須賀工業製の骨董送水口 in 富山 都蓋のおまけ付き | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

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マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

以前、大阪で見かけたこのTSロゴの蓋。「お散歩 Photo Album」の管理人さんに須賀工業という会社のロゴであることを教えていただきました。「鉄蓋の殿堂」コーナーの記事(上下水道 汎用蓋2)によれば明治の須賀商会創業期から使われていたロゴだとか。

Tは創業者須賀豊治郎氏のイニシャルTらしいです。(須賀工業110年の歩み

送水口界の大御所Ayaさんのブログ「送水口倶楽部」の記事(W.M.ヴォーリズ氏の建築を彩る須賀工業社様製送水口)には、このロゴとSUGA CO. LTD.という社名の両方が入った送水口プレートが掲載されています。まさにロゼッタストーン。
前置きが長くなりました、この記事で珍しいとの解説のあるSTANDPIPE表記のプレートで須賀工業製のものが富山にありました。形状は長方形ですがやはり重厚な感じがします。

設置場所は富山電気ビルディング。同社のホームページ(会社概要-沿革)によれば昭和11年開館とのこと。↓の写真右側の壁に見えるのがその送水口です。同ページに載っている当時のものと思われる玄関の写真では、残念ながらこの壁までは映っていませんが、建設当時からこの送水口があった可能性は高いのではと思います。


「STANDPIPE FIRE DEPT.CONNECTION」という表記がはっきりと読み取れます。プレートのエッジ部分の処理も素敵です。

ちょっとななめから。(2014.9.21追記 鎖が8の字をつないだ鎖というのも見どころだそうです。)

このビルにはもう一つありました。


検査章も付いていて現役のようです。

社名部分。T SUGA CO.LTD.のはずですが、SUCAにも見えます。当時のかな表記が濁点を省略した「すか」でそれをそのまま英語表記にしたのでしょうか? あるいはたんに欠落しただけか??? ちょっと謎が残りました。 もっとアップで撮影してみれば良かったです。

さて、この二つ目の送水口の足元近く、↓↓の写真の中央下部分に変わった角蓋がありました。

私設の雨水桝で汎用品なのだろうと思いますが、「都」と読めます。戦前の東京府時代の府章付きの蓋を「府蓋」と呼びますが、こちらは「都蓋」。どんなメーカーのロゴかこちらも気になります。