東京わんにゃん保護っ子日記 都会の真中の小さなシェルターで暮らす家族になりたいシッポたち

東京わんにゃん保護っ子日記 都会の真中の小さなシェルターで暮らす家族になりたいシッポたち

東京で保健所や虐待現場などからレスキューされ、新しい家族を待っている保護っ子犬&猫たちの様子を発信しています。
ペットを家族に迎えようと考えてらっしゃる方は、是非覗いていらして下さい。
ご縁があれば嬉しいです


多頭飼育崩壊現場からの帰り道、高速道路を走りながら、最近ずっと気になっている事を頭の中で整理していました。そしてやっと言葉に出来てきたので、
そのほんの一部を公開しますが...,

下記画像の現場は別々の多頭飼育崩壊です。

うちのシェルターは決して大きい方ではなくキャパも狭いですが、それでも20〜30頭の収容が可能です。
けれども、この5年ほどの間、そのスペースのほとんどが、各地の多頭飼育崩壊現場からのレスキューで、保健所からの犬猫はほぼレスキュー出来ていません。



そのくらい、近年、多頭飼育崩壊事件が多発しているのです。
保護ボランティアが起こす多頭飼育崩壊事件は、無計画な引き出しと収容過多が原因ですが、一般の方が起こす多頭飼育崩壊事件は不妊去勢さえしていれば防げるケースが殆どです。




そして
こんな事になると、最初は起こした人も考えていなかったはず。
周りからも、その飼い主が未来に多頭飼育崩壊を起こすとは予想できません。

事前に

この人はOK

この人は避妊去勢しなくちゃダメ、

などとはわからない。

だから、雄雌を一緒に飼う場合には、具合が悪いなどの理由がなければ、どうしても不妊去勢をして欲しいのです。

最近、また日本で不妊去勢が一般化している事に反対という考えを広めたい方々がおられるようです。
日本で不妊去勢が普及して来たここまでの流れを知っている立場からすると、かなり残念に感じます。

そして今、私が不妊去勢を反対している方々、全員に問いたいのは、

「あなた方の言葉を表面的に受け取りして、不妊去勢しない選択をした方が、いつかこの事態に陥った時に責任をどう取って下さるのですか?」

ということ。


多頭飼育崩壊現場の子達は近親交配の繰り返しのため、先天性疾患、遺伝子疾患を持つ子も多く、短命だったりサイズが小さかったり、劣悪な飼育環境から引き出されても、不幸な末路となってしまうことも多々あります。
不妊去勢を不自然とか、ホルモンの成長期の個体への影響から問題がある、という理由でしない方が良い、しなくても良い、という意見を広めた結果、こんな子達が生まれて来ることは動物福祉に適った結末でしょうか?

沢山の無責任な飼育者を取り締まる法律は未だ施行できず、そのために過去30年ほどの間に、どれだけの望まれない命が産み落とされ、そして処分されていったのか。
何も罪がないのに、行き場所がないためにこぼれ落ちていく命を増やさない、確実なその方法が飼い主の責任で行う不妊去勢なのです。
不妊去勢の医学的な問題は勿論理解した上で、それでもまず、この過剰供給を断つ事こそが、動物問題の元栓を閉める事に繋がるとの思いから、日本では多くの保護活動家が、不妊去勢を訴えて来たという歴史があります。

何年もの間、何度も各地の多頭飼育崩壊現場でレスキューして来た保護ボランティアはみんな既に疲弊しています。

これ以上、こんな事件を起こさないためには、簡単に「不妊去勢に反対」という言葉を使う前に、まず適正飼育や終生飼育といった命への責任を、もっともっと一般に広める必要があります。
この言葉を広めるなら、
その後でなければ、更に悲しい現場が増えてしまう。

私はそれだけを危惧しています。



下記は新しく、関東近郊の多頭飼育崩壊現場からレスキューしてきた子達。これから、医療を掛け、人と暮らすルールを学び、新しい家族を探していくことになります。