〽ためらいながら口紅を
小指でひきなおす
弱い弱い女です〽
ムード歌謡コーラスグループ・名取忠彦とグリーングラスでリードボーカルを務めた長谷二郎氏が、グリーングラス加入前のソロ時代にリリースされた1978年発表作、『彼』。
この『彼』、という短い曲名や、作詞・山口洋子氏、編曲・竜崎孝路氏という布陣。
そして、作曲の伊藤雪彦氏のメロディラインが、中条きよし氏の作品、『うそ』をモロに彷彿とさせる楽曲となっています。
詩の内容も、ヒロインの「彼」である男性の気まぐれに惑わされながらも、別れられない女性の心情を表しており、この辺りも『うそ』と相通ずる様な世界観があります。
ただ、長谷二郎氏の歌唱は中条氏のナヨっとしたソフトな歌唱ではなく、ややワイルドというか、熱のこもった歌い方をなさっているのが印象的です。
こういった女歌を唄うムード歌謡系の歌い手さんは、割と中性的な感じの歌い方をなさることが多いのですが、長谷二郎氏に関しては、後のグリーングラス加入後もそうですが、あまりナヨっとした歌い方をされない方、という印象が個人的にはありますが、声質の問題でしょうか。
ちなみに本レコードのジャケットは、作詞の山口洋子氏が開業した銀座のクラブ、「姫」で撮られたものの様でして、写真からもその「高級感」が伝わってきます。
【レコードデータ】
レコード会社：ワーナー・パイオニア
レコード番号：L-206W
発売日：1978年3月？日
A面 『彼』 作詞：山口洋子 作曲：伊藤雪彦 編曲：竜崎孝路
B面 『あなたエトランゼ』 作詞：山口洋子 作曲：穂口雄右 編曲：竜崎孝路
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