(追記あり)
 

 

おはようございます。

 

春めいてきましたが、皆さんご機嫌いかがでしょうか。

 

さて、最近の報道のなかに、モヤモヤする一件がありましたので、頭を整理するために、当ブログに書かせていただきます。

 

先日、麻生副総理が公の場で上川大臣の容姿を揶揄するような発言をされたことが問題になりました。

 

しかし、それ以上に残念に思うことがありました。

この麻生氏発言に関して、野党議員と一部のメディア関係者が(それも女性)、麻生副総理ではなく、言われた方の上川大臣に対して「なぜ抗議しないのか?」とご意見なさいました。上川氏を“罪深い”とまで言ったTVコメンテーターもいたとのこと…

 

遂には、国会での質疑応答 答弁にまで発展しました。

 

 

ことの発言者である麻生氏に抗議をするならまだしも、そうではなく、言われた方(被害者側)の女性を呼び出し「なぜ抗議しないのか?」と、つまり、怒らないことが不服といわんばかりの質問は、いくら相手が大臣とはいえ、ちょっと言い過ぎ、やり過ぎではないかと思えてなりません(悲)…

 

たとえ、上川大臣が麻生氏に抗議したところで、なにか状況が良くなるとは全く思えないですね。

 

私自身もおばさんと言われておかしくない世代ですが、同じ女性として、言われた方(被害者)を批判する女性がいることは、とても悲しくなります悲しい

 


右差し国会での上川大臣のご返答は、

「世の中にはさまざまな意見や考え方があると承知している。使命感を持って一意専心、脇目も振らず、着実に努力を重ねていく考えだ」と冷静にご返答。登壇者の女性議員に向かって「一緒にWPS(女性・平和・安全保障)を頑張りましょう!」と締めくくりました。

 

 

麻生氏の「そんなに美しい方と思わない…」「このおばさんやるね…」という発言は確かに不適切な表現でありますが、上川大臣のお仕事ぶりを褒め上げるおつもりの失言だったようで、上川氏の「ありがたく受け止める」というお言葉は、麻生氏の真意を察したものと思われます。無礼な相手に対しても礼節をもって応じる方とお見受けいたしました。

 

この上川氏は、昨年の秋に七十歳にして、重責を担う外務大臣に抜擢されご就任されています。今もなお、多くの一般の市民が無差別に攻撃を受ける紛争が幾つも起きている国際社会で、主要国首脳陣を相手に日々神経を使う交渉をしている外務大臣ともなれば、頭もスケジュールも平和外交でいっぱいのはず。

就任早々国連本部訪問(NY)、アジア4カ国訪問、火中の中東イスラエル、パレスティナ、ヨルダン、エジプト訪問、12月にスイス訪問、1月初旬にポーランド、フィンランド、スウェーデン、オランダ、ドイツ、ウクライナ、アメリカ合衆国、カナダ、ウクライナ各国の外相と会談、その後にトルコに赴きパレスチナ・ガザの人道状況改善について確認し合い、日本の外務大臣として精力的に世界を駆け回っておられます。先月末にはWPS( Women, Peace and Security:女性・平和・安全保障)というタスクフォースを急遽立ち上げたばかりです。昨日はサモアにいらしてましたね。この4ヶ月間で20カ国以上というタフなスケジュールです。

1.5.~18.2024.上川外務大臣の欧州、北米及びトルコ訪問(写真)

 

このように大変な時期でもあるのに、上川氏は母のように広い御心を示されましたね。

上川氏は、吠えられたら吠え返すのではなく、頭と心でご対応なさる方なのだと理解いたしました。

 

おそらく、この国会での質疑応答 答弁には、準備も含めて1,2時間ほどかかったものと思います。*

その間にも、世界の紛争下では罪のない子供と女性が銃弾に倒れ、さらに多くが紛争による飢餓で命を落としているのです。性暴力の被害を受ける女性や子供、男性も実に多くいるのです。父親や夫である兵士たちは、家を離れて戦っているため、家族を守ることすらできません。今すぐにでも紛争を止めなければならない状況なのです。

 

 

 

これまでの過去に起きた戦争や紛争下では、多くの市民、特に女性・子供が性被害を含め凄惨な暴力を受けてきました。日本も例外ではありません。紛争下にいる女性や子供たち一般市民をあらゆる暴力から守るために、世界各国が協力し合う取り組みがWPSなのです。それをやっと今、日本に正式に立ち上げたのが上川大臣です。近年の日本を取り巻く世界情勢を見ましても、緊張感は続いておりますWPSは私たち日本の女性のためにも、子供たちのためにも必要です。外務大臣として、優先して進めなければならない最重要事項の一つであると思います。

 

 

 

虫めがね今回の騒動で、私の中では上川氏への同情感が増し、早速どのような方なのかとネットで検索してみました。

 

上川氏は、初当選当時から、女性の活躍と女性の視点からの政策提案に力を入れている方で、マスコミに取り上げられる機会が少なかったのでしょうか、そのご活躍は広く一般には知られておりませんでした。これまで精力的に政策提案をなさり、積極的に行動している方であると認識いたしました。

 

一言でいえば、自らの能力と努力で実力をおつけになり、ご自身の実力で勝負している叩き上げの「実力の人」、ご自身の「信念にブレない政治家」という印象です。

 

麻生氏がおっしゃるには、上川大臣は世界主要国の政府要人に自らアポを取って会いに行くというのですから、これまでの日本政府の要人とは違い、タフな行動力と、威風堂々と毅然とした態度は、なかなか頼もしく映ります。

 

最近の白髪まじりの自然なグレイヘアがまたお似合いですよね(好印象)

 

今回の麻生氏のご発言の趣旨は、上川大臣の有能ぶりをウケを狙って盛り上げるおつもりであったようにも見えますが、良くも悪くも、自らのご発言により、麻生氏ご本人は叩かれ、上川氏の仕事ぶり、実績、知性は世間に知られることとなりました。

 

私はWPSのことをほとんど知りませんでしたが、今回の騒動をきっかけに、関心が向きました。

 

上川大臣には、WPSのご推進にますますご尽力いただきたいと思います。

 

私は上川外務大臣にエールを送ります拍手

 

 

9.21.2023.上川外務大臣の女性・平和・安全保障(WPS)フォーカルポイント・ネットワーク ハイレベル・サイドイベント出席

 

1.29.2024.女性・平和・安全保障(WPS)タスクフォースの立上げ

 

*朝日新聞さん、WPSに関する記事↓

 

【ご参考】

上川氏は世襲ではありません(政治家とは縁のない家系)。海外から日本を眺め改革の必要性を感じ政治家を志し、落選を含め下積み7年半を経て2000年(47歳)に無所属で当選、その後自民党入りし、23年の間に法務大臣を3回お勤めです。それこそ茨の道であったろうと想像できます。

頭脳ご明晰でいらっしゃることは、最近のご活躍をみてもわかりますが、東京大学教養学部に入学、国際関係論を学び、三菱総研(シンクタンク)に入社、出産後に渡米、ハーバード大学ケネディスクールに留学、政治学修士を取得、アメリカ民主党議員の事務所で政策スタッフ(インターン)として働き、帰国後に第二子を出産、コンサルタントを立ち上げ代表者となり、あらゆる分野のコンサルに携わる、その後、政治家にご転身されています。一流大学出のエリートにありがちな温室育ちの方ではなく、自ら起業し小企業ながらも経営者であられたという、学識以上に幅広い実務経験をお持ちのようです。

 

*お好きな言葉:「鵬程万里」高く理想をかかげ、遠くを見つめるまなざしを忘れずに。

 

上川陽子オフィシャルサイト
上川陽子*旧オフィシャルサイト(おすすめ)

上川陽子*インタビュー(1994年子育てについて)


 

上矢印この掲示板は9年前に上野寛永寺周辺でお見かけしたもの。今回の登場人物にあてはまりそう(左は上川氏に送りたい…)

 

長くなりましたがお読みくださり感謝です笑

 

 

【追記】

2/15 朝日新聞デジタルの記事です↓

 

 

ルッキズムの研究者である東京理科大の西倉実季教授によるものですが、その一部に上川氏が麻生氏に抗議しなかったことについて、以下のコメント文がありました。ご参考までに抜粋いたします。

 

『 ――上川氏が麻生発言に対し、「様々なご意見があると承知しているが、どのような声もありがたく受け止めている」と述べ、明確に抗議しなかったことに対する落胆や批判の声も出ました。

 女性の外見をめぐっては、ミス・コンテストの議論がずっとありますが、社会的な問題としてミスコンを批判した人が「ブスのひがみだ」と反論されるなど、自分の外見に言及されて発言を封じられるという流れがありました。

 そのことを考えると、今回、もし上川さんが反論した場合、上川さん自身の外見に問題をすり替えられる可能性もあり得ます。政治の世界で指導的な立場にいる人物だとしても「ちゃんと反論しなさい」と求めるのは、ルッキズムの被害者に対する暴力性をはらんでいると思います。

 

 

2/17【追追記】

* 一般の感覚で準備に1,2時間と書きましたが、国会答弁の場合は官僚が答弁を作成するようです。今回の場合は外務省本来の業務とは関係無いと思われる質問ですが、外務大臣の答弁であるなら外務省の職員も関わっているものと察します。

以下添付の答弁作成と官僚の深夜残業の新聞記事を読み、答弁の準備は1,2時間では終わらないものと判り、誠に気の毒に思います。ほぼ完璧な答弁であったと思いますグッ

 

ご参考: