梅雨入りしました。

 

昨夜、夫ともに、能登半島輪島市町野町若桑地区で被災されたご夫婦と花農家の5ヶ月間を追ったNHKドキュメンタリー“ dearにっぽんここで生きたい 〜石川・輪島 若桑地区〜」”を見させていただきました。

 

被災地・能登半島の現状は、最近、テレビではほとんど報道されていないようです。

 

今月初め、能登半島の限界集落に調査にいかれた研究者らによるシンポジウム*を視聴しました。被災地のほとんどがマンパワー不足であり、住宅の被災調査や復旧作業に相当な遅れが生じていることは明白でした(町に音がない)。そのうえ、避難所は床にマットを引いて雑魚寝という痛々しい生活が続いており、我慢と忍耐を強いられているかのようです。外のホテル等に避難された方々も、肩身の狭い思いをなさっているようです(被災者より観光客を優先するホテルもある)。皆さま一刻も早くご自宅に戻りたい一心ではないかとお察しいたします。

 


しかしながら、決して他人事ではありませんで、

今の日本においては、誰にとりましても「明日は我が身」のことなのです。

 

 

 

 

NHKドキュメンタリー「dearにっぽん」のお話に戻りますが、能登半島輪島市にある町野町若桑地区は人口50人ほどのの限界集落です。

 

 

 

こちらで自動車整備工場を経営していた51歳のご夫婦は、自宅は全壊、工場も被害を受け、作業は不可能な状態になりました。復旧が進まず、断水と停電の中、収入はなしでも機材リース代はかかり、仕事を続けることができないと諦めつつも、地域の住民から預かっている120台分の春用タイヤを置いて避難するわけにはいかないと、夫婦は必死に頑張ります。精神的にも追い詰められてしまった妻は、散歩道に折れて倒れている桜の木に、ご自身の姿を重ねます。そして4月…

 

このご夫婦と花農家ご一家の一言一言のお言葉は、生きる詩のように心に響きます。

 

是非、番組をご覧になっていただきたいです。

 

*amazonprimeでも見ることができます。

 

 

@西伊豆松崎町の桜並木

折れてなお ここで生きたい 桜かな 

 

 

若桑地区の方々は、ご高齢になっても、ここで働き、自立して、お暮らしだったようです。

ほとんどの方が避難したくない、ここに居たいと願っています。

避難された方もまた戻りたいと願っていることでしょう。

復旧が進み、被災された方々が一刻も早く安心して、元のようにお暮らしになれますよう、切にお祈り申し上げます。

 

*桜の写真は伊豆半島松崎町訪問時に撮影したもの

 

*2024.6.1.「能登半島地震をめぐる居住の現状と復興の課題」/日本居住福祉学会