確定測量（かくていそくりょう）とは、土地の境界を明確に定めるための測量です。この測量によって、土地の所有者同士が共有する境界線が正確に確定され、登記に基づいて正式に認められます。以下に、確定測量の具体的な手順や重要性について説明します。
### 確定測量の手順
1. **依頼・準備**
- 土地の所有者が測量士または測量士補に測量を依頼します。必要な書類や資料を準備し、測量の計画を立てます。
2. **現地調査**
- 測量士が現地に赴き、境界標識や既存の測量結果を確認します。必要に応じて、境界標を設置します。
3. **隣接地所有者との立会い**
- 土地の隣接所有者と立ち会いを行い、境界線を確認し合います。境界線に関する合意が得られた場合、境界標を設置し、確認書を作成します。
4. **測量作業**
- 境界線を確定した後、詳細な測量作業を行います。測量データを基に、土地の正確な形状や面積を算出します。
5. **測量図の作成**
- 測量結果を基に、確定測量図を作成します。この図面には、境界線や各点の座標が正確に記載されます。
6. **登記申請**
- 確定測量図を用いて、土地の登記を更新します。これにより、土地の境界が正式に登記簿に記載されます。
### 確定測量の重要性
1. **境界トラブルの防止**
- 正確な境界線を確定することで、隣接地所有者間の境界トラブルを未然に防ぐことができます。
2. **不動産取引の円滑化**
- 正確な土地の面積や境界が把握できるため、不動産の売買や賃貸借契約がスムーズに行えます。
3. **資産価値の保全**
- 正確な測量により、土地の資産価値を正しく評価することができます。これは、資産管理や相続時にも重要です。
4. **法的保護**
- 確定測量によって登記された境界線は法的に保護されます。万が一の境界紛争時にも、確定測量図が証拠として有効です。
### 確定測量と現況測量の違い
- **確定測量**は、法的な境界を正確に定めるための測量であり、登記に基づいて正式に認められるものです。
- **現況測量**は、現時点での土地の形状や状態を把握するための測量であり、必ずしも法的な境界を確定するものではありません。
### まとめ
確定測量は、土地の境界を正確に確定し、法的に登記するための重要なプロセスです。これにより、境界トラブルを防ぎ、不動産取引や資産管理が円滑に進められます。正確な測量と適切な手続きにより、土地の価値と所有者の権利を保護することが可能です。
荒谷竜太