先日の清里のコンサートにお越しいただいたお客様からメッセージを頂戴いたしました。

ご紹介させて戴きます。

ありがとうございました。

 

去る8月29日、山梨の清里で行われた「星降る高原のコンサート」に出掛けた。
一度惹き込まれたら、逃げられない。川村敬一氏の紡ぎ出す世界は恐ろしいくらいだ。
始めコンサートはリートで幕が開いたのだが、特にppいやpppで語る彼の歌声を聴いたら、女性も男性もコロッといってしまう。
実は私は初めて彼のリートを拝聴したのだが、どの言葉も生きていて、それはまるで彼の口から目には見えない真珠が宙に紡ぎ出され、彼がそれに1つ1つ生命(いのち)を与えているかのようだった。気づいたら何だか心がホクホクしている。そう愛に溢れているのだ。このような体験は初めてだった。
そうだ、私はイタリアものを朗々と歌う彼のA面しか知らなかったのだ。
もちろんプログラムにはアリアも含まれていたが、恐るべきはC面もあったこと。それはウエストサイドストーリーのMariaを歌い始めた時のこと。それまでのアリアで魅せていた歌とは、全く違う面をみせてくれたのだ。言葉で表現するのはなかなか難しいのだが、ひと言で言うならば「きまっている」だろうか。コンサートなのでもちろん大道具などはないのだが、あたかもミュージカルの舞台にたっているかのように見せてしまうのだ。
全く違う3つの面をみせてくれるコンサート、こんな贅沢があるだろうか? もうすっかり彼の創り出す世界の虜になっしまった私…。この興奮はなかなか冷めそうにない。