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ハッピーバースデー

現役で一番好きな選手の記事だから
長いすよ。

サッカーコラム風に。







1982年7月11日。

スペインW杯でイタリアが優勝を決めたその日
国中が夜通し歓喜に酔いしれる日付が変わるころ
イタリア南部バーリ旧市街で一人の天才が生れた。


アントニオ・カッサーノ
現アズーリの「10番」。



昔から南北で広がる経済的な格差が大問題になってるイタリア。
南に生まれたら暗黒街で生きるか
暗黒街の顔色をうかがいながら生きるか、、

何の仕事をしていても「ミカジメ」を搾取される。
真面目に生きていこうと思っても無縁ではいられない。


想像を絶する息苦しい日常である。


何よりも、
貧しい事から明日が見えない恐怖。




「ゲットー」がイケてると勘違いしたり、
せっかくちゃんとした家庭で育ったのにゲットー出身のごとく振る舞う理解不能なアホに失笑したことあるが、、、
ひらたく言えば「貧民街」。

実際にそこで生まれ育った本人達からすれば悲惨であり
人生のハンデを感じずにはいられない。
己の境遇を呪うかもしれない。

もちろん地元に誇りを持っているだろうが、
苦しい生活を幸運に思う人なんていない。




カッサーノの境遇は、
検索すればこれでもかってくらい出てくるんで省略します。




マラドーナとテヴェスも同じような事言ってるが、

まともな職に就けない。
他の土地に移って何か始める金もない。
サッカー選手として成功しなければ人生終わるかも。

ってくらい覚悟していたらしい。




本人セイ
「あのインテル戦のゴールが人生変えた」


そのスーパーゴールがこれ

試合終了2分前の逆転弾。
一人の人間の人生が変わる瞬間です。

ゴール後記者達や一般人(?)の歓喜の渦に囲まれる。
イエローカードもらう。

そりゃあ浮かれるって!
人生変えた瞬間なんだから。


当時のインテルは
ロナウド、バッジョ、レコバ、ヴィエリ、サモラノ等が所属してた
眩いスター軍団。

1999年時点で世界一の金満クラブを相手に
弱小貧乏クラブのバーリがホームで奇跡の勝利。
クリスマス前。


ビッグゲームで「試合を決める」価値あるゴール。
カッサーノ17才。
デビュー2戦目。


これで一気に名を売ってローマに移籍。ゲットー脱出。
トッティ王子と完全にシンクロしてコンビネーション大爆発。
いろんな意味で凄いユニットだなぁ。


物心ついた頃から父親が行方不明であったカッサーノは
ローマで兄貴(トッティ)と親父(カペッロ監督)を手に入れる。



楽しかったべな。
トッティおもろいし(プレーも性格も)。




幸せも束の間、
親父と衝突、兄貴と喧嘩別れし
レアル・マドリーへ移籍。



以後、

監督or会長と衝突

干される

を繰り返す。


代表では年代別代表から繰り返してる。




レアルでやる気なくして、若くして早くも終わったかと思われたが
サンプドリアに移籍して復活する。


転機は女。
運命の女と出会ってカッサーノは初めて落ち着きを手に入れる。


ふ~む、女か。




で、
サンプドリアで見事な活躍するも、
またもや会長と衝突→契約解除。

まぁ、これは
会長に飯誘われて
「女が妊娠してるから帰る」って話なんだが、
その話し方にいちいちキレて契約解除にまで発展させる会長がチンカス。

そんなクラブにいても幸せになれないから(監督はナイスな人物だったけど)
出た方が良い。



てことで、
いよいよ正真正銘ビッグクラブ
ACミランで輝きを放つ。

イブラとのコンビ爆発。
これまた恐ろしいユニットだなあ。

ミランに7シーズンぶりのセリエA優勝をもたらす!

この時カッサーノ28才。
デビュー10年で
自身初のビッグタイトル、スクデッド獲得!

早熟の天才の割には遅咲きな栄冠。
サッカーじゃベテランの域だもんな。
相応に人間的成長しないと成功できないようになってんのかな。世の中。




子宝にも恵まれて
やっと人生の春を謳歌し始めたミラン2シーズン目、
まさかの事態に、。



2011年10月末、試合出場後
緊急入院。

心臓疾患~脳卒中で手術。



こないだのユーロにも出てたから
復帰したのは承知ですが、

この病気、選手生命どころか生命の危機。


たまにグラウンドでバタッと突然倒れて
そのまま帰らぬ人になってしまうケース。
心臓発作または脳卒中との関わりも疑われてます。


カッサーノの手術日の前後には、、
例えばレアルでは
試合前、全選手が19番(カッサーノがレアル時代に付けた背番号)で入場したり。
サッカー界に応援メッセージが溢れてました。



愛されてるなぁ。

みんな相~当~手を焼いたはずなんだが。
糞野郎ではない証拠です。




生きてて良かった。




手術から半年後(早!)、
そうです。EURO2012です。


1時間という出場制限付きながら
キレキレのプレーで魅了。
バロテッリと共に大会を盛りに盛り上げた。


準決勝ドイツ戦。
一点目アシスト。

ゴール直後に駆け寄って喜ぶんじゃなく
膝に手をついて息上がってるのが気になる。前半なのに。

凄いアシスト。


DF振り切るのとクロスの精度は天才。
クロスあげるタイミングはファンタジスタ。

あそこは天才でももう一回触るのが普通。

「え?もう蹴っちゃう?」ってタイミングで出すのがファンタジスタ。



バッジョ~デルピエロの系譜は
カッサーノが継いでる。


考えてみたら、創造性豊かな選手って言うけど、
ファンタジスタの定義って?なんだべ?
実際はそんなの無くって、なんとなくなんだけど
確かに「ファンタジスタっぽい」てのあるんだよな。

・蹴るタイミングがワンテンポ早いことがある
・真後ろからのロングボールを前向いたままコントロールできる
・フィジカル頼みじゃない
・何故か干される

こんな感じかな?
他にあったら教えてくださいな。





ここまで色々遠回りしながら
や~っと大きな国際舞台で輝いてるカッサーノを見るのは嬉しい。






★今までどんな暴言吐いても
境遇のせいにするような発言はない。


★あそこまで問題起こさなければもっと早くに、
とっくにワールドクラスになってた。
余計な道草を食ってしまったと言える。


★何度でも立ち上がるから人は人に感動する。





この三つ
自分と似た子供たちに身を以て教えてるような。









2014ブラジルW杯の時には32才か。
大丈夫。イケるべ。

今のアズーリは魅力あるが
カッサーノいなかったら確実に半減。
W杯出てほしい。

イタリアFWにはファンタジスタがよく似合う。




人並みな寿命も送ってほしい。







波乱万丈。
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良い写真だ。

良い写真残すのもスターの条件。


フォルツァ カッサーノ!