朝晩は涼しくなり、秋めいてきましたね。
 

さて、遡ること8月7日、国立科学博物館が危機的な資金不足に陥いっており、クラウドファンデイングをしなければならないほどの窮地であるという、大変ショッキングなニュースが流れました。

 

科学博物館館長のご説明では、コロナ禍で入館料の収入減と光熱費の高騰が要因とのこと。そのうえ、管轄の文科省から援助(追加予算)を断られていたということです。

 

そもそも、運営に係る予算は前年に申請するものですが、なぜに必要な予算の申請が通らなかったのでしょうか…

いずれにしましても、国立科学博物館は国の機関です。

博物館が所有する所蔵品は、国のお宝です。

その運営管理費は、税金で賄われるべきものです。

それにも関わらず、文科省をはじめ、政府が助けの手を出さなかったということは、一市民として大変ショックでした。なんとも情けないような悲しい気持ちです(涙)

 

上野は訪日外国人を迎える東京の玄関であり、上野公園に在る国立科学博物館、国立博物館、国立西洋美術館は日本の顔でもあります。存在感は大きく、そこに凛と在るのが当たり前の風景なのですね(顔に眉や目や鼻、口があるように)。

そのうちのひとつでもこけてしまったら、それは日本という国そのものの危機であると思います。

 

 

所蔵品を守るべく、館長と副館長自ら世間に寄付をお願いなさっているご様子↓

 

 

篠田館長と真鍋副館長は、どちらも専門分野では第一人者の科学者ですが、冷静に淡々と寄付を求めるお姿には頭が下がります。その甲斐あって、その日の夕方には、目標の1億円に達し、8月9日の時点で4億円に達しているようです。即座に救いの手を差しのべた3万人以上の人々の愛ある行動は素晴らしいです。

 

これで窮地は救われたと思いますが、問題が終わったわけではありません。

寄付金があるなら来年度の予算増額はしないなどということがないよう、国としてしっかりとご対応くださるようお願いいたします。


 

なお、国立科学博物館だけではなく、同様に国からの補助金減少で困窮している国立機関はまだまだあるようです。

 

朝ドラ『らんまん』で有名になった「小石川植物園」

こちらは東京大学の研究施設ですが、科学博物館以上に困窮しているようです。

 

NHKが熱く伝えています↓

 

 

 

小石川植物園は、東京都文京区白山にある東京大学理学系研究科附属の研究施設です。

約340年前に徳川幕府が設けた小石川御薬園が前身であり、長い歴史と伝統がございます。

所有面積 161,588m²(48,880坪)という広大な緑地を持つ、世界的にも高く評価されている植物園です。

 

⭐️小石川植物園の概要はこちら(江戸時代から現在まで)
 

詳細を見てみましょう。

 

 

以下、東京大学基金より一部抜粋。

貴重な植物標本と老朽化が進む歴史的建造物の保存にご協力ください

小石川植物園は、本館の老朽化、狭隘化により標本の管理に大きな問題が生じています。標本を新しい収蔵施設に移すとともに、本館をリニューアルして一部を一般に公開し、セミナー室や休憩スペースなどとして活用していきたいと考えています。
 

本館写真.jpg

 

上差し補修工事をしたら美しく蘇ると思います

 

小石川植物園本館は、1939 年(昭和 14 年)に完成しました。

設計は、安田講堂を手がけ、東京帝国大学総長を務めた内田祥三によるもので、左右対称の独特なフォルムを持つ歴史的な建造物です。

 

貴重な標本の収蔵環境の改善が必要です

小石川植物園の本館には植物標本を収蔵した標本庫があります。標本は湿度や温度を管理して保存する必要があり、庫内は空調設備によって守られています。しかし、建物の老朽化による壁の劣化や雨漏りなどにより、年々管理が難しくなっています。

 

劣化している本館は歴史的建造物ですので、壊して建て直すのではなく、改修工事で保存し、今後も活用していくご方針です(賛成)

 

 

大手新聞による詳細はこちら↓

 

 

 

●外壁にヒビが入り、空調が壊れ、雨漏りもする施設内で、学生は実習をおこない、80万点以上の標本を特任助教がおひとりで管理なさっているご状況のようです。

園長曰く、『温暖化の影響など長期的変化を知るためにも、今の時代の植物標本を未来に残すことは重要な責務だと受け止めている。とにかく標本を守らなければならない。簡素な建物でもいいから、まずは標本を避難させられる場所を早急に作りたい」』とのことで、ご苦労されているご様子が伺えます。

東大HPによれば、園長先生は数年前に京都からご着任されたとのこと、京都で学ばれたご経験を生かし、東大のこの難局を乗り越えていただきたいと期待しております。

 

国立の研究機関の職員の方々は、社会に貢献すべく日夜研究しておられます。

大手企業のために研究すれば高給や潤沢な研究費を戴けるのでしょうが、そうなさらずに、先人から受け継いだ研究者魂を守り、雨の日も雪の日も嵐の日も植物を守って、世のため未来の子供たちのために頑張っていらっしゃることでしょう。建物の劣化によって日本の歴史ある植物研究が妨げられてはなりませんね。

 

今回の報道を機に一般市民からの寄付が順調に増え、速やかに標本管理上の問題が改善されることを切に祈っております虹

 

公園・緑地が少ない東京にとって、小石川植物園は貴重なオアシスです。

地元文京区の地域住民にとりましても我が庭のように大切に思い、地域の環境保全に積極的に関わり取り組んでおられるようです。

植物園の広大な緑地が、これからも伝統とともに大切に守られていくことを心より願っています。

 

小石川植物園を見守ってまいりましょうニコニコ

 

ご寄付の窓口はこちら

 

もみじ小石川植物園は一般公開しております。

広大な敷地に四季折々の花々が咲き、野鳥の宝庫でもあります。

ニュートンのリンゴの分株も植えられています。

紅葉の秋、豊かな自然をお子様にも体験させてあげてください。

 

 

 

小石川植物園公式インスタグラム

 

 

*2017年6月、私がウォーキング中に寄った時の写真です