を脅かすものではないでしょうか。国公立大学と学生それに親御さんを苦しめるようなご意見を公に発することは控えるべきであったと思います。子供も親も傷つきます。
大学側の説明では釈然とせず、反対議論は収まらないと思われます。
反対する学生たちや教員、外部の有識者の方などと、広く議論なさることで、新たな解決案が生まれるかもしれません。頑張っていただきたい。
「授業料値上げにより学費の標準額を超える国立大が増えた。値上げは経済的地位によって教育上差別されないことを定めた教育基本法に反し、学生の選別につながる恐れがある。
日本では、国公私立を問わず、大学を公共財と位置付け、学費が高い米国型ではなく、無償が基本のヨーロッパ型を目指すべきではないか。」(東京新聞2024.5.28.)
TVコメンテーターの長嶋一茂さん(元プロ野球選手)は、この東京大学授業料値上げ案に対し、「『基本的に僕は、国公立は、できたら全員タダがいいと思いますよ。やっぱり教育っていうのは、国力を守る、維持する最たるものですから。世界でもタダのところがたくさんあるわけですし、そっちの方向じゃないですか、奨学金があったりとか」と言い、「年間150万円と計算して、例えば10万人だったとしても1500億円じゃないですか。国ってダムとか道路をつくったりすることに何兆円もかけて、国防費に何兆円もかけて、その分の何%かを教育に回す予算組みをちゃんと考えたら、10万人だとしてもその何%で済むわけですから、基本的には国公立大はタダという方向で考えてもらいたい』と自身の考えを話した。」 (スポニチより)
このご意見は、おおかたの国民の思いに近いと思われますので、ご参考にしていただきたいと思います。
東京大学の皆さま、陰ながら応援しています♪
長嶋一茂さんは、明治神宮外苑再開発問題についても、言及されています
*当ブログは私個人の思いを書いています。お読みくださりありがとうございます。