仙台市の古いマンホール蓋 | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

仙台市のホームページの「仙台の下水道のあゆみ(歴史) 」によれば、同市の下水道工事の着工は明治32年(1899)で、全国3番目だそうです。水道の給水開始も大正12年(1923)。古い蓋の期待できる都市です。あまり時間が取れませんでしたが古そうな蓋に出会えました。

これまでに、このような地紋の蓋はおそらく見たことがないのではないかと思います。


縁石付きの蓋は、最初に見た↑↑の蓋以外には見かけませんでしたが、同様の蓋は市内に点在していました。


3周並んだ丸の内、内側の丸は8個すべてが貫通していて、2列目は貫通無し、いちばん外側の丸は鍵穴を含め8個が貫通しているものと6個が貫通している2種類(少なくとも)あるようです。

これらの蓋の紋章ですが、「仙」という字を表わしていることは分かるのですが、現在の仙台市章と微妙に違います。
現在の市章を持つ同様の地紋の蓋もありました。すり減り方も少なく新しい感じがします。いちばん外側の丸は鍵穴以外貫通していませんね。


紋章部分を拡大して比べてみましょう。
左側のは、人遍と山が離れていますが、右側(市章)はくっついていて180度回転させても同じように読める形になっています。同市の公式HPの市章のページ には昭和8年9月5日制定とありますので、その制定前後の蓋なのかなという感じです。ちきページさんの市町村章集のページ には明治34年(1901)に制定されたという旧市章も載っていますが、それとも違います。


今回、残念なことに訪問前に見ることのできなかった教科書「マンホールのふた〈日本篇>」(林丈二著)を後で見てみたら、縁石付きの蓋が載っていました。説明文にある教会の名前からすると、私が見たのはまさにこの本に載っている蓋だったようです。蓋を見たときは教会に気付きませんでしたが。。。
この本には昭和9年から13年に作られた仕様とありますから、市章制定直後ということで私の推測は外れましたが、それほど外れていなかったようです。

この本にはもう一枚お宝写真がありました。現存するものとしては日本一古いかもしれないという下水道蓋! 残念なことにこれを現地確認できませんでした。Google mapのストリートビューでは確認できませんでしたが現地に行けば痕跡くらいは見つかったかも。悔しい!

仙台の下水道誌は近代化デジタルライブラリー で見ることができます。


明治36年(1903)に発行されたこの本に↓↓のようなマンホール関係の図面も載っていました。
教科書に載っていた蓋はこの蓋だったようです。19世紀には存在していたかもしれないわけですから古いはずです。


この図の中心部を拡大すると、「仙」が。このブログ記事の前半に登場するものとは違いますが、実際の蓋ではどうだったんでしょうね。教科書に載っている写真ではすでに摩耗していてはっきりせず、謎のままです。