介護現場に色彩を取り入れる場合にまず悩むのが、施設の空間全体に色を取り入れるのか、小物などのアイテムを使って部分的にするのかといったことでしょう。実際は、空間全体に配色するのは大変なことです。室内の壁紙や床、テーブルなど大型家具のカラーも既に決まっているので、全てを調和させるには、リフォームや建て直しが必要になるからです。そのため、部分的に配色して色彩効果を狙うのが現実的だといえます。

部分的に色彩を使う場合、一番手軽なのが小物を使うことです。たとえば、緑を使って穏やかな気持ちにさせたいなら、観葉植物を置く方法があります。部屋や談話室などゆっくり過ごす場所に用いると、高齢者をリラックスさせることができます。また、目的に合わせた色合いの絵画を飾ったりする方法もあります。この場合、みんなで楽しく過ごすレクリエーションルームには、協調性がアップする橙色の絵を飾ったりします。このように利用者の過ごし方を考えると、すんなりと色を使い分けることができるでしょう。

時間や場所で照明の色を変えるのも良い方法です。例えば青などの寒色系は見る人に落ち着きを与えます。そのため寝るときは寒色系の照明を使うと良いでしょう。しかし一方で、寒色系は冷たい印象も与えてしまいます。さらに食欲を減退させる効果もあります。レクリエーションルームや食事をする場所は、寒色系よりも暖色系の照明を使うと良いでしょう。

また、施設の随所にカラーテープなどを貼ったりするのも効果的です。赤は目立つ色なので、注意力が上がります。ただ、黒と黄色のように緊張感が増す色合いは組み合わせに注意が必要です。踏切の縞模様に代表されるように、注意力という目的はしっかり果たせますが、高齢者に強い緊張感を与えてしまいます。高齢者によっては不安で落ち着かなくなってしまうので、あまり強すぎる色合いは避けた方が無難です。色を組み合わせてダブルの効果を狙いたい場合は、老眼の人でも見えやすいように疲れにくく明るめの色を使いましょう。介護現場の色彩についてヒントを得るなら、こちらにも目を通してみてください。