緊急提言 福島大学の存在意義と地域社会に対する責任(その1) | 東京信陵会公式ブログ

緊急提言 福島大学の存在意義と地域社会に対する責任(その1)

6月15日に行われた東京信陵会常任理事会において、 大学に対して 原発問題に焦点を絞って実証的な調査、分析、提言を行うべし、これには福島大学が中核になっていくべきとの緊急提言を行ってはどうかとの意見が出されました。
多くの理事から賛同意見が出され、更なる議論を踏まえて、下記の緊急提言を大学側に申し入れる事になりました。

どのような形で申し入れるか等の詳細は小職に一任願いますが、会員各位におかれましては下記緊急提言(案)をご一読願い お意見をお寄せいただきたく よろしくお願いいたします。  
            東京信陵会 会長 菊地宏明(大14)





  緊急提言 福島大学の存在意義と地域社会に対する責任(案)



今回の原発事故でフクシマは国内はもとより国際的にも有名になってしまった。

福島市も子供が住みにくい場所になり、母子共どもの県外流出が続いている。

わが母校は放射能汚染地の大学になり、来年度以降受験生が減少し長期低落傾向に拍車がかかることが懸念され、存亡の危機を迎えるかもしれない。

 現在大学当局は、‘大学と地域の英知を結集してふくしま復興’のスローガンのもと災害復興研究所の設立、放射性物質の測定、シンポジウムの開催などを実施、種々努力している。(残念ながらあまりマスコミには登場しないが。)

 今回は辛い事故だが、さらなる発展には学生(受験生)、父兄、高校・予備校、企業などの関係者のみならず社会にそして世界に福島大学の存在価値・社会的責任をアピールできる絶好のチャンスが到来したと認識すべきであろう。そのためには多士済々の教授陣が中心となり愛校心とパワーを発揮してテーマを国民的関心の高い原発問題に焦点を絞り、ユニークな大学と認知されるような活動することが必要である。国際的にもなったフクシマ原発が起点だが、大所高所からエネルギー政策を論じるのではなく、草の根、虫の目からみた地元住民の視点からの実証的な調査、分析、提言を行う。これには福島大学が中核になるしかない。その成果は必ずや国内のみならず原発保有国、そして世界の人々に示唆に富んだ情報として発信され後世にも評価されるであろう。


施策と内容
 1. フクシマ原発事故が地域社会に及ぼした影響を経済的社会的観点から実証的に調査・分析し将来の展望を描くため提言を行う。

  テーマ(例示)

  ① 原発立地がもたらした経済的社会的効果

  ② 放射能汚染の及ぼす地域産業への影響と人的物的損害

  ③ 避難住民に関する物心両面の実態

  ④ 風評被害の種類と発生状況、その原因と現実的対策

  ⑤ ふるさと喪失の受難と再建の歴史的考察

  ⑥ 原発廃炉後の地域ニーズに即した産業再生振興策

今次テーマは通常は国が調査機関に委託することが多いが、今回はニュートラルな福島大学中心のプロジェクトとするのが最適である。

2. 上記の活動については労を惜しまずマスコミ、行政、学校関係者などに対してあらゆる機会をとらえ積極的に広報活動をおこなう。ホームページに掲載しているから広報していると錯覚するのは禁物である。

以上の提言を大学当局に伝え、東京信陵会総会の席で、この返答を含めた今後の大学の存続と地域貢献に関する施策を発表していただくことを期待する。

以上