こんにちは,いっちゃんこと原田です太陽

今回も12月22日に開催させていただきました恒例の「水質検査会顕微鏡」についてです.

前回の淡水編  続き,海水篇の結果報告をさせていただきます.

相変わらず長いので,前書きなしでいきます.

では,まいりましょうダウン

はじめに,比重です.グラフは1.0XXのXX部分だけを記しています.色使いが毎回変わるのは気にしなぃ.

飼育している生体にもよりますが,一般的には水温25℃のとき1.020~1.024程度がよいとされています.

もう少し詳しく書くと,

サンゴ水槽は若干高め(1.022~1.025ていど)の方がよい

魚のみの水槽では若干低め(1.015~)の方が病気が出にくい種が多い(※よくない種もある)

紅海の魚たちは高め(1.027ていど)の方がよい

となっています.

濃い海水を薄める場合はあまり魚に負荷はかからないのですが,

薄い海水を濃くする場合は負荷がかかりやすいので少しずつ適正比重に近付けてあげましょう.

今回は適正~やや高めの比重の方のみで,低い方はいらっしゃいませんでした.理由が気になるところ.

「プラスチックの比重計では大丈夫だったのだけれどにこ!?」という場合でも,

プラスチックの比重計はどうしても経年劣化によって誤差が大きくなっていくので

長期的に考えれば精確&長寿命な屈折計がオススメですビックリマーク

足し水には自動給水装置を使用するとラクですネ.

自分で塩を溶かして海水を作っている方は,水温が25℃前後なのを確認してから比重を合わせましょう
(水温が低い状態で合わせると25℃にしたときずれてしまいます).




次に,pHです.

光合成などの影響によって,照明点灯時は高めに,消灯時は低めに出る傾向があります.

点灯時8.0~8.6,消灯時7.8~8.4くらいが適正でしょうか.

KHやカルシウムとの兼ね合いで変化するものなので,添加剤の使用時は注意です.

前回は低めの検水が76%(!)というすさまじい状況でした...が,今回はかなり改善されています!

前(々々)回同様,今回もペットボトル開封時に『炭酸ジュースのかほりジュースcola』がたちこめてきた

検体がいくつかありましたので,ミネラルウォーターの容器を使ってもらうといいかもです.


7.8未満だった場合は飼育環境(とペットボトル)を見直してみましょう.


続いて,KHです.

炭酸塩の総量を表しているものと覚えておけば(アクアリストとしては)問題ないハズです.

天然海水は6程度ですが,水槽内ではそれよりも少し高めの7~9くらいが安心です.

ハードコーラル(特にSPS)を速く大きくしたい場合はもう少し高め(10~12ていど)がよいですが,

あまり高すぎると脆い(スカスカな)骨格になってしまったり,コケが出やすくなったりするので注意です.

添加剤を使ってKHを補正しているとミネラルバランスを崩しやすいので,添加剤は一時しのぎと考え

なるべく換水やカルシウムリアクターで維持してあげましょう.

人工海水の銘柄や水道水の水質,水槽内での消費ペースによって大きく変わる項目です.

定期的なチェックをお勧めします.



続いて,アンモニア(+アンモニウムイオン)です.

完全にゼロにするのは難しく,タイミングによっては少し検出されますが,0.1ppm以下を保つようにしましょう.


前回,海水は素晴らしいことにパーフェクトでした!! が,今回は0.2ppm以上の検水が見受けられました><

アンモニア濃度が高いということは

バクテリアの生物ろ過が汚れに対して追いついていない証左であり,

速やかなバクテリアの追加をつよく,ツヨク,強く推奨します!!

バクテリアを普段から足す習慣をつけておきましょうビックリマーク


    

続いて,亜硝酸塩(なぜか塩を省略することが多い),硝酸塩(なぜか硝酸とはいわない)です.

亜硝酸塩はゼロに近いほどよいですが,なかなか厳密にゼロにすることが難しく,0.05ppm未満が1つの目安です.

亜硝酸塩が高い状態はきわめて危険ですので, 速やかなバクテリアの追加をつよく,ツヨク,強く推奨します!!

硝酸塩は亜硝酸塩に比べて毒性は低いですが,一定濃度以上になると魚の体色が褪色したり,

サンゴが開かなくなったりするので,換水を行うか吸着剤やバイオペレットリアクターなどを使って下げてあげましょう.

生体ごとの適正(許容)濃度についてはスタッフにお尋ねください.


続いて,カルシウム(イオン)です.

ハードコーラルの骨格形成に必要なだけでなく,pHやKHとも関係してくる重要な項目です.

目安としては

魚・ソフトコーラル中心の水槽:350ppm~

ハードコーラル中心の水槽:400ppm~

といったところでしょうか.

添加剤を入れすぎてしまうと余剰分が沈殿して無駄になってしまい(リン酸塩はへるかも?),

さらにpHがあがりにくくなってしまったりとよろしくないので,きちんとモニターしながら調整してあげましょう.

今回はばらつきが大きかったです.お話を聞いてみると,やはりベースとなる人工海水が大きく影響している模様.

350ppmを切っていたら,そろそろ添加剤の使用時期でしょうか.




・・・というわけで,

水換えをするとき,ろ過器のメンテナンスをするとき,新しい生体を迎えるとき,

気が向いたとき,気が向かないときなど,バクテリアをしっかり入れてあげましょうビックリマーク

生物ろ過をしっかりしておけば(加えて適切な照明や水流があれば)


多くの種類の魚・サンゴを飼育することが出来ますビックリマーク

今回統計は取っていませんが,ご要望に応じてリン酸塩やケイ酸塩,ヨウ素の濃度も測定できますので

気になる方はぜひ次回の水質検査会のときにこっそりその旨を伝えてください.

各項目についてさらに詳しく知りたい!

どのような商品を使えばよいのかの具体的なアドバイスが欲しい!

という方は,ぜひ東京サンマリンサンマリンへ遊びにいらしてください!!

ではでは.



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