小樽建物さんぽの続きです。



前回は、支店統合により、2002(平成14)年に

営業を廃止した、日本銀行旧小樽支店の建物を、

同行の広報施設として一般公開している、

金融資料館 をご紹介しました。

 詳しくは → 



金融資料館のある日銀通り、

それと交差する色内大通りの付近は、

かつて北海道の商工業の中心を担う、

北のウォール街とよばれた場所。


明治~戦前にかけて建てられた銀行等の建物を

いまも観ることができます。

今回、夜散歩することはできなかったのですが、

一昨年の夏、小樽に訪れたときは、

古い建物がライトアップされていて、美しかったです。



◆旧北海道銀行本店


東京さんぽ日和


1912(明治45)年完成。小樽市指定歴史的建造物

設計者は、日本銀行旧小樽支店金融資料館の設計にも

携わった、長野宇平治

窓周りなど、随所に金融資料館との共通点が見られます。

 金融資料館の画像は → 


石造2階建の建物には、札幌軟石を多く用いられているとか。


現在は、ワインカフェ&ワインショップ

小樽バイン になっています。

床面や壁の一部は、創建当時のままだとか。


一度食事をしてみたいな。



◆旧北海道拓殖銀行小樽支店


東京さんぽ日和


1923(大正12)年、小樽経済の絶頂期に完成した

ルネッサンス風鉄筋コンクリート造4階建の建物。

設計者は、国会議事堂の設計で知られる矢橋賢吉

小樽市指定歴史的建造物

1996(平成8)年、小樽市都市景観賞受賞。

初期コンクリート造建築の道内主要遺構とも言われているそう。


現在は、ホテルヴィブラント オタル として、再利用されています。


ロビーをのぞいてみました。


東京さんぽ日和


銀行時代、ホールだったロビーは、2階までの吹き抜け。

天井が高く、開放感があります。

カウンターに沿って立つ、6本の古典的な円柱が印象的。



◆旧小樽商工会議所



東京さんぽ日和


1933(昭和8)年完成。鉄筋コンクリート造3階建

小樽市指定歴史的建造物


画像ではうまく撮れなかったのですが(右側です)

長窓、真っ直ぐ縦に通った支柱、コーニス(軒蛇腹)など、

アールデコの特徴が随所にみられます。


設計は土肥秀二、施工は萬組地元小樽のコンビにより

誕生したのだそう。


彫刻が施された外装は石川県産の千歳石、

正面玄関には土佐産の大理石が使われているとか。



東京さんぽ日和


」の文字が!


小樽商工会議所は、この建物の老朽化が進んだため、

2009(平成21)年、別の場所に移転したのだそう。


歴史的建造物の価値を見出してくれる人に

再利用してもらいたいと、

土地代だけで売りに出していますが、

まだ買い手がつかないとか。


この建物のほかにも、現在何にも利用されていない

歴史的建造物か、いくつかあるそう。


古い建物好きとしては、すてきに活用されて

輝いている姿を、ぜひとも観たい、と願っています。



◆旧安田銀行小樽支店


東京さんぽ日和

1930(昭和5)年完成。鉄筋コンクリート造2階建

小樽市指定歴史的建造物

ギリシャ風の太い円柱が特徴的なこの建物は、

典型的な昭和初期の銀行建築といわれています。


道路の拡幅により、2001(平成12)年、

建物全体を斜め後方に曳家し、外観の修復も行ったとか。


東京さんぽ日和


現在は、「花ごごろ」という和風創作料理のお店として、

利用されています。



◆旧第四十七銀行小樽支店

東京さんぽ日和


昭和初期の建築、木造二階建

小樽市指定歴史的建造物


正面の4本の円柱、タイル張りの壁面など、

昭和初期の銀行建築の典型


現在は、北海道紙商事株式会社 小樽店として、

利用されいています。



古い商家の建物も残っています。



◆旧塚本商店

東京さんぽ日和


1920(大正9)年完成。木骨鉄網コンクリート造2階建

小樽市指定歴史的建造物


近江出身の呉服太物商の店舗として造られた建物。


明治37年の大火で市街地が焼きつくされた小樽では、

防火構造の建物が普及したのだそう。

この建物も、防火のために、外壁をコンクリートで塗り固め、

出入口も防火戸で覆う工夫が施されています。



反対側から観ると、こんなふう。


東京さんぽ日和


1988(平成元)年、優れた建物の再活用によって、

第1回小樽市都市景観賞を受賞していますが、

現在は利用されていない様子。


◆旧川田商店

東京さんぽ日和


1933(昭和8)年完成。鉄筋コンクリート3階建

正面はタイル張りテラコッタの凝った装飾が

モダンな印象です。

現在は、土産物店として利用されている様子。



わざわざ歴史的建造物を探し歩いたわけではなくて、

道なりにふらりと散歩しただけでも、

歴史的価値のある建物をたくさん目にすることができる

小樽。


歴史的建造物に指定されている建物だけでも、

まだまだあるし、

古い倉庫や商家等を利用したすてきな店舗なども。


これからも歴史的な街づくりに力を入れていただきたいな、

と思いました。



小樽運河沿いに残る古い倉庫群は、

飲食店などに利用されています。


建物散歩の最後に、

運河を眺めながらお茶が飲める、というお店に入ってみました。



こんな路地を入っていくと…


東京さんぽ日和



「ほとり」という名の喫茶店が。


東京さんぽ日和


澁澤倉庫を改装したという店内は落ち着いた雰囲気。


東京さんぽ日和



窓辺に絡んだ蔦の間から、きらきら光る運河を

のんびりと眺めて。


東京さんぽ日和



香り高いコーヒーをたっぷりと。

ケーキもおいしかったです。


東京さんぽ日和


次回は、小樽でいただいたおいしいものを

ご紹介しますね。



※関連の日記もぜひ。


小樽建物さんぽ① 日本銀行旧小樽支店 金融資料館




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