都庁へ



書類も全部揃ってる

記入洩れもないはず



ただ1つでもミスがあると・・




「出直してくれ!」



役所なので

融通が全く利かない




確か5年前

新規だったこともあり

3往復はした




整理券を取り

待つこともなく

呼ばれる




「宅建業の免許更新に来たのですが・・」

ふと顔を上げ担当者を見ると




えっ!

え~~??



黒木メイサ??





スラリとしたモデルのような姿

美しいその素敵な笑顔

エキゾチック&ミステリアスで

危険な香り・・




冗談抜きで

メイサ→ 都庁で一日職員





かと思った





メイサは

にっこりとしながら

書類をチェックする



赤鉛筆で細かくテキパキと




やり直しの怖さ&メイサの美しさ

緊張がダブルで

汗がふきだしてくる私




メイサ

「あの~奥様の名前って珍しいですよね」



うん?

役所らしからぬ事言うもんだな

と思ってよく聞いてみると




会社謄本には

役員である妻の名前が載っている




読み方は一般的だが

その漢字を使うケースは極少



メイサ
「わたしも○○子です この漢字で」



嘘でしょ?

運命??



「偶然ですね!たぶん初めてです」私


メイサはにっこり





こんなんだったら

毎週来てもいいよ

都庁



ずっとやり直しで構わない



と思っていると




メイサ
「業者票と報酬表示の写真が抜けてますねぇ」



あっ

やば

「すみません!抜けてました」私



メイサ

「いいですよ この封筒で早めに送ってくださいね」




なんてやさしいんだ

君は・・




ということで

出直さなくてもいいことになり

無事書類受理




33,000円を支払い

都庁を後にした




メイサとの再会は

5年後?



素敵な人だから

すぐにお嫁に行っちゃうだろう




たぶん

5年後メイサはここにいない





そんなことを考えながら

高速に乗った・・


from 出