もう１週間前のことになってしまうのですが、
（６月４日です）
文京区音羽にある鳩山会館 に行ってきました。
鳩山会館は、関東大震災の翌年1924（大正１３）年に、
のちに総理大臣となった鳩山一郎によって建てられました。
鳩山一郎は、先日辞任した鳩山由紀夫前総理の祖父。
由紀夫前総理は、大学時代までこの洋館で暮らしたのだそう。
７０年に渡って代々住み継がれてきたこの洋館、
由紀夫前総理と、
弟で大臣を歴任した政治家・邦夫氏が独立し、
一郎の息子で由紀夫・邦夫兄弟の父、
外務大臣を務めた威一郎が亡くなった後、
威一郎夫人の安子さんが一人で守っていました。
しかし、建物の傷みがひどくなり、修復工事を経て、
創館当時の姿に復元。
４代に渡り指導的な政治家を生み出してきた
鳩山家の記念館「鳩山会館」として、１９９６（平成８）年、
一般に公開されたのです。
建物の傷みは相当なもので、維持するのもたいへんだった
ことから、一時は取り壊しも考えたのだそう。
でも、「世間の皆様にいままで支えていただいた」という
感謝の気持ちから、記念館として残すことにしたのだとか。
古い建物大好きな私、残していただいてよかった！
鳩山会館の洋式庭園は、
薔薇の花が美しいことで知られています。
薔薇の見頃は、
５月中旬から６月上旬と、１０月中旬から１１月中旬。
私の訪れた６月４日、暑い日が続いたせいもあり、
薔薇の見頃はそろそろ終わりかな、という感じでしたが、
まだ美しい花を見ることができました。
建物に寄ってみましょう…
鉄筋コンクリート造３階建てです。
１階の、フランス窓が並んでいるのはサンルーム。
ここから、薔薇の花が咲く庭園に自由に出入りできます。
この瀟洒な洋館を設計したのは、岡田信一郎。
歌舞伎座や丸の内の明治生命館を手がけた、
大正・昭和初期を代表する建築家です。
鳩山一郎と岡田信一郎は
中学時代からの友人だったそう。
岡田は鳩山邸の設計から工事の監督まで
務めたにもかかわらず、
一切報酬を受け取らなかったとか。
鳩山会館は、神田川に架かる江戸川橋から、
護国寺へとつながる音羽通り沿いにあります。
そのため「音羽御殿」とも呼ばれていました。
江戸川橋駅から音羽通りを７分ほど歩くと…
表札はいたって、普通…
だけど、広い！ 観光バスが停まっていても、
この余裕。
民主党政権が実現して、参観者が急増しているそう。
平日の夕方でしたが、けっこう人がいました。
右の門柱に↑の表札が。左の門柱には住所。
ほんとうに、ここで生活していたんだなぁ…
門を入って、左に曲がると…
坂道。春には桜が美しいとか。
道なりに右に曲がります…
まだ続く坂道！長い！
ここを登り切った（白い車が停まっているあたり）
左手に、やっと玄関があります。
美しい交差ヴォールトの天井。
この階段は、来客と家の主人のみが使用。
それ以外は、別の内玄関を使っていたのだとか。
大理石に赤い絨毯の階段を上っていくと、
クロークが。現在は、入場券を買う受付になっています。
建物内の写真撮影はOK.。
ただし、撮影NGの部屋もあるので、
（入り口に表示があります）注意しましょう。
中に入ると、順路に従って、まず２階へ。
１階から２階へ上る階段の踊り場に、
護国寺の風景が描かれたステンドグラス。
この館の見所のひとつ、とされています。
鳩山会館にあるたくさんのステンドグラスをすべて
手がけたのは、日本画家の小川三知（おがわさんち）。
小川三知は、アメリカのティファニーなど、
数々の工房で技法を学び、
日本にアメリカ式のステンドグラスを広めたことで
知られています。
ガラスを２枚重ね、１枚を透明に、
１枚を赤にすることで奥行きを出すという、
当時ではめずらしい技法が使われているとか。
２階は、家族のプライベート空間でした。
鳩山一郎の書斎は、一郎記念室に。
その息子の威一郎の記念室、
一郎夫人・薫の記念室もあり、
当時の家具や愛用の品々などが展示されています。
記念室はすべて撮影禁止。
由紀夫・邦夫兄弟が使っていた子供部屋などは、
パーティのできる大広間に改装されています。
２枚目の画像、人が立っている窓からは…
庭園を見下ろすことができます。
右奥、紅く白く咲いているのが薔薇。
大広間の床とカーテン。
次回は、建物１階をご紹介しますね。
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