この運河が完成したのは、1923(大正12)年。
小樽は、道内一の港都して、
北海道の経済を支えてきました。
運河沿いには、木骨石造りの古い倉庫群が
いまも残っています。
大正から戦前にかけて、
繁栄を誇っていた商都・小樽には、
銀行や商社が競って進出しました。
運河から一本駅寄りの色内大通りは、
この街の経済の中心。
ニューヨークの金融街にちなんで、
「北のウォール街」と呼ばれていたのだそう。
当時建てられた建物の多くは再利用されています。
歴史的建造物の多く残る街並みを、
散策してみました。
最初に訪れたのは、
ルネッサンス様式の重厚感のあるこの建物は、
1912(明治45)年7月に完成したもの。
銀行建築の傑作といわれています。
屋根に配された5つのドームが特徴的。
石造り風の外壁は、レンガの表面にモルタルを塗って
仕上げたのだそう。
東京駅や日本銀行本店を設計した
辰野金吾と、その弟子の長野宇平治らが設計を担当しています。
屋根には八幡製鉄所製の鉄骨、
床にはイギリス製の鉄骨が使われているなど、
↑の画像の塑像は、
アイヌの守り神シマフクロウをモチーフにしたもの。
外壁に18体、内壁に12体、支店を守ってきました。
2002(平成14)年9月、小樽支店は札幌支店に統合される
こととなり、営業を廃止。
翌2003(平成15)年5月14日、金融資料館として
生まれ変わりました。
金融資料等を展示する、日本銀行の広報施設として、
一般に公開されています(入場無料)。
入口の扉には、日本銀行のマークが。
画像右は、支店の窓口として使われていたカウンター。
天井までの高さは約10.5m。
レンガの壁から鉄骨を組んで屋根を支える構造となっている
ため、柱のない、広々とした空間ができたのだそう。
↓は、反対側から見た窓口カウンター
窓口のカウンターなど、ロビー周囲には、
金融資料館の中は、
歴史展示ゾーンと
業務展示ゾーンに分けられ、
パネルや映像などを用いて、わかりやすく工夫された
展示が。
歴史展示ゾーンでは、
日本銀行の歴史、日本の金融経済史のなかで
果たしてきた役割が、詳しく紹介されており、
小樽の街や小樽支店の変遷も知ることができます。
戦後から今日までのお札ギャラリーなども。
業務展示ゾーンでは、
我が国で唯一お札を発行している銀行として、
お札の一生や偽札の防止等についての情報が。
物価の安定や金融システムといった
難しそうな仕事についても、グラフィック等で、
わかりやすく説明されていました。
おもしろかったのは、2002年まで実際に使われていた
金庫を開放し、内部を再現している展示や、
1億円を持ち上げることができる体験コーナー。
(お札は模擬パックですが…)
1億円の重さを体験して、
「これなら持って逃げれる!」と咄嗟に思った私(;^_^A
古い建物好きな私が一番うれしかったのは、
歴史展示ゾーンにある
「よみがえる“北のウォール街”」コーナー。
模型により当時の様子が再現されているのです。
時間があれば、もう少しゆっくり見たかったです。
今回建物の内部をゆっくり観ることができたのは、
この金融資料館のみ。
次回は、そのほかの建物をいくつか、
ご紹介しますね。
日本銀行旧小樽支店 金融資料館のHP → ★
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