円安や原油高の影響で建築費が高騰しています。



建築費の高騰には複数の要因があり、これらは短期間で解決されるものではないと考えられています。主な原因としては、以下の5つが挙げられます:

1. アイアンショック:新型コロナウイルスの流行により、鉄の需要が落ち込みましたが、その後の住宅やビル、工場などの非住宅建設における鉄の需要の急増により価格が高騰しました。鉄の価格高騰は「アイアンショック」と呼ばれ、建設業界に大きな影響を与えています 。
2. 歴史的な円安:円安が進むと、輸入に依存している建築資材の価格が高くなります。2022年は32年ぶりの円安となり、1年間で円安が30.47%も進みました。これは、輸入資材の価格を押し上げる大きな要因となっています 。
3. 電気料金の高騰:ロシアからの天然ガス輸入が停止したことによる天然ガスの輸入コストの上昇が原因で、電気料金が高騰しています。電気料金の高騰は、建築資材の製造単価を上昇させ、結果として建築資材の価格も上昇しています 。
4. 半導体不足:テレワークの普及によりパソコンやスマートフォンの需要が高まり、半導体の需要が供給を上回り、半導体不足に陥りました。これが、エアコンや照明器具、床暖房、給湯器などの建築関連製品の価格上昇につながっています 。
5. 人件費の高騰:建設業界の就業者数の減少や高齢化が進んでおり、2024年4月からの「働き方改革関連法」による勤務環境の改善のための時間外労働の制限が適用されると、人件費が上昇することが予測されています 。

これらの要因により、建設工事費は今後も高い水準で推移すると予想されており、建設資材の価格は短期間で下がる見込みは少ないと考えられています  。



荒谷竜太